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サビの柱となって

ジャンクレスポールのエスカッションをはずそうとしたらネジ頭がナメているどころかサビと化して十字が消滅していました。画像はブリッジ側エスカッションの片方です。反対側も同じような感じ。画像中央はピックアップ高さ調整ネジですね。これはナベ頭だからどうとでもなりますので割愛。

エスカッションのネジは皿頭なのでつかみようがありません。なのでまずマイナスの精密ドライバーを叩きこんで回してみました。これで無理矢理2本抜いたのですが残り2本がビクともしない。抜けたネジのサビの感じからすると、プラ部に触れている部分がサビの柱と化してエスカッションと一体化してしまっていたようです。

まずはネジ頭を破壊して引き抜けないか(エスカッション自体にはネジは切られていないので)試してみました。すると頭が壊れた瞬間にまるで水でも湧くようにサビが吹き出したのです。スポイト一滴分ぐらいの量ですがブワッと出ました。そしてまだまだビクともしない。上下にも回転方向にも。本当に一体化しています。

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画像左上と右下のネジです。

ネジをこのまま破砕しようかと思っていたのですが、木材部にネジ先端が残ってしまったらまた最悪のパターンなのでここはエスカッションに泣いてもらいました。強力ニッパーでエスカッションを切断して固着部ごとネジを回すという荒業です。

これにより無事抜き取り完了しました。折れ残り無しでキレイな状態。ちなみにポットとスイッチ類は壊滅的にサビていまして全交換以外に方法はありません。スイッチのナットも固着していましたがこちらは潤滑スプレーとラジオペンチでなんとかなりました。つかめると楽ですね。

それにしてもこれまでのジャンクはどれも「木材内部ではサビていない」ものばかりでした。これは楽器木材の密度が高く、水分も抜けているためなのでしょうか。素材が良いってことなんですかね。

今回のジャンクレスポールもピックアップ調整のバネが片方無くてピックアップの裏側に貼り付いていたりと雑な改造・調整を感じさせるものでした。ベースのほうでもそうでしたが、よろしくない手を加えられてしまったところが猛烈にサビているような印象があります。

もちろん30年や40年も放置されればどうにもならないでしょうけど「金属は錆びる」という前提のもとにうっすらグリスを塗っておくような気遣いを心掛けたいものですね。クラフトマンシップはそういうところに宿るんじゃないかと信じて今日もグリスまみれの手をビニールパンツにこすりつけていきたいと思います。

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