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アンツィオ戦・セモベンテの謎(第二回)

というわけで第二回です。今回は、戦いの流れを図示していきます。

月刊戦車道別冊の全試合解説に準じて話は展開しています。

【アンツィオ】 P40:1輌,セモヴェンテ(フラッグ)+2輌、CV33:6輌

【ボンプル】 FT17(フラッグ)、9TP:1輌、7TP双砲塔:2輌、7TP単砲塔:4輌、TKS:2輌

[試合会場]東欧風市街地廃墟

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前段:両校ともに豆戦車による偵察戦ではじまるが、CV33の雑な偵察(原文ママ)の所為で
ボンプルが先にアンツィオフラッグを捕捉する。
こうなるとアンツィオが圧倒的に不利な立場となるが、ここからがひなちゃん、いやカルパッチョのターンとなる。
ボンプル全戦車で包囲された時に1輌だけ離脱したFT17にフラッグを確認、
アンチョビ隊長へフラッグ車の存在と離脱方向を連絡することで圧倒的不利がかなり緩和された。
アンチョビはCV33全輌でFT17を補足しP40で撃破する作戦を立て、
カルパッチョにそれまで耐えろと指示する。

カルパッチョは比較的堅固で中が広い工場に目をつけ、弱点である背後を取られないように河側の壁を背にして布陣する。
ボンプル隊はセモヴェンテを抜くことができるのが9TPと7TP単砲塔となるので、その5輌でフラッグを撃破できるように作戦を立てた。
旋回砲塔でないため正面からは牽制として、側面の道路から攻撃することにした。

カルパッチョの冷静な指示で自軍からの攻撃は禁止し、壁が崩れた時点でその方向への一斉砲撃を命じた。
ここで誤算だったのが橋側からでは設備などの壁が多く、立てこもる場所まで容易に砲撃が届かない事だった。
したがって攻撃は建物右手からとなり、一斉攻撃することができず散発となってしまったことでボンプルの計画が崩れてしまう。
しかもカルパッチョは事前に建物の構造をチェックしていたので3輌ともに
右手に砲身を向けていたのだ。

ボンプルの一斉砲撃は壁を崩すことはできたがそれまでで、逆にその後の瞬時の反撃で右手の2輌がともに撃破されてしまう。
左側からは難しいと判断した攻撃隊リーダーは橋を渡って迂回して右側に出ることを指示し、その間セモベンテがその場を動かないように正面からの攻撃を続けた。
ただ3輌のうちどれがフラッグか目視確認できなかったため、TKSが強硬偵察に出るが2輌とも撃破されその上7TP双砲塔の1輌も白旗を上げてしまう。
その時ようやく迂回してきた9TPと7TPが右側から突撃、奥のセモヴェンテが撃破されてしまうが、9TPは白旗を上げる。
奥のセモヴェンテが動けなくなったのでその側の壁を崩していけばいいのではないかと判断した、突撃隊の7TPが焦ってしまい砲撃間を縫って前を突っ切ろうとする。
ところがひなちゃん、もといカルパッチョの迅速な装填で車体後部に被弾し撃破されてしまった。

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勝敗の分かれ目はここにあった。

もし、焦らずまた迂回して逆サイドに戻ればじわりじわりと距離を詰めボンプルが勝利できていたかもしれない。
実際に攻撃隊リーダーが精密砲撃でもう片側のセモヴェンテを撃破するのだから、アンツィオフラッグ車は逃げようがなくなってしまったわけである。
ところが装填時間を見誤った突撃隊7TPが前面に突入し撃破されたばかりか、アンツィオからすると絶妙な場所で停車してしまったのだ。
ボンプルに残る、セモヴェンテを撃破できる車輛は攻撃隊リーダーが乗る7TP単砲塔1輌のみ。
その位置からはアンツィオフラッグ車は陰になってしまったのだ。
何とか隙間を縫うようにして撃った一弾でセモヴェンテを撃破したものの
試合終了のコールは響かず、白旗を上げたのはフラッグ車ではないことがわかった。
建物の後ろに回るにもその間に前面の壁を完全に崩し、フラッグ車はこの場から逃げてしまうだろう。
となれば前から進むしかない。
しかし障害物が多すぎるので足が遅くなるからそこを狙い撃ちにされてしまうだろう。
どうしようかと唇をかんでいる時、スピーカーから声が響いた。

「試合終了!アンツィオ高校の勝利!」

とまあ、長かったですが、これが推察(妄想)したアンツィオVSボンプル戦の流れです。あの一瞬のシーンにこれだけのドラマが詰まっていたわけですね。というわけで、次回はこの流れを元にしたボンプル側目線のフォト・ストーリーを掲載いたします。

(第二回終わり)

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