検査を受けた方が良いと言われたら

学校の先生は普段の子どもの様子を見ていると、何となく「この子はもしかしたら何かのしんどさを抱えているのかもしれない。」と思うことがあります。それは、学習の時であったり、休み時間の子どもとのやり取りをしていたりする時に感じます。その中で特にこれはという子に関しては懇談会や参観等のおりに保護者の方に相談をします。(教員の方もこの相談を持ち掛けるのはかなり勇気がいります。)その時にどうすればよいかについて書いていきます。


①とりあえず検査は受けた方が良い
 直接にしても遠回しにしても、検査を受けた方が良いと言われるとまずはショックを受けると思います。「先生の偏見ではないか。」「うちの子に限ってそんなことはない!」と思ってしまうものです。しかし、いったん冷静になって考えてください。

 大切なことは、その子が普通の子として育っていくことではありません。(隠しても後々どこかで壁にぶつかりまます。その子が幸せな人生を送ることができるようになることです。


 結論から言えば、検査を受けて損になることは何もありません。理由はその子に関する様々な情報が手に入るからです。検査と聞くとどうしても悪いことを探すという風に見てしまいがちですが、発達検査に関して言えば、同時に強い能力がわかります。そこにその子の生きやすさを向上させるヒントがあるのです。

②受けることのメリット

 ・その子の強みが見えてくる。
 検査にはWISCと呼ばれるものや田中ビネー知能検査と呼ばれるもの等がありますがどの検査にも言えるのが、上で挙げたようにその子の強みも一緒にわかるということです。何かの能力が突出して低い場合、生活をしていく為には低い能力を補うために別の能力が突出している場合が多いです。例えば、文字を捉えることは苦手だけど、話しをさせてみるととても上手だったり、仮定を考えるのは難しくても、お手本通りの物を作ることは人並み以上にできたりと、何かしらの能力が伸びている可能性があります。

 ・強みが見えることで支援の質が上がる。
 その子の強みがわかるまでは、一般的な支援を中心に様子を見ていくことになるわけですが、強みがわかれば、支援の方向性は基本的にその子の強みを生かしたものになっていきます。強みとなっている部分をさらに引き上げて、全体を底上げしようという方略です。同時に苦手な部分には配慮がなされます。(現場では二つの方向性を同時に取ることが多いです。)支援の中身がをより具体的なものに詰めていくことができ、効果的な支援ができることが多いです。

 ・校内での情報共有がなされる。
 検査の結果は校内で共有されることが多いです。(保護者の意向によっては共有しないこともできます。)そうすると、学校全体でのその子の理解が深まり、先生方の対応が変わってきます。その子にとって苦手な方略ではなく、得意な方向で指導していくことができるようになります。

③何よりも大切なことは親の見栄ではなく、子どもの幸せ
 繰り返しになりますが、大切なことはその子が幸せに生きられるようにしていくことです。人と比べてできないことがあるからダメなのではなく、それ自体をどうにかしようとしないことの方がよっぽど問題です。今避けた問題は後々になって必ず、他のところで噴出してきます。後になればなるほど手痛いしっぺ返しが来る可能性が高くなります。

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