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「|殃禍《おうか》」

〈機体情報〉
分類:M3(iMotal Metal Machine)
頭頂高:150m
装甲材質:屍鋼しばかね
動力源:黝焔
武装:『昏滅波』・「黑杭鎚」・「無明刃斧」・「冥角」
搭乗者:大禍逢魔
その他:メインカラーリング:黑

・機体概要

 言語に絶する力を持つ機体。
 機体を構成する暗黒生物「晦点」が邪気や怒りといった負の感情からニュートリノを対生成することによってエネルギーを貯め込み稼働する性質があり、搭乗者はいずれもまともな生き方、死に方をすることがない。
 また、死してなおその残留思念に沿って活動するため、本機を停止させるには物理的な破壊、もしくはより強い適合者を見繕い、本機を目移りさせることを要する。前者は未だ成らず、後者の方法によって現在に至るまで継承されてきた。しかし近年、史上類を見ない適性を持つ残虐無比な性の逢魔の登場によって、これまで保たれてきた安寧秩序は崩壊した。
 その黝煤炎によって稼働時間は文字通り無制限を誇り、装甲も屍鋼に宿る暗黒生物により自動修復され、稼働機関等も一切の整備を必要としない。いわゆる超有機的な機械で、正に堅牢かつ奔放な珠玉の一品である。
 しかし一度機体に見出された者は終生、そしてそれ以降も本機に呪われ続け、魂を持たない故に何も欲さない本機のために“目的”という道標を提供するだけの傀儡に成り下がってしまう。
 全身から投射される“影”によって周囲の環境を漆黒の闇へと変化させ、その姿を晦ます戦闘方法を得意とする。

・機体構成

 その外見を一言で表すなら、闇を纏った奇形の鬼である。
 状況に応じた戦闘様式を採用するため、機体形態を大きく変化させる。形態は現状前傾二足と直立二足、そして四足歩行の三つが確認されているが、まだ他にも形態が存在するであろうことが推測されている。
 装甲板は優美で複雑な曲線構造を描きながらも、角部や先端部は極端な鋭角を保っている。肉抜きされたその隙間から内部装甲が明らかになった、衝角機能を主とする外部装甲は、本機にちょうど白骨を思わせる容姿を持たせている。
 四肢は先端に沿って鋭さを増す、海老の背の如く湾曲した形状をしており、特に足回りは顕著で甲殻類のそれに酷似している。
 本機に搭載された、動物で言う尻尾部分は姿勢制御と尾鎚機能を兼ねており、緊急時や不意打ちなどに活用される。

・機体武装

「黑杭鎚」
 暗黒生物「晦点」の死骸から発される瘴気ガス圧を利用し、その先端から杭が放たれるパイルバンカーハンマー。質量を利用して叩きつける第一段階と、その上から穿孔する第二段階を組み合わせることによって大抵の場合対象に大穴を開けることができる。

「無明刃斧」
 晦点が防御目的として体表に投影する光反射率ゼロ%の“影”を、仮想フレーム技術を応用して形取って展開した斧。刃部分の質量はなく、それゆえに素早く振り回すことが可能。また、刃部分の厚みも実質ないことから低次元から分子間の繋がりを簡単に断ち切ることもできる。
 しかし仮想フレームによって「形取」られていることから、超振動する物体や仮想フレームによって展開された装甲には効果がほとんどない。

「冥角」
 屍鋼の結晶体をそのまま頭部に添えつけたもの。それだけでなく体表に投影する影を制御しており、そのためここを破壊されると著しく防御力が低下する。しかしそのことは当然想定されており、本機体中屈指の防御力を誇るため、破壊にはかなり難儀する。

『昏滅波』
 晦点が体表に低次元展開した影を枷を三次元に解き放ち、その摩擦熱で周囲の物体を気化させる第一段階と、更に晦点が吸収したエネルギーを解き放って完全なる熱地獄を実現する第二段階がある。たいていのものは消滅する。これによって飽和攻撃は無力化される。
 しかし一度影を解放すると再度展開するには多大な時間を要するため、あくまで最後の手段である。

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