誰もが参加できる授業

授業をする上で、その授業のターゲットを誰に合わせるかはかなり重要になります。例えば、塾の進学コースであれば、その志望校を目指すレベルの子に合わせた、高度な学習内容の授業がなされるわけです。加えて方法としては講義形式が選ばれます。大量の問題を短時間で解決する為には都合が良いからです。

①授業のユニバーサルデザインとは

では、公立小学校はどうかというと、学習の得意な子、苦手な子、千差万別です。また、これから求められていくのは、主体的で、対話的で、深い学びを促す授業であって、わかりやすく講義をすればよいというわけではありません。とはいえ、どんな子にとってもわかりやすいというのは至難の技、それを体系化した授業理論としたものが授業のユニバーサルデザインです。特に発達障害の児童や集中することが苦手な児童が授業にそもそも参加できない

ユニバーサルデザインの代表的な支援として、視覚化、焦点化、共有化があります。

②視覚化
 視覚化とは文字通り、学習内容や活動を映像や図、絵を使って目で見てわかりやすくすることです。言葉だけの学習であればどうしても頭に残すことは難しいです。これは大人でも同じですよね。学校の中でも配慮が必要な子の多くは話を聞くことが苦手です。というより、8割がたの子どもは苦手と言ってよいでしょう。(そんな中、なぜか、必ず、言葉だけで理解できる子がいるのですよね・・)そのため、視覚的に提示することでみんなにとってわかりやすい支援となるわけです。

③焦点化
焦点化とは絞ることを指します。ここで絞るのは「授業の目標」です。授業の目標をできるだけシンプルなものにしていこうということです。学習指導要領の目標はかなり大まかな目標です。とても一時間の授業で達成できるものではありません。これをそのまま目標にしてしまうとこの一時間に何がしたいのかが曖昧になります。そのため、一時間に達成したいことをシンプルな言葉でわかりやすくしましょうということです。

④共有化
授業が一部の子の発言だけで進まないように、学習で明らかになったことやわかったこと、大切なことなどを皆で共有します。お隣同士で話し合ったり、ノートに書いたりしながら考えていきます。その中で聞き漏らした子や理解の浅い子を引き上げていこうとすることです。


⑤上のことが目的にならないように
そして大切なのが、「視覚化・焦点化・共有化された授業」=「ユニバーサルデザインの授業」にはならないということです。視覚化・焦点化・共有化はあくまでもユニバーサルデザインにしていく為の手立てであって、これさえすれば良いというものではありません。目の前にいる子どもに合わせてどの子も学習に参加できるようにするために打てる手立てを打ち続けることがユニバーサルデザインの授業につながっていくのです。

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