【2022年・年頭所感】スタートアップはいつ終わるのか?
新年明けましておめでとうございます。2022年、本年もよろしくお願いいたします。
ドットライフ代表の新條です。年始に相応しくないタイトルだという懸念が多々ありますが、無礼を承知で、新年の抱負について書かせていただきます。
スタートアップ、ベンチャー企業とは?
まずは言葉の定義から。私たちが自称しているスタートアップ、ベンチャー企業とは何なのでしょうか。
≠ 創業して日が浅い企業
≠ 社員数が少ない企業
創業年数でも規模でもない。では中小企業・零細企業と何が違うのか。明確な定義は存在しないのかもしれません。私個人の考えとしては、
= 世の中に本質的に新しい価値を提供(し、急速に成長)する企業
がスタートアップなのではないかと思います。模倣して踏襲する前例がある訳でない分、事業の実行には検証の要素が多く含まれます。市場の淘汰を生き抜いた既存の商品、サービスに対し、全く異なる価値、アプローチで改革を試みた挑戦をする。仮説の多産多死を経て一握りのアイデアが大きな成長を遂げ、次のスタンダードになっていく。GAFAが創業20年以内で世界の中心になっていく様子を目の当たりにした起業家が、自分たちもと意気込んで夢を追っているのだと思います。
新卒入社した会社がユニコーンになった
余談ですが、先日新卒入社した株式会社ネットプロテクションズホールディングスが東証一部に上場しました。
今国内外でめちゃくちゃ話題になっている未回収リスク保証型の後払い決済(BNPL:Buy Now Pay Later)に日本で一番最初に参入した会社です。
2000年1月創業。私が入社したのは2012年、当時の時点でマザーズ上場ベンチャーレベルの業績でしたが、親にこの会社に入ると話した時にはビジネスモデルがよくわからんからそんな会社危ないだろうと言われていました。
私が働いていた2012-2013年は既に完成されたビジネスモデルの規模を追いつつ、BtoBの新規事業開発を並走するというフェーズでしたが、創業から軌道に乗るまでの話を経営陣から聞いていると、無謀だと思われる挑戦をなんとか乗り越えてきたとのことでした。
そのニュアンスが少しでも理解できたのは経営者になってからです。市場のトレンドも国内の類似企業もない中、非常にリスクの大きいビジネスモデルを、深いJカーブを潜りながら作っていく。同じ目線に立ってみて、挑戦のサイズの圧倒的な違いを感じました。
結果的に、2021年12月に東証一部上場。この記事を書いているときの時価総額は約1500億円。スタートアップ・ベンチャー企業の中でも特に急成長を遂げるユニコーン企業に準ずる会社になっていました。(※創業10年以内という条件のみ対象外)私がいた短い期間は、ユニコーンのポニーみたいな時期だったのかもしれません。ちょうど新卒1年目の時にミッションを作り直したのですが、そこで決まった「つぎのアタリマエをつくる」を体現するベンチャー企業になっています。大きな目標を掲げ、それを確実に達成していく期待感がありました。
先の定義にぴったりのロールモデルです。
今日が最後の日だとしたら
新年早々なぜこんな関係のない話をしているのかというと、今年、会社として、経営者として後がないと感じるからです。
スタートアップはいつ終わるのか?
タイトルの話に戻ります。あくまで個人的な意見ですが、それは競合に負けることでも組織崩壊することでもキャッシュアウトすることでもなく、関わる人が夢を見れなくなった時なのではないかと考えています。
青臭く聞こえるかもしれませんが、先の通り不安定な状況の中ホームランを狙ってフルスイングし続けるのは、将来に大きな期待をしているからです。経営者やチームメンバーはもちろん、株主やパートナー企業、取引先など、関わる方々がその会社・事業の未来に期待している。そんな期待感が「次の当たり前」を生み出す原動力だと思います。
反対に、もうこの会社・サービス・経営者はこの先大きく化けることがなさそうだ、うちの会社にいても大きく成長するビジョンがない、と夢を見れなくなると全てのエネルギーが止まっていきます。
これまで、いつかはうまくいくという盲目の確信の元、こんなことを考えたことはありませんでした。ただ、2021年、様々な変化を経て、目指す未来を信じる人が減っていく危機感を初めて感じました。
今日から2022年が始まります。
「今日が最後の日だとしたら・・・」というジョブズの名スピーチを、今もう一度自分たちに当てはめてみます。今年が最後の一年だとしたら、スタートアップとしての限られた寿命の中で、今日やる予定のことを私は本当にやるだろうか?
後悔しないよう、覚悟を持って一年走り切ります。
いつもお世話になっている皆様、改めて今年もよろしくお願いいたします。
2022年1月1日
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