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荒川 博 日本ティーボール協会副会長 合気道六段

(1)野球に活かす合気道                 
(2)我以外、みな師

※このインタビューは(季刊『合気ニュース』142号、『道』144号)2号分です。

(1)野球に活かす合気道 
      一本足打法の生みの親 荒川博氏に聞く

ホームラン王・王貞治のコーチとして有名な荒川博氏は、合気道六段。
植芝翁の直接指導も受けた、四十年以上の修業歴の本格的な合気道家である。氏はまた羽賀準一師範に居合道も学び、それら武道のエッセンスを野球の指導に活かしたことでも有名だ。
荒川氏に植芝翁のこと、羽賀師範のこと、スポーツと武道のことなどを語っていただいた。
(取材 2004年8月25日)
※所属や肩書きは、季刊『合気ニュース』142号に掲載当時のものです。



当て身で歯が全部折れちゃったよ

―― 先生が合気道に入門されたのは1956年ということですが、当時の本部道場の様子はどうでしたか。

 当時は内弟子が多かった。白帯が少なくて黒帯のほうが多かったんだよ。全部内弟子だから。フランスに行った田村信喜もいたし金井満成も、当時イギリスに行った千葉和雄、ニューヨークに行った山田嘉光や小金井の小林保雄、ヨーロッパの野呂とか。当時みんな若手で、オレよりうんと年下だった。三軒茶屋の清水健二もそのあと入ってきたよ。

 昔は、技に全部当て身が入ってね、それがよけきれなくて何回もモロに当たってバリバリ歯が折れちゃった。35~36歳のコーチ時代には、上の歯が全部なくなっちゃったよ。

―― 過激な稽古をしていたんですね! 当時とは技も変わってますか?

 この間も稽古を見に行ったんだけど、やっぱりずいぶん違ってるよね。でも小学生の部の稽古を見たら、ものすごくいいんだな。これにはビックリした。オレたちはあんな基本を習ったことなかった。

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