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「|霜巨神《ヨトゥン》」

〈機体情報〉
分類:鬼械人形オーガマタ
頭頂高:800m
装甲材質:常盤氷晶
動力源:永劫識
特殊兵装:『極超冬将軍エターナルフォースブリザード
武装:「絶対氷殻アイス・ド・シェル」・「薄氷」・「紅蓮震火グリーク・ファイア」・「灼熱拳鍔」・「雹星墜」・「氷鏃アローヘッド」・「凍鎚」・「村雨ムラサメ・ブレード
搭乗者:無し
その他:メインカラーリング/白銀


・機体概要

 後にも先にも比肩するものの無い氷雪系最強の存在。
 敵性コードネームは『雪男イエティ』。異形の鎧を纏うことによって全ての物理攻撃を超越した鬼械人形オーガマタ、氷の巨人。
 機体、と言いつつもその実態は金属質にイデアの想像した魂が憑依した存在で、乗り手を必要としない。そのため意思を有しており、内面は人間と相違ない。
 その力は破格で、四海と呼ばれる次元断層ですらも打ち破り、三千世界ゾートロープを荒らし回った。
 性格は暴虐で残忍。自らを破壊大帝、新世界の神と称して憚らず、根源の存在ですら否定し、時間を逆行させ世界の真の観測者となるべき存在であると主張している。
 その高言に違わず、戦闘能力は恐るべきもので、この超常存在に太刀打ちできるものは三千世界においても極々わずかな上に、その大半を相討ちに持ち込む程の実力者。

・機体構成

 機体の腰回りよりも大きく太い大樹のような四つ足の脚部。展開すれば機体全長を越す氷柱の先のように鋭い腕部。背部に配置された分厚い樽を思わせる分子エネルギー逆行装置。肩周りを縦に取り巻く超電導回転するリング。全身に針山のように突き出す無数の棘。纏われた白い光子撹乱布。そして髑髏を組み合わせたような顔面から睨むあかい視覚素子などが特徴である。
 頭部の異様に長く鋭い角は、砲撃時に前傾に倒れて背部に装備された紅蓮震火の砲身と同期し、照準を安定させる効果がある。
 一見すると重火力の移動要塞を思わせる形状で、その堅固な防御力と壮絶な攻撃力は他の鬼械人形とは一線を画す。

・機体武装

極超冬将軍エターナルフォースブリザード
 物体の分子運動を継続的に奪い続け、極低温にまで冷却・凍結させる。相手は死ぬ。
 その力の本質は時間逆行によるエントロピーの減少である。周囲の分子運動が急速に逆行していくためにエネルギーが消失しているように錯覚させるが、実態は時間逆行の副産物である収束現象によって引き起こされるものである。ただし逆行を解除した場合、エントロピーは『常識コモンセンス』によって数刻の後、通常の状態に戻されるため、周囲は順行する熱によって灼熱地獄と化す。
 機体周辺に発生する超低温環境は分子運動を静止する事で発生する為、外界から切り離された閉鎖空間にも遮断される事なく伝播する。その結果、機械類のバッテリーや動力さえも機能停止させられてしまうため、単純な寒冷地対策では殆ど軽減出来ない。また、敵の銃撃に対しては弾頭を凍結させることで炸裂を許さず、弾丸自体も超低温に伴う超電導化とその結果発生するマイスナー効果によって無力化する。
 分子運動を即座に零にするのではなく一定の速度で逆行能力であるため、展開された逆行領域に侵入してから完全凍結までは僅かながら猶予があり、加熱する事が出来れば活動時間を延ばす事も可能ではあるが、その他の攻撃で撃破される可能性が非常に大きい。

絶対氷殻アイス・ド・シェル
 エターナルフォースブリザードによって超伝導体にならない砲弾(土や石など)を使用された場合、直撃を免れ得ない。その弱点を補うために搭載されたのが、本機構である。超音速分子ビームを利用した複合装甲により、分子間結合力そのものを強化した異常に堅牢な装甲を纏っているため無効化される。
 超音速分子ビームとは、ヘリウムなどの不活性ガスを極めて細いチューブから真空中に放射すると分子の方向を一律に整えつつ加速を続け、やがては音速の壁を越え極低温の孤立分子になる性質を利用したもので、この孤立分子はファンデルワールス力、つまり分子同士を繋ぎ合わせる力と密接に関わっているため、分子結合能力を強化することが可能になる。
 この装甲を瓦解させるには、極超新星バーストほどの威力で、原子間の繋がりを断ち切らねばならないため、常人には傷一つつけることすらできない。
 さらに装甲表面温度が絶対零度に達したことで引き起こされるパウリ・ブロッキング効果によって原子の運動が制限されて光の散乱を起こさなくなり、体表を透明化させる機能まで有する。

「薄氷」
 アイス・ド・シェルとは異なり、入射物体から運動量を奪い去って無力化する装甲上に展開された投影機構。
 量子力学の世界では粒子は波として表される。アローヘッドが搭載されている斥力輪リング内部で生成した超対称性粒子を接近する物体の運動に衝突させ、相殺させることによってこれを無効化する。

紅蓮震火グリーク・ファイア
 前述した広範囲に自機から展開されたエターナルフォースブリザードによって逆行させた熱量(分子振動を起こして熱を発生させるためのエネルギー。分子を動かす力)を、次元の裏側を介して砲塔へ送り、順行させて発射する機構。これは狙撃対象との間の遮蔽物(空気等も含む)の比熱容量に応じて開放する熱量が変わり、指向性を与えられた熱量は発射された位置に一定方向の分子振動を起こしそれが一瞬で伝播して数キロ先の敵を撃ち抜くことすら可能。照準には仮想材料光工學を応用した仮想フレームの機能が使われており、仮想フレームのチューブを生成することによって内部に解放された熱量は指向性をもって敵へと突き進む。相手は死ぬ。

「灼熱拳鍔」
 薄氷によって消滅させた運動量を、時間遡逆によって再度生成し、接触した拳から敵性対象へ瞬時に運動量を与えることで莫大な熱を発生させ、膨張・分解・電離に伴う爆圧で敵の身体ごと爆砕することが可能になる。相手は死ぬ。

「雹星墜」
 仮想フレーム「クレタ翁」によって、空中で接続された従系エターナルフォースブリザードが、空中で全長20mを超す氷の位置エネルギー弾を形成し、地表に向かって叩きつける。相手は死ぬ。

氷鏃アローヘッド
 両肩の円盤によって生成した氷結晶を、機体周辺に仮装フレームで形成した斥力輪リングで加速して撃ち出す。相手は死ぬ。

村雨ムラサメ・ブレード
 絶対零度に迫るほどの極低温刀身で突き刺した物質に低温脆性を引き起こす事で、本来の機械的強度を無視して凍結粉砕する。相手は死ぬ。

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