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学校のインターネット回線はなぜしょぼいのか。

文部科学省からGIGAスクール構想が発表され、近い将来、子どもたちが、一人一台のタブレットパソコンを持つことになる日が近いといわれています。

このコロナ渦中で明らかになったのは、学校と世間とのインターネット環境の強烈な格差でした。子どもたちは一人一台に近い確率で情報機器と、通信環境が整っているにも関わらず、学校にはPCカメラすらないといった状態です。

文部科学省はオンラインでもなんでもいいので、情報発信してくださいねと言い続けていましたが、そもそも、学校にそんなことができるだけの設備も戦略もなかったということでしょう。

やろうと思えば、オンライン授業ならぬ、動画5分授業みたいなこともできたのですけどね。自分一人でしていいなら、やってみるのですけどね。

さて、学校の最大の問題は機器が無いことではありません。機器はあっても、それを活かしきるだけの通信環境や莫大なデータを処理できるスペックが無いのです。

通信機器を使う際に必要なのは大きく分けて二つ。通信機器と通信環境です。通信機器というのはPCやタブレット、スマートフォンなどを想像してもらうと分かりやすいでしょう。通信環境というのは、インターネット回線のことと思っていただいて間違いありません。このどちらが欠けていても、上手くいきません。

通信機器


学校に入っている通信機器は割と高性能なものが多いです。OSはWindowsの最新のもので、CPUはインテル® Core™ i3が使われています。良いものであれば、インテル® Core™ i5が使われていることもあります。少なくとも、動けば良いというレベルのものではありません。メモリも4GBは確保されているはずです。

子ども用のタブレット端末に関しても、所謂安かろう悪かろうの物ではなく、富士通が作っている学校用タブレットやipadが導入されています。実は、機器そのものはそんなに悪くないのです。

しかし、学校に電子機器を導入した際に、なぜか必ず、学校用サポートツール的なものが導入されています。そして、これがまた、重い。子どもと教員が使いやすくするための物なのですが、結局その機能に関しての研修が必要になってきます。電子機器を使うつもりの無い先生にとっては、ただのタブレット端末を渡されても、どうしてよいかわからないという事態になるからです。(使う気の無い先生は研修をしたって使わないのですけどね。)

加えて、使える先生からすれば、妙に簡単にしている分、かえって操作性が悪いという事態が起きることもあります。市販のものでも基本的な使い方を子どもに教えれば、子どもはそこそこできます。

むしろ、一番の問題はどのようにして文字を入力させるかです。ローマ字入力が十分にできる子どもはほとんどいませんから。(Windowsタブレットはフリック入力、手書き入力に対応しているため、使うだけなら一年生でも使えます。)

通信環境

学校の最大の問題はこれです。まず、通信環境というのは大きな水道管みたいなもので、それを皆で分け合っています。

データ通信量が多くなればその分だけ大きな水道管が必要になるんですね。5Gというのはその水道管がさらに大きくなったという話です。(超簡単に要約しているので、間違いがあったらすみません。)

学校はこの引いている水道管が物凄く小さいのです。その代わりに、その部分は学校だけが専用で使えるようにしています。ただし、通信量は多いわ、そもそも接続している台数が多いわで、とてもじゃないけどつながらないという状況が起きます。

これに加えて、様々なセキュリティがかかります。例えば、学校のインターネット回線ではフィルターがかかっていてYOUTUBEが見られません。また、個人のブログも見ることができません。その為、子どもたちがインターネットを使って調べ物をすることもままなりません。

後は、自宅で作った教材を学校のPCに入れるのも中々に苦労します。ICT機器を使っていきなさいという方向になっているにも関わらず、セキュリティがガチガチすぎて使い物にならないということが起きているのです。

一応、文部科学省はそこまでガチガチのセキュリティにする必要はないという指針は出していますが、問題が起きてしまうと必要以上に叩かれるのも現代の風潮です。それを仕組みで解決しようとした結果が今の学校のインターネット環境と言えるでしょう。


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