【書評】久保俊治『羆撃ち』
久保俊治『羆撃ち』(2009年)
北海道在住の猟師、久保俊治氏によるノンフィクションの体験談。この作品では、以下の二点が強く印象に残っています。
一つは、久保氏が猟師として抱いている、獲物(動物の生命)に対する畏敬の念。羆を倒した直後、以下の想いを綴っています。
(以下引用)
『嗅覚も聴覚も体力も、到底お前たちには及ばない。その及ばないことを補うために、銃を使わせてもらうが、自然の中では対等の同じ命であると思っている。俺が負けたときは、誰も山で見つけ出してくれないだろう