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#自然の郷ものがたり

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阿寒摩周国立公園に住む方々の声を集録したフリーペーパー「#自然の郷ものがたり」の記事を公開しています。
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#阿寒湖

【自然の郷ものがたり#21】観光汽船と共に歩んで60年 元船長がたどり着いた阿寒という故郷【聞き書き】

見る者に覆い被さるような迫力でせまってくる雄大な雄阿寒岳、特別天然記念物の大きなマリモが展示されているチュウルイ島、季節ごとに表情を変える多様な草花が彩る景勝地・滝口。阿寒湖には、船に乗らないと出会えない景色があります。 そうした出会いを提供し、訪れる人の目と心を楽しませてきたひとりが、阿寒観光汽船で船長を務めた神好美さんです。24歳のときに阿寒へと移住し、ゆっくりと、しかし絶えず変化してゆく町の様子を間近で見てきた神さんにとって、この60年はどんな時間だったのでしょうか。

【自然の郷ものがたり#20】この風景を後世に残すために【写真企画】

阿寒の風景をめぐる阿寒湖畔から、遠く雄阿寒岳を望む 野鳥がさえずる湖畔を歩くと、開けた空に雄阿寒岳の姿。 「ようこそ阿寒へ」と両手を広げるように裾野を伸ばしています。穏やかな波が打ち寄せる湖には、特別天然記念物のマリモが育ち、アメマスやニジマス、ワカサギなど多くの魚たちが釣り人たちを楽しませます。一刻一刻と表情を変える湖を眺めていると、時が流れるのも忘れてしまいます。 温泉街の営み、阿寒の文化が生まれる場所湯けむり香る温泉街を歩くと、あちらにもこちらにもお土産屋さん。カ

【自然の郷ものがたり#13】受け継がれる「一歩園精神」、阿寒「復元の森」づくりへの挑戦【聞き書き】

阿寒にはかつて、この美しい自然を愛し、人々の幸せな暮らしを願った1人の女性がいました。 「阿寒のハポ(アイヌ語で母) 」とも呼ばれた前田光子さんは、義父である前田正名さん、そして夫の前田正次さんの遺志を継ぎ「阿寒の自然を後世に残し続ける」という悲願を叶えるため、前田一歩園の財団化に尽力しました。その影には前田家の思いを具現化してきた人々の努力がありました。 阿寒湖を取り囲む3600haもの森林を「人の手が入る前の原生林」の状態に戻す「復元の森づくり」もその1つ。今回は前田

【自然の郷ものがたり#12】アイヌ文化は共有財産 伝統を守りつなぎ新たな表現へ【聞き書き】

道東を代表する観光地のひとつ、阿寒湖温泉。雄阿寒岳と雌阿寒岳に囲まれ、特別天然記念物マリモの群生地、そしてアイヌ文化が色濃く感じられる地として、訪れる人々を魅了し続けています。 阿寒湖アイヌコタンは、前田一歩園財団の3代目園主・前田光子氏がアイヌの暮らしを守るため、土地を無償で提供したことから始まり、全道各地から集まったアイヌが独特に文化を進化させてきました。そこで生まれ育ち、伝統を踏まえながらクリエイターとして常に新しい表現を模索してきた秋辺デボさんに、<触れ合う・つくる

【自然の郷ものがたり#6】地域と環境省が手を携えるまちづくり。阿寒摩周国立公園が目指す未来【イベントレポート】

阿寒摩周国立公園における満喫プロジェクトを振り返り、新たな出発点にするために。本誌『自然の郷ものがたり』プロジェクトの一環として、2021年2月8日に特別鼎談イベントが実施されました。 登壇者は、弟子屈町長・徳永哲雄さん、NPO法人阿寒観光協会まちづくり推進機構理事長・大西雅之さん、環境省阿寒摩周国立公園管理事務所・笹渕紘平所長の3名。鼎談から浮かび上がったのは、環境省と地元住民が対等なパートナーとして地域づくりを担う未来でした。 ▽プロフィール(左から) 徳永哲雄(とくな