見出し画像

デザインが上達するってなんだろう-講習会の組み立てを通して-

こんにちは、Ran (2020年度入会) です。

僕は、2021年度のdesigning plus nine (dp9) の新入生勧誘活動の責任者をしていました。dp9 は、毎年4月と8月に東大と藝大を中心に、様々な大学の人へ向けて新歓をしています。

画像1

説明会から、新歓周りの新入生歓迎パーティの企画の企画まで行いました!この素敵ビジュアルについて詳しくはこちらをご覧ください!→designing plus nine 2021年度メインビジュアル制作記

現在、dp9 は毎週土曜日に行っているミーティングで、新入生にデザインの基本を教えています。デザインの定義から始まり、デザイナーの使うツールであるFigmaの使い方や、Webのコードの書き方まで、デザインにまつわる幅広いテーマを扱う講習会を行っています。

画像2

5月に行われたデザインの基礎概念の講習会のバナーです

その内容を考えるためには、「良いデザイン」が何かということを、講習会を設計する上級生が知っていなければいけません。しかし、何を「良い」とするかは大変難しいことです。

また、デザインの概念やツールは日進月歩のため、最新だと思っていた知識もすぐに陳腐化してしまいます。それでは、本質的であり、講習会で取り上げるに良い話題を選ぶにはどうすれば良いのでしょうか。

そこで、私たちは講習会を組み立てるために以下のような流れを考えることにしました。

画像3

文字で言われても分かりませんよね。それぞれの説明を見ながら、具体的に、デザインの一ジャンルであるWebデザインでどのように進めたかを見ていきましょう。

①観察・読書
まずは、インプットから始めると良いことは間違いないでしょう。講習を組み立てる人が普段からストックしているものや、「良い」ものをまとめてるサイトを見ることが有効です。また、そのジャンルについてまとめてある本やサイトを読むのも大変効果的です。その分野に関して標準となる概念がひとまとめになっているからです。

画像4

Figmaを使ってサイトの分析をした様子です

今回は、現在どのようなサイトが良いとされているのかを分析するための手がかりとするために、良いサイト(や、Webとしては見づらいサイト)をたくさん見ました。良いサイトの例として(たくさんありますが!) 桑名眼科脳神経クリニックさんが挙げられました。こちらは、普通のサイトとは違って横スクロールで構成されいます。それにより、要素の並列が強調されてサイトの構造がより分かりやすくなる効果を生み、素晴らしいです。また、スクロールした際のアニメーションやインタラクションも丁寧で大変良いと感じます。

②言語化
出来るだけ材料を集めたら、その良いところや、良くないと感じさせる要因を言語化しました。量的に分析をすることで、段々と良いものである条件が共通点や差異として見えてきます。この時に、事前知識として得た概念も切り口として助けになります。

例えばWebサイトについて、しっかりと余白を取っているサイトと、要素がギチギチに詰まっているサイトとを見比べて、「スクロールされることへの意識 」が大切なことの一つなのではないかと考えました。紙のデザインとは違い、Webサイトはスクロールができるため使用できるエリアが無限にあります。そこで、余白を十分に使い、より分かりやすいデザインをすることができるのです。皆さんの今読んでいる、noteのWebサイトが大変分かりやすい例です。各段落には十分な隙間が用意されて、PCであれば文章の左右にも十分な空間が用意されています。このことによってゆったりとオシャレなサイトを演出していると言えるでしょう。

③分析・実装
妥当と思えるような言語化が出来たら、実地の場で使えるかを試してみます。「分析」は、新しい対象に出会ったときに、今までの言語化に照らして対象を判断することを指します。また、「実装」は考え方を目に見える形で実現することを指しています。どちらも実際に開かれてた場で言語化が有効かを試すことが目的です。この実地の場に合わなくなれば、言語化に立ち返り目標を再設定することも可能です。

具体的に、Webサイトを実際に制作する時にどのようなフレームワーク(=ルール)を採用するかを決める時に②の言語化は有効です。「より良いサイトを作るためにはどちらの方が良いか」という問いが、「どちらの方が②の言語化に沿っているか」という問いに置き換わることになり、問題がより整理されることでしょう。これは、最初に述べた陳腐化への応答でもあります。
また、自分で実際に手を動かして作ってみる「実装」でも②の言語化は大変役に立ちます。スクロールへの意識が大事と知っていれば、しっかりと余白を取り、余裕のあるWebデザインをしようという意図が働くでしょう。

このような3つのステップを踏めばデザインが上達するのではないか、と仮説を立てて講習会を組んでいます。何か分かっている風に書いてしまいましたが、まだ仮説の段階で、こうすれば良いと分かっているわけではありません。しかし、試行錯誤をしながら考え方を作っていく作業は大変楽しいものです。

dp9ではこのような「デザインについて深く考えてみたい!」という仲間を募集しています!4月と8月に募集していますので、ぜひお気軽にご参加ください!

*新歓に関する情報は公式WebまたはTwitterでご確認ください!

文:Ran(東大, 2020入会)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?