道徳科の授業での発問

道徳科は何気に発問の研究が良くされている教科です。一時間一本勝負という処が、ここぞという発問を生み出す要素になっているのかもしれません。

今日は道徳でよく出てくる発問について紹介します。

道徳での発問は主に4つです。

①中心発問

②基本発問

③補助発問

④切り返しの発問

それぞれについて説明します。

①中心発問

 道徳科の授業の中で最も大切な発問です。他の全ての発問はこの中心発問に集約されていき、それを補うように配置されていなければなりません。この発問が面白くないと面白い授業にはなりません。また、簡単に答えられ、しかも、多様であればあるほど良いです。逆に答えにくいものの場合は、基本発問や補助発問を多用することになってしまいます。道徳の授業の核と言っても酔う発問と言えるでしょう。

②基本発問

 中心発問に行くために、押さえておかなければならない、最低限のポイントを抑えるために発問です。主に、教科書の状況を確認することが多いです。ここで気持ちを聴くこともありますが、その場合は比較的簡単で、答えも多様にならないものにします。議論をする必要もありません。先ほどもありましたが、最も議論をしたい部分は中心発問です。中心発問につながるようなものを基本発問にしましょう。この発問が多すぎると、後の中心発問の時間が無くなってしまうので、注意が必要です。

③補助発問

 中心発問で児童の考えを深めていこうとするときに、大抵の場合、一発で深い考え方に行くことはありません。どれだけ練りに練った発問であっても子どもたちの理解度は様々です。そこで、理解の深まっていない児童、集団に対して投げかける発問が補助発問です。中心発問で気づいてほしい点にまで持っていく為の発問と考えてよいでしょう。必要になってくる発問ですが、多すぎると誘導的と言われてしまいます。

④切り返しの発問

 切り返しの発問の発問の扱いは補助発問とよく似ています。役割としては、児童を深い理解に導くためのものです。補助発問が深い理解に向かって誘導していくような発問であるのに対して、切り返しの発問は児童をさらに悩ませ、考えさせるための発問です。例えば、導入部分での児童の持っていたイメージと、中心発問で表れてきた児童の考えとの矛盾を指摘したり、児童の考えでは矛盾や違和感が生じるような状況を提示したりといったことが考えられます。筑波大学の加藤先生は主にこの発問を多用して子どもを悩ませていくスタイルで授業されています。

以上です。


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