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2019年12月の記事一覧

おそらく所有の時代はとうに終わっている。それなのに私は所有にどっぷりと嵌り込んだままだ。所有の亡霊に取り憑かれ、その歪みのうちに衰弱し病むばかりだ。

いちばんかわいい子がやめてしまったんだよ。よりによっていちばんかわいい子が、と昨春私は〈外〉の人に説明した。その人は「やめてしまったからその子がいちばんかわいいんじゃないの?」と返して来た。いやそうではない。よりによっていちばんかわいい子がやめてしまったんだ。

「俺、山木さんのことが好きになってしまった」というこの短い言葉を言い終わる前に、山木さんはここからいなくなってしまった。

あの子たちのコンサート(ライヴ)というのは、各ヲタにとってごく個人的な体験、誰にも代替できない自分だけの体験であることに間違いない。にもかかわらずそれはあたかも客観的かつニュートラルなできごととしてそこに展開されているかのごとく扱われる。

カントリー・ガールズが「活動停止」したことによって、やなみんをめぐる私の思い巡らしはごく私的なところからやや公的でハロプロ史的な方向へ否応なく引っ張り出されようとしている。

カントリー・ガールズ……

山木さん……

小関舞ちゃん……

エンディング。大事なことから些細なことまで、身近なことから遠くのことまで、にわかに次々と終わろうとしている。

カントリー・ガールズが活動休止することで、今のメンバーブログが遠からず消滅してしまうかもしれないことを心底怖れる。やなみんのブログがこの世から無くなってしまうことが怖い。そうならないという保証はどこにもないのだ。

混沌が続く新居に『中西香菜 ビジュアルフォトブック』が届いた。頁を開くと華やかで儚い懐かしい姿に「あぁ、かななん」と声に出してつぶやいてしまう。もう私は一人暮らしではない。耳の遠い母にはこのつぶやきは届かなかっただろう。明日あたりには山木さんと舞ちゃんのフォトブックも届くはずだ。