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パトリック・オージェ 養正館合気道7段

良き師であるために
―― 望月稔先生から学んだこと

「良き指導者になるためには4つの条件があると思います。器の大きさ、弟子のレベルにあわせてコミュニケーションができること、指導を実際にできること、指導と教えにそった生き方ができること」「豊かな大地に良い種をまき、心をかけて育てれば良い木が育ちます。このことは指導者として心得ておくべきことです。その点、望月先生は豊かな大地であり優れた指導者だと思います」

30年前に来日し7年間を望月稔師範の下で内弟子としてすごしたオージェ氏は、師範を武道の師としてだけでなく、人生の師とあおぐ。現在はカナダ、アメリカで大勢の弟子を指導する氏であるが、その脳裏には今も理想の指導者としての望月師範の姿がある。
(取材 2002年5月5日 ラスベガスAIKIEXPO会場にて)
※所属や肩書きは、季刊『合気ニュース136号』に掲載当時のものです。


文化的価値が高いエキスポ

―― 今回の合気エキスポ、いかがでしたか?

 普段は自分の弟子の指導で忙しくて他のところではどのような稽古がなされているのかなかなか知るチャンスがなくて、いわゆる「井の中の蛙」になりがちですが、合気エキスポで目を外に向けるチャンスを与えられたという感じです。また他の師範のクラスにも参加させていただいてその指導方法や師弟間の様子を知ることができましたし、とても興味のもてた催しでした。

 ただ残念だったのは、生徒たちのほとんどが自分の先生のクラスにしか出席しないという傾向が見られたことです。先生に付き添うのは1人か2人でいいのですから、他の生徒はできるだけ多くの先生に接するべきですね。このイベントは、新たに技を学ぶというより、もっと広い文化的意味があるものだと思いますから。

AIKI EXPO 2002 友好演武会にて


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