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KPOP雑食ファンによる「ガールズグループトンチキソング陰陽論」〜トンチキの歴史と未来〜

こんにちは。どぢょうです。

KPOPでは、JPOPには無いレベルの変な曲がたまにリリースされます。

変っていう言葉は主観的なので言い換えると、例えば歌詞が特徴的、ひっきりなしに転調する、衣装が奇抜。そんなところでしょうか。

これまでKPOP愛好家はそんな曲を「トンチキソング」と称し、イジりながらも愛でてきました。私もその1人です。もう12年になります。

ただ、そんな私が少し前からずっと心に引っかかっていることがあります。

「最近トンチキソング多すぎないか?」

明らかにトンチキソングの数が増えてる気がするんですよね。愛でられる量じゃないんですよ。

あと、トンチキの量が増えているせいでなんとなく「トンチキが普通」みたいな風潮になってませんか?
トンチキって、変だからトンチキって呼ばれてるんですよ?

でももしかしたら私の勘違いかもしれません。昔から多かったけど、大衆が見向きしてなかっただけかもしれないですから。

そこで今回は、この「トンチキソング」について整理することで、

・そもそもトンチキソングは本当に増えているのか? 
・増えているとしたらそのブームはどこから始まったのか?

という私の2つの疑問を解消していきます。

つまり、これは私が疑問に思っていることを私が解決する地産地消noteとなっています。

それでは本題に入ります。

なお、この記事に根拠は一切ありません。100%私の意見です。それを理解した上で見ていただかればありがたいです。


【陰陽のトンチキ】

まずはじめに、私はトンチキソングは大きく2種類に分けられると考えています。

それがこの2つ。

①変な曲を「変な曲」として歌っている

②変な曲を普通の曲と同じように歌っている

要は「変な曲を歌っていること」込みでエンターテイメントになっているかどうか。①はなんとなく面白がっていい雰囲気があるけど、②は大真面目にやっているのでそういう雰囲気は無い。

今回の記事ではこの①のことを「陽トンチキ」、②を「陰トンチキ」と呼ぶことにします。

そして、この2つのトンチキはそもそも全く違う流れの上にあると考えています。

そこで、この2種類のトンチキについて、代表曲を見ながら確認していきましょう。まずは陽から。


【陽トンチキ】

ORANGE CARAMEL「魔法少女」

2010年リリース。
この「陽トンチキ」を最初にやり出したのは恐らくORANGE CARAMELだと思います。

母体であるAfterSchoolと曲調は全捨て。
アニメから飛び出してきたようなハデハデでコミカルなコンセプトで、一大ムーブメントを巻き起こしました。

このグループがKPOP界に与えた影響は計り知れません。

ORANGE CARAMEL「上海ロマンス」

2012年リリース。ORANGE CARAMEL初のフルアルバムのタイトル曲。

「上海ロマンス」ってタイトルから既にふざけた雰囲気。
おちょくったような歌い方もこの後のグループに受け継がれています。

CRAYON POP「Bar Bar Bar」

2013年リリース。ORANGE CARAMELが起こした火を爆発させたのがこのグループ。

コミカルに全ベットした結果爆ハネし、超有名曲になりました。
ただここがハネすぎたせいで、他のグループが手を出せなくなった気もします。

こんな曲出されたらグループ内ユニットじゃ太刀打ちできないよなあ。

OH MY GIRL BANHANA「バナナが食べられないサル」

CRAYON POPから5年後の2018年。陽トンチキ界に突如爆弾をぶち込んできたのはまさかのOH MY GIRL。

デビューから3年、グループとしての勝負時にこれを持ってきた度胸よ。
そして日本デビューもこれ。WMエンタ、怖いです。

WJSN CHOCOME「Hmph」

2020年10月リリース。
宇宙少女内のユニットとして誕生したWJSN CHOCOME。2022年1月にも「Super Yuppers!」をリリースしている。

陽トンチキにここまで本腰入れて取り組んでいるユニットは本当にORANGE CARAMEL以来だと思う。今やこのジャンルを一手に引き受ける存在に。


【陽トンチキまとめ】

こうしてまとめると、陽トンチキは増えたり減ったりしてないですね。

オレキャラ、クレポ、バナナ、チョコミ。どれも一定数熱狂的なファンがいて、長く愛されている曲が多い印象です。

つまり陽トンチキは、今回の「トンチキ増えてる問題」に一切関係無し。今後も応援していきます。

では対する陰トンチキはどうでしょうか。

【隠トンチキ】

少女時代「The Boys」

「陰トンチキ」は少女時代から始まったと思っています。
この曲が出た時、今までの少女時代とは全然違って悲しかった記憶が。
当時は雰囲気に騙されたけどやっぱ変な曲だよ。

f(x)「4 Walls」

続いてはf(x)。どう考えても変な曲。SMがこの路線を大事に育てていることが分かります。

SM変な曲増えたな〜とな思っていたけど、この時からaespaを見据えてたとしたらすごい。大企業怖い。

Red Velvet 「Zimzalabim」 

続いてRed Velvet。
変な曲すぎるだろ。レドベルはどんな気持ちでこの曲歌ってたんだ。私ならデモ音源聴いた時点で笑っちゃうよ。
これをおちゃらけながらやってたら陽トンチキだけど、大真面目にやってるので立派な陰トンチキ。

aespa「Next Level」

SMエンタが満を辞してデビューさせた「陰トンチキ専門グループ」aespa。

デビュー曲「Black Mamba」のときは本当に人気出ないと思ったけど、この曲で爆発。素人にはわからない。
そしてここから明らかに歌謡界の流れが変わりましたね。

Kep1er「WA DA DA」

今年の始めにデビューしたKep1er。
aespaの影響を明らかに受けているデビュー曲が、しっかりヒットして3冠。

可愛い系でも十分通用するメンバーだと思うけど、うまくブームに乗った形になった。でも変。

Billlie「GingaMingaYo」

Billleの新曲。しっかり陰トンチキだけど、他に比べると聴きやすい。 

NMIXX「O.O」

JYPの新人の無茶苦茶変な曲。これをaespa系列として紹介するのは違うかもしれない。
そのくらい変さが一段階上な曲。

私がこのnoteを書こうと思ったのは、あのJYPがこういう曲を用意してきて不安になったから。どうなるKPOP。

【陰トンチキまとめ】

こう見ると、陰トンチキが近年爆増していることがわかります。
「最近トンチキ増えてる問題」は、こちらに関係がありそうです。

ここで、先程の曲紹介を踏まえて、陰トンチキの誕生から現在までの流れをまとめると、こうなりました。

①SMの独自路線として生み出され、少女時代やf(x)、Redvelvetのタイトル曲として使用されるようになる。(2012〜2020)

②陰トンチキをメインコンセプトに置いたグループとしてaespaがデビュー。2021年に「Next Level」が大ヒットする。(2020〜2021)

③ 「Next Level」のヒットにより陰トンチキがメジャーに。SMエンタ以外の事務所も同じタイプの曲を作るようになる。ブームに。(2021〜現在)

あくまでSMアーティストのアクセントとして愛されていた陰トンチキが、aespaの大ヒットによって陽の目を浴びるようになり、ほかの事務所も真似するようになったということになります。

ではこのブーム、今後どうなっていくのでしょうか?

【陰トンチキの未来】

陰トンチキの未来を話す上で考えなくてはいけないのは「ガールクラッシュ」という存在です。

ガルクラブームは、陰トンチキブームよりもだいぶ前から起こっています。そしてかなり息が長い。

そしてよく考えると、Billlieにしろ、Kep1erにしろ、NMIXXにしろ、aespa以降の陰トンチキソングはほとんどガルクラなんですよね。

つまり、流行ってるのはただの陰トンチキじゃなくて、ガルクラ+陰トンチキってことです。
ガルクラに陰トンチキが後乗りしてブームになっているんじゃないでしょうか。

わかりやすくするとこうなります。

ガルクラブーム→(aespaデビュー)→
ガルクラ+陰トンチキブーム

グループで言うと、EVERGLOWや(G)I-DLEはガルクラ。Kep1erとかBilllieはガルクラ+陰トンチキ。
なんとデビューがaespaより前か後かで綺麗に分けられます!すごい!

なら、今後このブームはどうなっていくんでしょうか?

aespa後デビュー組は、急にコンセプトを変えることは恐らく無いと思うので、しばらく陰トンチキで勝負するでしょう。

ここが急に清純コンセプトに変えてきてブームが終わるなんてことはありえません。
ただ、ブームの広がりが無くなれば他のコンセプトに動くことはあるでしょう。

そして私は、これ以上ブームの広がりがあるかどうかは「aespa前」の中堅組にかかっていると思います。

また、中堅組といっても2種類あって

①EVERGLOWや(G)I-DLEなどの、ガルクラ主体のグループ

②その他の、今後ガルクラに転向するグループ

この2つです。

これらのグループの新曲が、今まで通りのガルクラなのか陰トンチキ+ガルクラなのかによって、陰トンチキの寿命が変わってくるでしょう。

個人的には、陰トンチキは陽トンチキと違って、寿命を迎えたら最後、このジャンルの曲は跡形もなく消えるんじゃないかと考えています。

【結論】

・陽トンチキは定期的に出てくるがブームにはならないのであまり関係ない。

・陰トンチキはaespaをきっかけに、ガルクラと組み合わさってブームが起きている。

・ガルクラ+陰トンチキブームがどのくらい続くかは、(G)I-DLEやEVERGLOWなどの中堅ガルクラ組、これから現れるガルクラ転向組がどのような楽曲をリリースするかにかかっている。

・陰トンチキブームがどのくらい続くかはわからないが、ブームが終わったらこのジャンルの曲は一瞬で終わりそう。

【最後に】

雑食KPOPペンによるトンチキソング論、これで終了です。

ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございます。そしてお疲れ様でした。

また、私は決してトンチキアンチなわけではなくて「KPOPがトンチキだらけになること」不安でしょうがないということだけ付け加えさせていただきます。

清純、レトロ、ガルクラ、陰陽トンチキ。
ジャンルの調和の取れたKPOPになることを切に祈っています。

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