響け!ユーフォニアム 久石奏3年生編を待ちきれなくて盛大に妄想した 全10万字:Extra章 (8/9)
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響け!ユーフォニアム 久石奏3年生編を待ちきれなくて盛大に妄想した 全10万字:Extra章 (8/9)

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Extra章

美玲ラブストーリー(?)

「玉田、今帰り?」
「あ、美玲先輩、おつかれさまです。はい、そろそろ帰ろうかと。・・・練習時間、短すぎますか?」
「そんなことないよ。効率的でよく考えた練習をしているから大丈夫。」
「だとよいのですが。特に二年生の皆さんは熱心に朝早くから遅くまで練習されているようなので。」
「三人とも高校から始めたからね。玉田に刺激を受けて頑張っているみたい。私もだらだらと練習するのは好きじゃないけど、どこかでがむしゃらにやらなきゃいけないときもあると思う。」
「はい、そう思います。」
(・・・こそこそ・・・)
「あ、あの。」
「はい。」
「そ、その。」
「?、はい。」
「・・・つ、付き合ってくれ・・・ない?、私と・・・」
「付き合う・・・と、いいますと?」
「つ、次の部活の休みの日。」
「はい、空いていますよ。」
「ど、どうしても玉田が、いい。」
「自分で良ければもちろん。楽譜ですか?CDですか?楽器ですか?」
「・・・玉田らしいね。ち、ちょっと歩きながらでいいかな。」
「じゃ、行きましょう。」
(・・・え!?これはスクープ・・・)

次の日曜日、美玲と玉田は学校から電車で四十分近くかかるデパートにいた。近くのものよりかなり大きく人も多い。そして客層もティーンはあまりいないようだ。二人ともガーリーとも男子高校生っぽさとも無縁の大人っぽい着こなしをしており、傍からは高校生には見えない。
「トールデザイン常設。確かにわざわざこの店へ来る価値はありそうですね。メンズもほしいですね。」
「玉田も身長高いからね。で、親戚の結婚式に何を来ていけばよいのかわからなくて。まさか制服ってのも変だし。新郎の方がそれほど身長が高くなくて。私よりも低いくらい。だから目立たないようにしたくて。」
「確かに。そういうことだと、気、遣っちゃいますよね。」
「いらっしゃいませ。あら、すらりと素敵なお客様、お連れ様もどうぞごゆっくり。」
「お、お連れ様って?」
「?どうかしました?。単に一緒にいる人って意味ですよ?」
「そ、そう。」
・・・・・・
美玲はしばらく売り場をうろうろして戻ってきた。
「ど、どうしようかな。」
「やっとギブアップしましたね。プロに見立ててもらいましょうよ。すみません、よろしいですか。」
「はい、伺います。」
「あの、その。結婚式に行かないといけなくて、その・・・」
「ご親戚の結婚式と披露宴に参列するための服を探しに来ました。新郎は身長が彼女よりも低いので、目立ちにくいものを見立ててほしいです。時期は六月下旬です。会場はバンケット、時間は昼です。」
「・・・です。」
「かしこまりました。お任せください。」
・・・・・・
「あの、あと何着あるんですか?」
「まだ三着目ですよ。はい、じゃ向こうへ行きましょう、ここのフィッティングルームではちょっと手狭ですから。」
「玉田、大丈夫? 時間かけすぎてるよね?これで最後にするから。」
「そんなことおっしゃらず。ここまで来たなら納得行くものを選びましょうよ。」
「そうですよーお客様。こんなに美人さんなのに。もっとぱぁっと華やかなものを選びたいのですが。はい写真撮りますね。いやー、メイクもしたくなっちゃいます、なんならヘアスタイリストも呼びたいくらいです!」
店員は妙にはしゃいでいる。
「見比べてみましょう。」
「失礼しました、はしゃいでしまって。この三着だと、二着目が一番華やかですね。」
「そうですね。でも、今回の目的からすると、今のが良いと思います。こんな表現ですみませんが、一番クセがなくて。」
「私よくわからない・・・」
「じゃあ・・・ちょっとあちらの大きい鏡に行ってみましょう。」
(移動)
「いかがですか?」
「無難であれば、それで。」
「じゃあ・・・お連れ様、お隣に立ってもらえますか?」
「え?」
「いいですよ。」
「ピシッとした姿勢でお願いできますか。おお、素敵。スマイルでお願いします。」
「なんか私じゃないみたい。」
「でも、さっきより目線が上がって、かえって自然に見えますよ。」
「そうかな?」
カシャ。シャッター音が聞こえた。
「うーん、これインスタに上げたらクールなカップル降臨!って拡散されちゃいそう!。あ、もちろんそうでないことは存じています。」
「!絶対あげないでください!」
「も・・・もちろんですよ(近い・・・)。」
「先輩、次、みますか?」
「はい、まだございますよ。確かに先程のものが良いかと思いますが。」
「じ、じゃあそれにします。」
「はい、ありがとうございます。」

(・・・こそこそ・・・)
(見ましたか?)
(どういうこと?)
(みッちゃん先輩めっちゃ美人だった・・・)
(私、見ちゃいました!)
(先輩なんでいるんですか・・・)


「こんにちはー」
玉田が3-3の扉を開けると美玲が取り囲まれていた。
「あ、玉田、あの。」
「みっちゃん先輩がなんとかデパートのほうへ行ったらしいという噂なのだ!」
「またずいぶん不確定な表現が多いですね、すずめ先輩。」
「で、だ、玉田青年。おぬしと一緒にいたとタレコミが入っている!」
玉田は小さくニヤリとして言った。
「ほう。」
玉田は冷静さを崩さない。それに対して美玲はどこまで話してしまったのかグダグダだ。
「で、美玲先輩はなぜそのような状態に?」
「その・・・そうだと言ってしまって。」
「へえ、なんかいつもの先輩とずいぶん雰囲気が違うと思ったら。」
玉田の様子が変わらないので、だんだん不敵な笑みを浮かべているように見えてくる。
「で、どうなの?私のみっちゃんと一緒だったの?」
「・・・しばらくこのまま黙っていよっかな。」
「ちょっと、玉田まで・・・」
「・・・その発想はなかった・・・」
「というわけで、みっちゃん先輩、申し訳ありませんが彼に吐いてもらいます。悪く思わないでくださいね。」
美玲は困っているようだ。
「玉田くん、ずいぶん余裕ですこと。」
「まあ、後ろめたいことは何一つしてませんから。」
美玲がはっとする。
「説明して構いませんか?美玲先輩」
「・・・お願い。」
玉田はため息を一つついた。
「・・・美玲先輩は身長が高いので、トールデザインの品揃えが豊富なお店に行きたかった。ただ、今回選びたい服が普段使いではなかったので、普段のお友達の方とは別の誰か身長の高い人間を探してた。それで、私に声がかかったのです。」
「・・・へ?」「・・・はい?」
「綺麗やかわいいの基準はよくわかりませんが、背が高いが故の悩み、つまり目立ってしまうとかは男性女性共通だと思いまして、引き受けました。」
「ほほー」「まあ、そうゆうことにしておいてあげよう。」
「当事者にとっては悩みなんですよ。みなさん、あまり不用意にからかったりしないでほしいです。自分も・・・背が高いと言われるのは好きじゃないので。」
「そうなんだ・・・なんか、ごめんね、玉田くん。」
「いえ、別に。」
「さては玉田くん、昔、こじらせましたね?。」
「ええ、相当。」
玉田は照れながら頬をかく。
「そういう話、もう少し私にも話してほしいですね。おふたりとも。」
「奏先輩に話して大丈夫ですかねぇ?」
「・・・やめとく。」
「失礼しちゃいますね。それよりも。その時の写真を見せてもらいましょうか。」
「え?」「え?」
「あるんでしょう?、服を選びに行ったなら!さあ見せなさい!送りなさい!」
「え、えっと。」
「駄目!絶対駄目!」
「見たいー、みっちゃんの写真見たいー。」
「そ、そうです、奏先輩。もう消しちゃいましたから・・・」
「ふふん、それは嘘ですね。消してあれば動揺しないはず!さあ見せなさい!」
「やっぱり奏先輩怖い・・・」
「絶対駄目・・・・」

「うるさいなあ・・・なんで緑先輩以外の女子ってああなんだろ?」


文化祭

今日は文化祭。すずめ、弥生、佳穂、沙里の二年生四人は一緒にまわっていた。
「1-6へ行くぞー」
「なんで?」
「玉田青年のクラス、あいつ進学クラスじゃん?何かわけわからんことやってそうじゃん。」
「わけがわからないって・・・玉田くんなんだか気の毒。」
といいつつも沙里も楽しそうだ。
「あれ、佳穂は?もう行っちゃったのかな?」
「それはまあ、早く行きたいんじゃない?」
すずめがにやにやしながら話しているうちに1-6に到着した。
「なになに・・クリエイターの館?。AI、モーションキャプチャー、音声認識、最新テクノロジーの百花繚乱」
「弥生、日本語喋って。」
「書いてあるの読んだだけだよ。」
「まあ、入ってみようよ、面白そ・・・」
と、一足先に入っていった佳穂の笑い声が聞こえてきた。
「初っ端のここは?」
「あ、だじゃれ生成マシーンです。何か言葉を喋ったら音声認識、それから辞書解析をして、すぐにダジャレの文章を作って音声合成して再生するんです。」
「だからか・・・」

「ボンジュール、セニョリータ」
「玉田青年、それ何語?なんかちゃんぽんになってない?」
「よくお気づきですね、みなさんようこそ。」
「何?そのDJみたいな服にインカムは。声もチェンジャーかけてるし。」
「ふふん、イエイ!ここは一瞬にしてあなたのために作曲するブースです。」
「えーすごい!」
「いつのまに準備したの?」
「もともとDTMを少しやってるんです。あ、銀行のATMではなくて、パソコンで音楽をつくることです。」
「玉田くんはすごいんだよ!」
佳穂は自分のことのように得意げだ。
「それで?どうやるの?」
「えっと、鼻歌で歌ってもらって、その旋律をAIが解析して、一曲できるんです。こんな感じです。」
「---♪」
玉田はインカムをのマイクへ向かって、かすれた声で口ずさむ。
「これが、こう認識されます。」
ーーーーーー♪ーーーーー
無機質な電子音の旋律がスピーカーから流れる。ところどころ不自然だ。
「おおー」「へえー」「でもなんかちょっと・・・」「・・・違和感というか・・・」
「そうなんです、で、これを私がちょっと味付けして・・・パラメータ調整して、と・・・さあどうだ。」
ーーーーーー♪ーーーーー
「ええー全然違う」「さまになってるって感じ」「さすが!」「素敵」
「やってみていいかな?」
「もちろんです。」
「---♪」
佳穂が短いフレーズをハミングする。
「これをまずそのまま再生すると・・・」
ーーーーーー♪ーーーーー
「で、少し加工します。」
======♪=====
「・・・これ、ハッピーバースデーっぽくね?」
「あれ?おかしいな・・・しまった、これは、サプライズを頼まれた時のために仕込んだものだった・・・佳穂先輩日付違いますよね?、すみません・・・」
「うん六月、でも全然いいよ、なんか嬉しくなっちゃった。」
「ほんとすみません・・・」
「玉田青年!今すぐこれをもっとゴージャスにドラマチックにアレンジしろ!。大事な先輩を祝い直せー。」
「あ、じゃ、少しお時間を頂ければ。順番もいなさそうですし。」
「え、ほんとうにできるの?。すごい・・・」
沙里は口元で手を合わせて 佳穂と玉田を代わる代わる見ている。玉田は本気を出してるのか、ごついヘッドホンをはめパソコンの画面をにらめっこしてものすごい勢いでマウスとキーボードを操作している。画面の中では正体不明の図形が踊っては止まり、また踊っていた。
「へいおまちぃ。」
「・・・今日の玉田、キャラ違うくね?」
「まあ元気そうでよかったよ。」
「ほんと、ね。」
「では、おほん、佳穂先輩、お待たせしました。」
======♪=====
「素敵!・・・」
沙里は手を合わせたまま頬を紅潮させて広角が優しく上がった。
「ね、佳穂。」
佳穂は満面の笑みのまま、言葉を出さずに音源を聴いていた。
「すっげ・・・ほんとに作っちゃった。」
「すずめがけしかけたから、玉田青年本気出しちゃったよ。」
「ふふーん、それ以外にも理由がありそうだけど?」
「じゃ、佳穂先輩、送っておきますね。」
「ありがとう。」
「あ、次のお客さん来たみたい。」
「メルシー、謝謝、ダンケシェーン」
「またへんなちゃんぽんで。」
四人が出口へ向い始めた。と、佳穂がたたっと戻ってきてそっと玉田に近づいた。
「玉田さん、ありがとうございました、嬉しかったです。のど、無理しないでね。」と耳元でささやいて、教室を後にした。
玉田は耳まで赤かった。


後継者求む

「求くん、楽器二台出してどうしたのです?。緑先輩を懐かしんでるとか?」
「・・・久石か、相変わらずだな。・・・まあ否定できない。本題は手入れと掃除。」
「独特の匂いですね、松脂って。」
「管楽器のグリスやオイルも結構臭ってるんだぞ?」
「じゃあ、お互い様ということですね。そうだ、玉田くんいちどコントラバスを構えてみてくれません?」
「・・・ケンカ売ってるのか?」
「求先輩、よろしいでしょうか。」
「・・・まあ、いいぞ。」
玉田はなんの躊躇もなくコントラバスに手を伸ばすと素早く立てて構えた。左手は弦の端に正確に位置している。
「おまえ・・・経験者だったのか?」
「いえいえ、音楽の授業で体験で触らせてもらっただけです。」
「それにしては構え方が様になりすぎてるな・・・まさか音階くらい弾けるのか?」
玉田は笑みを浮かべると、ピチカートでゆっくりと音階を演奏した。大きな楽器を上回る身長の玉田の演奏姿勢にはどうしても余裕があるように見えてしまう。
「ベースのピチカートはとても好きなんです。」
「・・・わかってるじゃないか。なあ、この楽譜、やってみてくれないか?。ピチカートだけで、音の種類も限られている。」
「・・・振ってある数字は?指番号ですか。」
「そうだけど、気にしなくていい。」
「参りましたね・・・」
「玉田くん、本気にならないでください。移籍されたら困ります。」
「楽譜と楽器には、ウソつけないですから。」
玉田は笑みを浮かべている。よほど楽器と戯れているのが楽しいらしい。
「上等。じゃ、いくぞ。」
=====♪=====
・・・なんだか、かっこいい・・・。
「・・・やっぱりアンサンブルは良いな。緑先輩、俺・・・後輩が欲しかった。」
「諦めないでください、求先輩。来るかもしれないじゃないですか、新メンバー。たとえ学年の途中でも。」
「・・・ああ。」

続く

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2020-11-14開設。気に入った音楽があると耳コピしたくなる♪  Twitter https://twitter.com/Dotera_music   niconico https://www.nicovideo.jp/user/9310873/mylist/49872057