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「映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」の名シーンを改めて振り返って巨大な感情になる会

※この記事には「映画すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ」のネタバレが含まれますが「おはなしのさいごはヒミツにして」おります。
※一部設定は絵本「すみっコぐらし そらいろのまいにち」を参考にしています。



映画すみっコぐらし、相変わらず凄いことになってますね。

http://sumikkogurashi-movie.com/

少ない上映館数ながら特大ヒット作となり、公開5週目の時点ですら「アナ雪2」「ルパン3世」「午前0時、キスしに来てよ」などの話題作に続いて週間動員ランキング4位に鎮座しています。(映画.comの情報より)
もう完全に2019年を代表する映画の一本ですね。まさかすみっコがこんな事になるとは。


さてさて本作は作品の素晴らしさもさることながら、プロモーションやキャンペーンにも非常に力が入っています。

例えば11/13には「ぼくらもすみっコ応援団!上映会」という男性限定の上映会がありました。
すみっコぐらしはその雰囲気から女性もしくは子供がターゲットと思われがちですが、そんな中で男性ファンにも「居場所を作る」この催しはまさにすみっコぐらしという感じで大変素晴らしかったのではないでしょうか。(行けなかったけど)

http://sumikkogurashi-movie.com/news/640

その他にも「“すみっコたち、かわいい”って言い放題♡応援上映会」といった本編知ってると終盤絶叫するしかなさそうな応援上映やコラボカフェの展開など、まさに沼に嵌った人間をより深みに沈めてくる勢いです。
(それでなくともグッズの充実具合が最強レベルなので一度沼ったら本当に終わりなのですが)

あと完全に余談なのですがこの間多摩センターに行った時、丘の上パティオにあるゲームセンターが映画すみっコグッズを大量にクレーンゲームに仕入れていて完全にイオンシネマ多摩センター帰りの人を破産させる事しか考えてないのが最高でした。


さて本題はここから。

そのプロモーションの一環に「#映画すみっコぐらしおひろめ隊」というものがあります。
これはTwitterでこのハッシュタグをつけてお気に入りのシーンをつぶやくと、公式アカウントでその一部が動画となって紹介される、というもの。
すでに3つの動画が公開されており、この記事を書いている現在も引き続き募集がされています。

鑑賞後の「ここ良かったね」という話がしやすくなるとっても良いプロモーションなのですが、
今回語りたいのはそのうちの一つ、この「ほっこり編」と題された動画です。

これなんですけど明らかにほっこりの域を超えてません???????
サムネだけでも涙腺が死んでしまう勢いですが、他のシーンも揃いも揃ってとんでもない名場面が揃っています。いや毎フレーム名場面なんだけどこの作品。

以下ピックアップされたシーンを、動画内のコメント等を引用しながら一つずつ解説してみようと思います。


1.(ぺんぎん?がひよこ?と)手をつないで飛び上がるシーン

動画下部のコメント:「ぺんぎん?が自分探しなかまを見つけてテンション高くはしゃぐ姿がめちゃくちゃ可愛くて悶えました♡」


そうなんだよな。
もうなんか「可愛くて悶える」という表現にわかりみしか感じませんがそれはさておいて、ここは映画におけるぺんぎん?の立ち位置を示すうえで大変重要なシーンとなっています。

メインキャラのうち「ぺんぎん?」と「とかげ?」の二人は名前に「?」がついています。
理由としては二人ともペンギンでもトカゲでもない別の種族だからなのですが、ぺんぎん?の場合は本人さえも自分がぺんぎんかどうか分かっていません。
同種のなかまもどこにもいない、昔は頭にお皿があった気がするけど過去の記憶がないのでそれもわからない。じゃあ自分って何…?というのがぺんぎん?の抱える悩みです。
またそこからくる苛立ちからほかのすみっコにあたってしまったりと、やや自己中心的な性格付けもされています。(これに関しては後ほど)(フォローしておくとなんだかんだで彼も良い子です。)

彼はひとりぼっちではありませんが、そうした意味では「孤独」なキャラです。
そんな中で過去の記憶がなく、自分が何者なのかもわからず、自分探しをしているという限りなく自分に近い存在が目の前に現れたらそりゃ嬉しいよね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
つまるところひよこ?のおかげで、(絵本の中では)ぺんぎん?はついに「孤独」ではなくなったわけです。そりゃテンション上がるし嬉しいよね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!ほぼ同じ理由で名前にクエスチョンマークもついてるもんね!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


2.(しろくまがひよこ?に)ふろしきを巻いてあげるシーン

動画下部のコメント:「寒がりの!しろくまが!寒がっているひよこ?に貸してあげるのが尊い。」


しろくまの寒がりを!マークで強調する事態になっている。
もうなんか「尊い」という表現に首が取れるほどうなずくしかありませんがそれはさておいて、これはコメントの通りしろくまというキャラクターがそれを行うことに驚きを感じるシーンとなっています。

しろくまは極度の寒がりで、北極に住んでいるときでも一人で家にこもりっきりでした。
そんなしろくまを生まれたときから包んで温めていた、彼にとってのかけがえのないパートナーこそが、その「ふろしき」なのです。
(補足するとふろしきもざっそうやえびふらいのしっぽと同じく「みにっコ」と呼ばれるキャラクターのひとりです)

そんなしろくまが「マッチ売りの少女」の世界という普通にしてたら凍死ENDの環境寒がるひよこ?にふろしきを巻いてあげる優しさといったら。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
本作はそうした「優しさ」に感動する作品なのですが、このシーンも後に別の形で感動を生むことになります。いやぁよく出来た映画だわ。。。。。。。。。。。。。。。。


3.(とかげ?が)ひよこ?にそっと寄り添うシーン

動画下部のコメント:「そっと寄り添うとかげの優しさ… とかげも寂しい気持ちを知ってるんだよね」


このコメント本当にとかげ好きな方が書いたんだろうなぁ。

とかげ?はとかげではなく恐竜の生き残りで、何らかの理由で海の向こうのおかあさんと離れ離れになっています。
かつとかげ?本人はおかあさんともう一度会いたがっており、その熱望具合たるやしろくまにおかあさんそっくりなぬいぐるみを作ってもらったり(本人の正体は内緒)、おかあさんを思い出しながらそのぬいぐるみで遊んだり、夜な夜なおかあさんと再会して一緒に遊ぶ夢をみたりと非常に強固たるものです。つれぇ。

そのとかげ?が、居場所を求めて悲しむひよこ?と一緒に「海の向こう」を見つめて寄り添ってあげるこのシーンな。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
個人的に作中でも5本の指に入る名場面のひとつだと思っています。いや毎フレーム名場面なんだけどこの作品。

また補足するととかげ?は恐竜の生き残りであることがバレて捕まった時でも友達に被害が行かないように、にせもの仲間のにせつむり以外には徹底して素性を隠しているキャラクターでもあります。
すみっコの中でも他者の気持ちを慮るのが得意な優しい性格でもあるんですね。頼むから幸せになってくれ。


4.(ねこが)オニにきびだんごを渡すシーン

動画下部のコメント:「おにに遭遇したときに一番始めにきびだんごを渡した優しさです。あれはねこちゃんだった。まさにねこちゃんの優しさだった!」


さっきからコメントの熱意が凄いな。
(どれもファンの方のすみっコへの愛と理解の深さが伝わってきて素敵…。)

「ねこの優しさ」について考えていきましょう。
ねこはすみっコの中でも、特に多くの性質を抱えたキャラクターです。

その一つは「気が弱い」キャラであること。
部屋のすみっこを取り合うぺんぎん?としろくまとは違い、ねこはすぐにすみっこを譲ってしまいます。
(よくペアで描かれるみにっコ「ざっそう」は彼のそうした弱い部分をリードしてあげる存在でもあり私の推しです)

そしてもう一つ「優しくなりたい」キャラであること。
ねこは捨て猫だった幼少期はわがままな性格で、兄弟たちからエサを独り占めしていましたが、そのせいでまるまる太った上に兄弟の方が先にもらわれてしまった、という悲しい過去があります。
それゆえ自分を受け入れてくれた他のすみっコたちのように優しくなりたい、自分を変えたいという気持ちを抱えているのです。

ねこがオニにきびだんごを渡すシーンは、言うなれば「オニがとっても怖いけれど、なんとか優しく接しようと努力している」というまさにねこを象徴するシーンだったわけですね。
そのあとすぐに恥ずかしがって穴を掘って逃げちゃうわけですが、そうしたところも含めてねこは本当に愛おしいんだこれが。。。。。。。。。。。。


5.(ひよこ?への)すみっこのおすそわけシーン

動画下部のコメント:「みんなの眼差しが優しい…。すみっコの愛しい世界がぎゅっとしてる。」


ここはねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
おそらくすみっコ初見勢の中には最初の泣きポイントになった人もいるんじゃないでしょうか。(私がそうでした)

何が良いって普段しろくまとすみっこを取り合いしていて、普段の性格もちょっと自己中心的なあのぺんぎん?が、すみっこを空けて手で「おいで」って示してるのが本当にねーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お前ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

すみっコぐらしとは「居場所」のコンテンツです。
何らかの理由で居場所に悩む者たちが、お互いを認めて、安心して「居られる」場所を作ってあげる、それこそがすみっコぐらしの持つ優しさの本質なのです。

自分が何者なのかも、どこに行けば良いのかも、おうちがどこなのかも分からず一人彷徨っていた「ひよこ?」。
そんな彼に「なかまだよ」と言わんばかりに、彼らのいる「すみっこ」へ招待するこのシーン…コメントの通りすみっコの愛しい世界がぎゅっと詰まった名場面ではないでしょうか。いや毎フレーム名場面なんだけどこの作品。

余談ですが「映画すみっコぐらし」、実はサウンドトラックがリリースされており、Spotify等のストリーミング配信でも聴くことができるのですが、
このシーンで流れる曲の曲名は「きみも、すみっコ?」です。ハァッ(限界なので終わり)