自分なりにアセスメントの結果を読み解いてみる

前回の続きというか、後日談のようなもの。

コーチングセッションの実施後、「特性アセスメントの解説書」が送られてきた。要するにアセスメント結果シートの見方だ。
1時間という限られた時間では触れられるのはどうしても一部分。勿論、それ以外の部分も気になっていたので、解説をもとに改めて目を通してみる。

性格特性

「基本的性格特性」と「ビジネス的性格特性」に分かれており、それらについて、それぞれ3つの要素からなる「因子」が5項目に分類されている。外向性、協調性、良識性、情緒安定性、知的好奇心。
因子及び構成要素について「スコア」が出ているのだが、これは絶対値としての「高い低い」ではなく、自身の結果の中での相対的な高低について「波形として読み取る」ものである、とのことだ。

まず基本的性格特性について見てみると、自分は「良識性」「知的好奇心」が高くて「外向性」「協調性」「情緒安定性」が低い。因子レベルで見ると、それぞれのグループで似たようなスコアになっているので、「得意なものは同じくらい得意」「苦手なものは同じくらい苦手」という感じなのかな、と思った。

・ 外向性が低い
    ・強み: 余計なことに口を挟まない
    ・弱み: 自ら周囲に関わろうとしない、関心が低い
・ 協調性が低い
    ・ 強み: 独りでも黙々と取り組める
    ・ 強み: 周囲と同調できない(一緒に進めるという意識が弱い)
・ 良識性が高い
    ・ 強み: 正しいことを誠実に行おうとする
    ・ 弱み: 硬直的、「べき論」に陥りがち
・ 情緒安定性が低い
    ・ 強み: 情熱をもって周囲を盛りたてる役も
    ・ 弱み: 時々の対応や判断が感情に流されやすい
・ 知的好奇心が高い
    ・ 強み: 探求する姿勢を持つ
    ・ 弱み: 本来の目的から逸脱し興味のあることに引っ張られることも

掻い摘んで書くとこんな感じ。因子レベルでみれば、自分はこう解説されるとのことだ。なるほどなー当てはまってるんじゃない?という感じがする。今までに関わったことのある周囲の人に聞いても、おおよそ自分とはこんなパーソナリティになるのではないだろうか。
情緒安定性に欠けるタイプの「強み」については、なるほどなと思った。割と、周りを巻き込んでの企画だったり指針設計だったりは好きだったりする(ただし、「興味のある範囲で」「自分が引っ張れる場合」に限る!)。実際に、例えば社内での企画ごとや催しなどは何度も楽しませてやらせてもらった。一度などは、自身が企画・実行したイベントに対して「めっちゃ必死で準備とかしてるの見て、楽しみになったし、それ自体がもはやコンテンツだった」とまで言われたことがある。「あれは他の人だったら出来ないんじゃない」とのことだったので、なにか「エモさ」を武器にしてコトを進めようとする─みたいな面はあるんだろうな。一方で、「趣旨には同意してくれたのに、実際に取り組みを始めると、周囲の人が期待しているほどの理解や同調をしてくれない・協力的でないと感じた」場合などには、非常に不満を感じたり面倒くさくなったりする。これは、「べき論 + 同調できない + 感情によって判断が変わる」の複合で(他の人と比べて)色濃く出てるんじゃないかなぁ、自分・・・

ここまでで「なるほど、そうだな」という感覚を得ている。ただ、「外向性が低い」というのは、何だか悲しいなぁ・・・・とセッション中に感じていて。
それに対して、因子のサブである「構成要素」単位で見てみると、実はまた違った結果が出ているな、という事に気づいた。
外向性は「チーム志向・気さくさ・フットワーク」からなっているのだが、「気さくさ」が極端に低い(全20要素の中で最下位)なだけで、これがないと「外向性」は平均くらいの位置につけることになる。なので、「気さくさ: 知らない人と交友して打ち解ける」事は苦手としてるものの、距離感をつかめている相手とであれば、一定の協調的な振る舞いはできるんじゃないかな?と感じた。これを、自分の中で肯定できると少し安心する。職業柄「他人に頼らないといけない部分・他人に頼ってもらわないと辛くなりやすい部分」も否めないので、実は「外向性が全く駄目」だと、かなり生き辛いというか、その問題に深刻に取り組む必要があるなぁ・・と感じていたのだった。それでも、自分の外向性については「相手を選ぶ」面があるという結果に変わりないので、その辺りは手立てを講じる必要がありそう。

同様に「協調性」に関する要素を見ると、「気さくさ」ほど極端ではないものの「多様性への対応」が弱い。定義を見てみると「同じような人とばかり付き合うことなく,様々な 人と付き合うことができる姿勢」とある。そうでしょうね!と言わざるを得ない。気さくさと多様性への対応は連動しそうだな。一方で、「説得・交渉」は(自分の中での)全要素の平均スコアより高く、ワースト3因子の中では最も高い。説得については「そこまで苦手じゃない」んだろうな、と思う。「べき論」と組み合わせると良くない方向に働く面がないか?相手の情緒的な納得について殺さないように、意識できるといいのかな。同じ因子に属する「協調優先: 自分の考えを通すより協調を優先する姿勢」については、そこまで極端に低くはないものの、全体平均より低いので、我を通してしまいたくなる面が少なからずあるという気がする。

「情緒安定性」については「安定性: すぐに落ち込んだりイライラしない姿勢」があるので、これは本当であれば直したい。一方で、「なにかに対してイライラしたり、感じることがあるのは当たり前で自然なことなんじゃないか?それ自体は悪ではないような」とも思っている節がある。ので、「イライラしないようにしよう」というよりは「イライラしやすいのかもな、そうした時に回復できるようにしよう」と考えた方が良い気がする。同じく要素に「配慮: 気分が悪いときでも相手への態度には表れない姿勢」という項目があり、これも平均以下。・・・・や、もっと低いと思うんだけどな。そうはいっても、「イライラしがち」で「配慮しようとする姿勢が少なからず低い」のだから、出力としては「イライラしてると分かる人」なのは間違いない。これを分解して考えた場合に、「感情が揺れることは多いが、それをストレートに出さないようにすることも酷く苦手という訳ではない」と言えるのであれば、やや救い。それだったら、「情緒安定性」を克服するには後者 = 「どう配慮できるよにするか」という開発になるだろうな、と感じる。

「良識性」「知的好奇心」に関しては、それらの要素も相応に高いのだが、知的好奇心の要素である「情報欲」が低い。それこそ、先述の「配慮」と同スコアになっている。知的好奇心は「情報欲」「緻密性」「論理性」から成るが、情報欲は「分からないことがあると知りたいと思う姿勢」と説明されている。んー、知らないことあると調べるし説明できるように抽象・具体どちらも攻めるタイプだと思っているのだが・・・・これを深ぼってみると、「自分がすでに知っている分野や領域については、より深く知ったり完成度を上げたい」と思う反面で「今まで関心のなかったトピックについて、自分で知りたいと思う熱が上がるまでは腰が重い」という気はする。そういうことだろうか?「論理性」「緻密性」は全要素の中でトップ3に入るほど、強く反応しているのだ。それに対して「情報欲」がバランスを欠いているという結果。なんだか、これもまた「自身のテリトリーを決め、そこからはみ出ていこうという外交欲が低い」みたいな状況じゃないのか?何となく、通ずるものを感じる。

基本的性格特性に対して、ビジネス的性格特性は「超低い」「やや低い」「真ん中くらい」「やや高い」「高い」といった具合に、因子間のスコアがばらけている。

ずば抜けて低いのは「異文化適応」で、この内に含まれる「交流欲」「移動容易性」が断トツで全体のワースト2。下の下。もう1つの「順応性」についても、高くはないが、中の下くらいなので少しはマシだ。順応性は「慣れない環境でもすぐに馴染むことができる姿勢」と説明されているが、まぁコレも恐らく弱いだろうな。自覚がある。

ビジネス特性は「変革・創造」「異文化適応」「ストレス適応」「自己実現」「社会的成功」からなり、自分の場合は社会的成功> 変革・創造 > 自己実現 > ストレス適応 > 異文化適応 となった。

社会的成功の中には、前回の投稿で触れた「評価志向」がある。全項目の中で群を抜いてトップだ。その次に高い「オリジナリティ(変革・創造)」より100点満点中で20点以上の差をつけてるから、相当なもんだと思う・・・
この因子の中では「経済的成功志向」が目立って低いのだけど、コレは自分の状況が関係していそう。エンジニア職については、今の時点では「給料が高い職種」だし、これから先の少なくとも数年は「まっとうに実力を伸ばしたりプレゼンスを上げれば、待遇はついてくるだろう」という楽観的な予測が成り立つからだ。なので「あえて経済的に成功したい」という欲求が成りを潜める、と思う。あくまで、自分の場合はという話。

基本的性格特性にくらべれば、全体的に結果に対する納得感が低いかもしれない。評価志向をはじめ「社会的成功」因子については納得がいくけども・・見方を変えると、自分でまだ知っていない面が諸々と現れているということだろうか。

例えば

・変革・創造のスコアが高い: 過去にとらわれずに新しいことを受け入れたり生み出そうとする
・異文化適応のスコアが低い: 基本に忠実で定型業務が得意。慣れ親しんだ環境ややり方でないと成果が出せない

と説明されているが、どう捉えるべきか。とはいっても、異文化適応のうち「交流欲」「移動容易性」については、「価値観の異なる相手(外国の人など)と交流できるか」「慣れていない土地に住んで働けるか」のように説明されているので、本当に「文化」的な側面の話だろうか。それともメタファーもしくは「本質的なところで因果関係がある」ものとして、「慣れない相手」「知らない土地」のような話をしているのか・・・?新しい環境や与えられたルールに対して適応するのは苦手な方だろうな、とは思うが「定型業務が得意」とは感じないな〜・・・という気がする。

仕事への動機

仕事において重視する項目、モチベーション。「何によって無理なく自然な形で『やる気』を出しやすいのか が示されています。」という内容。

4つの要素からなるが、自分の場合は「達成動機」「権力動機」が上に来た。
達成動機は「他人に任せるより、自分の責任でやってみたい。自分の手でやってみることを望み、行ったことの結果に対して迅速なフィードバックを欲しがる」。権力動機は「他人に影響を与え、権力を行使してコントロールしたい」と説明されている。

これを自身に当てはめていえば、「あんまり他人を信用していないから自分の力で取り組みたいし、自分が正しいかを証明されないとストレスだから結果が早くはっきり出ることを望む」みたいなところじゃないだろうかーという気がする。今までに「自分がやったほうが早いし精度が高い」と感じる場面が多くあったことも、補強しているだろうな。
いかにコントローラブルにコトを進められるか、そして他者や自分からの納得を醸成できるか・・・

ただ、4因子の中で最下位に位置する「安全動機」についても、結果シートにあるサマリーを見てみると「『親和動機』も高いため、周囲とのコミュニケーションや相 互理解を大切にして、良い関係を築きながら気持ちよく 働くこともできるでしょう。」となっている。「全部高い」のかな?
その場合は「モチベーションを上げやすい人」なのか「全部揃わないと駄目な、とても不安定な人」なのか、どちらだ・・・
この辺りに解釈を加えていくと、「そもそも、確かな達成をしたい」「それは自分を納得させたいから」「ただし、自分の中で『ちゃんと出来た』と思うには、他人からの評価を欲する(評価志向)」「なので、自己達成(達成動機)と周囲からの評価(親和動機)のどちらも必要」みたいな状態か?安全動機については、直近で「あまりに評価されなかったから、もう失敗したくない。こわい」という心理が強く働いている気がする。

ということで、自分の仕事のモチベーションは「評価志向」的な側面と「オリジナリティ(->自分だからこそ出来た!という手応えがあるものがほしい)」的な側面で描き出せるんじゃないかな〜という風に、今のところは受け止めてみる。

注意して気にかけるべきこと

仕事を遂行する上でケアすべきこと、「一般的にはないほうが良い」もの。これは全項目の中からワースト3が表示されているらしい。

自分の場合は「気分や行動上のムラ」がほぼ満点(0点?)で出た。イライラしたり気分が乗らない時にメチャクチャに集中力を欠くなーって自覚はあるが、そういうことか・・・?
その次には「感情的・衝動的」「孤立性」と並ぶので、これまでに見てきた特性などと合致するような内容だな、と思う。

この辺り、「特性自体を直す」というのは理想なのだろうが、現実的に「対処法を学ぶ」という話なんだろうな。そのためには理解や自覚からスタートだ、と思う。改めて意識すべき・・・

これらの結果についてどうするか

他にもアウトプットを提供してもらっているのだが、とりわけ気になっていた「自己分析」的な部分はこんな感じ。

16タイプ分析や、前回触れた「ソーシャルスタイル」についても、改めて「知っておく」ことで少し自分の余裕を生み出すのにつながるのでは・・・と感じる。

先に16タイプ分析を見ると、こんな風に書かれている。

多少の困難はやる気を奮い立たせるエネルギーへと変換し、主体的に考え行動することで引き受けたことを確実に処理していくタイプです。憶測やうわさ、決めつけなどで 安易に判断・行動するのではなく、自分が実際に確認したことを大切にして一貫性のある行動をとっていきます

このような指摘は表面的にみても自分自身「そうだなー」と納得するものではあるが、ここまでに見てきたような要素別の観点の複合だと考えると、より深くニュアンスを汲み取れたような気がしている。(タイプとしては、「内向的・現実的・論理的・主導的」だった)

自身の内面というのは、あらゆる事柄に対する「原点」とでもいうべきものだろうかと捉えている。今回もらった「解説書」の冒頭では「自身の特性・動機を捉えて、マインドセットを整えて、行動する」という階層構造での説明を示している。このマインドセットについて、「上手く意識すれば行動をコントロールできる、他方で特性や動機との乖離が激しい場合にストレスとなる」という。
コーチングを受けた理由は「うまくやれるようになりたいから」であり、この言葉を借りれば、「自分は今までにコントロールすることに重きをおいていなかったが、意識的にマインドセットを入れ替えて、より高いレベルで仕事を達成できるようになりたい・つらみから開放されたい」という話になる。で、「必要なマインドセット」のイメージを掴むことと「何をどこまで出来るか・頑張る部分と甘やかす部分を知れたら」という意味で、何にも増して「まずは自身を知る」必要がある、と感じた。今までの「何も自身を解剖してこなかった状態」に比べれば、アセスメントとコーチングセッションは、自分にとって大きな一歩になったのじゃないかー・・・

活かすも殺すもこれからなので、余裕を持った大人になりたい!

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