道徳性と役割取得
今日は、道徳と役割取得の関係について書いていこうと思います。まず、役割取得は何かを説明します。
役割取得とは、その人の立場に立って物事を考えることができる状態を言います。セルマンという研究者が提唱した概念です。
この役割取得には4つの段階があります。
・未分化で自己中心的な役割取得
・分化しているが主観的な役割取得
・二人称の役割取得
・三人称の役割取得
・より広範囲の役割取得
未分化とは自分と相手が別の存在であると認識していない状態です。逆に分化とは自分と相手が別の存在であると認識している状態を言います。役割取得段階では自分の考えていることを考えることができますが、相手の立場に立って考えるということを正確にできません。(自分の主観で推測してしまいます。)目の前にいる相手の気持ちや思いを考えることは難しいです。
二人称の役割取得ができるようになると、目の前の相手がどのように考えているかを客観的に考えることができるようになります。相手の気持ちを考えなさいと言って本当の意味で考えられるようになるわけです。
三人称の役割取得とは、自分と相手のやり取りや関係を見ている別の人の立場から物事を考えることができるようになります。今の君たちを他の人が見たらどう思うかなという言葉で本当に考えられるようになります。
さらに役割取得が進むと、三人称視点を超えた人の立場から物事を考えることが出来ます。これが広範囲の役割取得です。
役割取得ができているということは、相手の考えや気持ちを汲み取ることができるということになります。
相手の気持ちを理解することができれば、相手に対して嫌なことをするということが減ってくると考えることが出来ます。良好な関係を築いていくことがしやすくなっていきます。
役割取得の機会は基本的に日常生活の中でたくさん与えられてはいるのですが、時と場合によってはそういう機会を作ってみるのも良いかもしれませんね。
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