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藤沢ルーザー

つい最近まで雨ばっかりだったのにもう梅雨が明けたらしい。一気に日差しが強くなって空もより一層青くなって、ああ夏だなと思う。

僕は夏よりも冬の方が好きだけれども、夏の空は好きだ。冬の空は晴天の日でもなんか霞んだような青さだけど、夏の日の空は気持ちがいいくらい透き通った青さになっている。

なぜだかわからないけれど、今年の夏は夏らしいことをしたい気分になっている。いつもなら海だとか、湘南だとか、花火大会だとか別にいいやなんて思っていたけれど、今年はまあやってみてもいいかななんて思ったりしている。

それもこれも、今年は夏のにおいを追いかけてみたいからだ。梅雨明けからお盆の前までしか感じることのできないあのにおい。照りつける日差しと透き通った青空と入道雲と爽やかな風と深緑の混ざったにおい。

今まで夏のにおいを感じても追いかけようとは思わなかったのに、今年はどういう風の吹き回しなのだろうか。僕にもわからない。

けれども、去年の夏からは少し成長したということだけは言える。少なくとも夏のにおいを追いかけられると思うくらいには。

それにしても果たしてどうしたら夏のにおいを追いかけられるのだろうか。ベタにオープンカーなのだろうか。それとも江ノ電なのか。とりあえず、小田急に乗っておけばいいのか。見当もつかない。

個人的には、海沿いをオープンカーでドライブしたらいいのではないかと勝手に思っている。しかし僕には自動車免許がない。私をスキーに連れてって、ならぬ、僕をドライブに連れてって、である。これでは夏のにおいを追いかけられるはずがない。おとなしく藤沢行きの快速急行に乗ろうと思う。

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