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まぼねん6周年記念ライブの日記

下北沢にある「まぼねん」の6周年記念ライブに行ってきた。お店に行ったことがないのに、周年記念ライブに行くという……いつかお店に行ってみたいです。6周年おめでとうございます。

※自分が検索しやすくするために記事タイトルにライブ名やバンド名を書いているが、ライブに行って思ったこと、感じたことの日記なので、ライブ自体のことはあまり書いてないかもしれない。

今回行ったライブ

・5/11(木) まぼねん6周年@新代田FEVER(東京)

ライブの感想

ライブ出演者は、TENDOUJI・ODD Foot Works(以下、ODD)・小原綾斗とフランチャイズオーナー(以下、FCO)の3組だった。1組ずつ出演者が発表される形式で、FCOはライブ前日の出演発表だった。
演奏順は、FCO→ODD→TENDOUJI。

私がはじめて行ったFCOのライブ(2022年3月26日(土)IMAIKE GO NOW)は、nicoさんがドラムだった。最近のライブはギターに成順さん、コーラスに夏南波さんがいて、人数が増えた分、表現の幅が広がっている。IMAIKE GO NOWは三人だけだったし、nicoさんがドラムだったし、この日のライブとはまた違う良さがあった。

3組ともnicoさん・まぼねんへのお祝いの言葉や思い出を述べていた。
周年記念ライブだから「おめでとう」くらい言うのは当たり前かもしれない。
私は掃いて捨てるほどいるごく普通の会社員なので、ビジネス上のお祝いの言葉を聞き/読み慣れている。そうした定型文でなく、それぞれに思ったことを言葉にしているのが良かった。そういう人付き合いをしている方々なのだろうなって、良いなあって思った。

いつも頭の中がうるさくて、誰のためにも、何の役にも立たないことをよく考えてしまう(悪癖①)。長いこと毛布にくるまって引きこもって生きていたので、その頃の癖かもしれない。だから私は毛布が大好き。ライナスの気持ちがよく分かる。思考がすぐに脱線する(悪癖②)。

最近は多くの人が「生きること」が当たり前のこととして生きているように思えて、実際はどうなんだろうかと気になっている。ライブに行くことも、ご飯を食べることも、人と関わることも、「生きる」という土台の上に成り立つ行為だ。
私は「生きる」の土台がしょっちゅう揺らいでいる。常に土台が工事中だから、建物をうまく建てられない。すぐに崩壊する。
スタート地点に「生きる」と「死ぬ」の分岐点があり、毎回「生きる」を選択してから次の分岐点(「食べる」や「働く」など)が出てくる。毎日ではないにしても、"To be or not to be, that is the question."している。『ハムレット』は読んだことがない!
多くの人はスタート地点に「生きる」と「死ぬ」の分岐点がなくて(生きることが当たり前で)、いきなり「食べる」や「働く」を選んでいるように見える。私以外の人、どうなのでしょうか。

あ、土台の話を書いていたら思い出した。この日の早朝、大きめの地震があった。
集さんは、地震のあった午前4時16分頃も飲んでいたらしい。
綾斗さんは怖くて地盤が強い土地を調べたところ、東京だと練馬、日本だと岡山、奈良、沖縄、北海道(札幌)の順に地盤が強いと分かり、早く東京を抜け出したいと仰っていた。

ということで、また話が脱線した。ん?ライブの日記を書いているのだから、むしろ軌道修正されたのか。
さっきの話で何が書きたかったんだっけ。人と関わる行為も生きているからできることではある、「生きる」土台の上に「人間関係」という建物が建っている。でも、そう表現するのは違う気もする。
家を建てる際、地盤を補強するには色々な工法があるらしい。2メートル程土を掘りながら固化材を入れて、土と強固材を混ぜ合わせることで地盤を強固にしたり、地盤に杭を圧入して(圧入って言葉をはじめて知った)建物を支えたり。
この日のライブを見て、人間関係は建物というより「生きる」地盤を強化してくれるようなものな気がした。
就活の面接で座右の銘を聞かれて「継続は力なり」って答えたのを嘘つきと指摘されても仕方ないくらい、人間関係を継続させるのが苦手だ。この日のライブに出演された方々は、ずっと繋げ続けて、今の関係性があるのだろうなって思う。本当に良い空気だった。
悪癖②のせいで、ライブと直接的に関係のないことばかり想像してしまうわ。

ライブの終盤、アンコールでTENDOUJIが再登場すると、ステージに立っていた綾斗さんだけでなく、ひかるさんや夏樹さん、(私はよく見えなかったのだけれど多分)AAAMYYYちゃんもステージにいてとっても賑やかな終演だった。
お金を払ってライブを観に来たからこの空間にいる権利はあるのだろうけれど、この空間にいさせてもらえるのありがたいなあと思った。

昔、趣味を聞かれて「ライブに行くこと」って答えたら「えっ」みたいな反応をされた。確かに自分自身の分かりやすい要素を抽出すると、「読書好き」「ぬいぐるみ好き」「引きこもり」「糞真面目(短所)」「人間苦手」とかなので、これだけ見ると到底ライブハウスに行くような人間って思えない。
人混みは好きではないし、人が密集するライブハウスとか嫌いそうに思える。あまりにも内輪な雰囲気だったら、無理すぎて足を踏み入れただけで死んじゃう気がする。ライブハウスは一人で楽しんでいる人も、友達と来て楽しんでいる人も、色んな人がいるから対人恐怖症気味の私でも大丈夫。私に注目が向くわけでもないし!
と言いつつ、終演してしまうとその場所にいることにすごくそわそわしてしまうので即帰宅した。新幹線の指定席の切符を買ってないのに、指定席に座る感じに似ている。もちろん実際にやったことはない。
しばらく残っていたら綾斗さんとか見られるかなと思いつつ、想像しただけで吐きそうなので帰った。洸大さんとすれ違っただけで「ギャ!」という感じだった。かっこよかった。涙。求:勇気。

TENDOUJIのライブははじめて観た。メンバーと観客が共鳴するような、普段行かないようなライブだったので新鮮だった。私の日常生活にはない体験で、最初は圧倒されたけれど、すぐに楽しくなってあっという間に終わってしまった。
TENDOUJIのライブの感じ、私の人間性と(おそらく)真逆すぎて目が眩んじゃったよ。皆さんの笑顔も眩しすぎて!

ODDのライブはとても楽しみにしていた。楽しみハードルをゆうに超えてゆくかっこよさで、次は絶対にワンマンライブに行こうと思った。
確か『JELLY FISH』の時、ステージ上で三人が向かい合っていたのがかっこよくて痺れた。ライブステージにおける一番最高の三角形だわ△
音源よりも駿さんのベースも、キイチさんのギターもリズミカルというか、なんて言うんだろう……機関銃で撃たれるような、撃たれたことないけれど、身体に響くのが良かった。
新曲の『Love Is Money?』も聴けた!サンプリングしているショパンの『夜想曲第2番』、高校生の頃よく聴いていたなあと思い出す。トラックを手掛けたのはTaishi Satoさんとのこと。クラシックをこんな風にアレンジするのすごいなと思った。
Pecoriさんのラップも「いつも音源で聴いていたやつ聴けた!」という感動で、ライブ翌日の仕事中もずっと打ちのめされていた。ステージに立つのに緊張とかなさそう。あったらすみません。裏表ない感じのパフォーマンス、かっこよかった。

リハで「そのことは秘密にしておこう」と決めていたということを、本番でキイチさんが言ってしまったのが面白かった。「あっ、ごめん」みたいな空気がかわいかった。Pecoriさんが「リハで秘密にしようって決めているのが恥ずかしいよね」と。その後のトークもすごく良かった。

FCOはセットリストの紙を見ることができたので、何を演奏したか書ける!

01.BAD FAMILY
02.BAD BOY
03.伴侶が泣いてんよ
04.鮭
05.とびだせトマソン~俺たちのEvery Little Thing
06.おさんぽTOKIO
07.time
08.犬と猫
09.SO-ZO
10.おかしな気持ち

インストもあるとはいえ、10曲も演奏してくれたのか!
『犬と猫』、音源で「わんわん」って言うところ、この前のワンマン公演だけでなくこの日も「にゃーにゃー」って言ってた気がする。気のせいかもしれない。
ライブハウスが小さめだったので、視界に全員が収まりきらず、綾斗さん側を見ようとすると成順さん側が見えない事態に陥るので大変だった。人生は選択の連続と言うが、その通りである。

【5月2日と同じ】この日のステージの立ち位置
成順さん・夏南波さん・集さん・大樹さん・綾斗さん

この前は照明のせいか大樹さんが見えなかったので、今日はお姿が見えてうれしかった。メインコーラスは夏南波さんだが、他の三人もたまに歌っていらっしゃったと思う。
5月2日のライブで『SO-ZO』を演奏したので、この日もやるかなと思っていたので聴くことができてうれしかった。「歌うかもしれない」と身構えて(?)おり、最初の夏南波さんの声に集中できて良かったし、やはり美だった。
季節感の合う寒い季節にも聴きたいから冬にライブをやってほしい。神出鬼没スタイルは社会人には調整が困難なので、1ヶ月くらい前には告知してくださると非常にありがたいです。どうか!!!

FCOのライブの感想は、『おかしな気持ち』だけ異様に文量が多い気がする。Tempalayにはないような曲調と、やっぱり歌詞が好きすぎて、歌詞の感情に沿うメロディーの表現も素晴らしくて、死ぬまで聴き続けそう。
ライブの『おかしな気持ち』における演奏と歌詞のコントラストが、大好きな夏の概念と一致していて切なくて本当に好き。
小西さんのサックスがある音源と、バンド演奏のライブと、弾き語りライブとで、異なる印象を抱かせてくれる。こういう気持ちになるのは『おかしな気持ち』がはじめてな気がする。

「忘れてしまうのさ こんな気持ち」って歌詞が良い。綾斗さんの歌詞から得られる諦念の感情が大好き。唯一無二の栄養源。
「住み慣れた街もいつの日かさよならして」だから、きっとまだ「さよなら」していないのに「さよなら」する日のことを考えて「忘れてしまう」と思うところが好き。
太宰治の『女生徒』を思い出す。『女生徒』も大好きで、発作的にTwitterで良さを語り出してしまう私が好きな箇所を引用する。

どんな遠くの田舎の野道を歩いていても、きっと、この道は、いつか来た道、と思う。歩きながら道傍の豆の葉を、さっと毟りとっても、やはり、この道のここのところで、この葉を毟りとったことがある、と思う。そうして、また、これからも、何度も何度も、この道を歩いて、ここのところで豆の葉を毟るのだ、と信じるのである。

太宰治『女生徒』23頁

ため息。未来の自分を想像して、その時の自分はどう思うかって想像する視点が好き。幾度も「いつか𓏸𓏸って思うのかな」を考えてきて、たくさん忘れてきている。『おかしな気持ち』はそれを思い出すから好き。

綾斗さんの歌詞が好きなのは何でだろうって一生考えてるのだけれど、少年性を感じさせつつ、どこか達観していて、遠くを見つめる視線がありつつ、目の前のことにも注意を向けることができて、そうやって聴く人が自由に想像を巡らせられる余白があるところが好きなのかなと思う。長。色んな曲を書かれているので一言でこれだって書けないや。

1ヶ月前どころか4ヶ月以上前に告知してくれた8月25日(金)のラブシャは行けるかどうか未だに分からず……。夏に野外で『おかしな気持ち』を聴きたすぎるよ。

そういえばアンコールのステージで綾斗さんがよっしーさんにすりすり頭突きしてた。5月2日のライブの日記に「猫みたい」と書いたが、酔うと猫化されるの?やっぱり『犬と猫』で「にゃーにゃー」って言ってたのは聴き間違いではないかもしれないな!