道徳授業の二つの方向性

岡山大附属小学校の個人研究発表会に参加してきました。土日に公開授業をしてくれる小学校は本当にありがたいです。平日の附属小学校の研究発表となると、どうしても一日出張になってしまいますから自習時間を5~6時間も作ってしまうことになりますからね。

さて、岡山大附属の尾崎先生は結構珍しい、道徳の専科の先生です。専科と言えば筑波大学の加藤先生が有名ですが、研究校である附属小学校であれば、専科の先生はこれから増えてくるのかもしれません。

さて、さて、今日は岡山で見たことも含めて、35時間の道徳の授業をどのように構成していくのかということについてお話しします。大きく分けて方向性は二つ。

①一時間の中である価値について徹底的に突き詰めて35回つみ上げていく

②単元ユニットを構成してそれぞれのテーマの中の一時間として扱い、関連性を考えさせながら学習を進めていく。

それぞれのメリットやデメリットについて考えていきたいと思います。

①一時間の中である価値について徹底的に突き詰めて35回つみ上げていく

 これは、今までの道徳と特に変わりはないかなと思います。教科書会社が内容の構成を考えて順番通りに掲載しているため、それをそのままその順序でしていくというパターンです。一回ごとの授業の関連性をそこまで重視しないので、一回毎の授業をどれだけ深めていくことができるかが勝負になります。一つ一つを深めていった結果として、他の価値や教科との関連性が見えてくるという感じでしょうか。とはいえ、教材の中には明らかに時期外れのものもあります。例えば、運動会シーズンが外れているのに運動会の話が入ってきていたり、社会との関連の強い教材だけれども、学習する時期がずれていたりということも起きます。

②単元ユニットを構成してそれぞれのテーマの中の一時間として扱い、関連性を考えさせながら学習を進めていく。

 何か一つテーマを設定して、そのテーマに関係のある教材を持ってきて授業をするというパターンです。テーマは子どもに考えさせたいことや教師の願いといったところで変わってくるかと思います。岡山大附属の授業で尾崎先生は道徳科の教材や価値同士のつながりを考えた単元構成を考えておられました。テーマとのつながりが深い教材を選ぶと、かなり効果を発揮してくれるようで、力の弱い教材同士を掛け合わせることによって相乗効果が生み出されていくようです。とはいえ、あまりにも価値項目同士が離れていたり、無理やりにつなげようとすると、価値観同士がぶつかり合って上手く深まらないということもおきてしまいそうです。

それぞれに良いところがあるので、在野の教師は研究の上澄みを上手く使って授業していく必要がありそうですね。

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