ある大家族の日常の話

大家族って面白い。
それに気づいたのは結構最近の話。
高校生の頃までは、兄弟の話をするのがただただ恥ずかしくて、家族の話を振られるのがめちゃくちゃ嫌だった。

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大家族の日常。
私にとってはごく普通の生活なんだけど、他者から見たらすごいね、って言われそうなことを書いてみる。

まず、食器洗い。
今、ビルトインの食洗機が壊れていて、全部手で洗っている。
8人分のご飯を作るために使った調理器具、8人分の食器たち、シンク、家族分の水筒を洗う。
これやったらマジで1時間以上かかる。
食器洗い要員、シンクと水筒洗い要員、食器拭き要員に分かれる。これも家族が多いからできる分担だな。
おかあさ〜ん！！早く食洗機修理してもらおうよ〜！！

洗濯。
毎日3回洗濯機をまわします。それは普通か。
夜に一回、朝二回。
蓬莱さん(関西ローカル報道番組のお天気のお兄さん)、
「明日は雨が降るので洗濯はやめておきましょう」
じゃねえんだわ。
1日でもサボったら洗濯物でごった返しちゃう。
雨の日も、12kgタイプの洗濯機は休みを与えてもらえず、サンルームを密室空間にし、除湿器をまわして、意地で乾かす。
「生乾き臭ゼロ」を謳うアリエールもアタックも、さすがにこんな乾かし方されると思ってないので、普通に負けます。

買い物。
絶対2人以上で行かないといけない。
エコバック5つと勇気を持って、果敢にスーパーに入る。
エコバックからネギが見えて、キュンとする瞬間あるよね。うちの買い物は、そんな可愛いもんじゃない。
パンパンに詰めた重いエコバックを車に運ぶ。
それが一番たいへんなんですよ〜。
一回の食材の買い物で、諭吉さん1人、一葉さん1人くらいはいなくなる。
買い物直後、「卵が冷蔵庫に入らない！」とか言ってんのに1週間も経たずにスッカスカになるの、恐ろしい。
マジでどこ行ってんの。

我が家に外せないのは、野球観戦。
本っ当にうるさい。8人がギャーギャー言ってたらそりゃそうだ。
向かいの家の老夫婦が、巨人ファンらしく、伝統の一戦ともなれば、いつも優しいその老夫婦を煽るかのように、私たち家族は気付いたら甲子園にいるヤジ飛ばしおじさんたちと同じ熱量になっている。
甲子園に行かなくても、ユニフォーム、推し選手のタオル、メガホンなどの応援グッズを持参して、我が家に来てもらえればそれなりの雰囲気が味わえると思います。オススメ。
あとはビールの売り子さんだな。雇うか〜

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今まで良いことばかりだったわけではない。

中学生くらいになると、みんないろんなことが分かってくる。
ひやかしみたいな意味で、
「親仲良いんやな〜ハハハ」
って言われるのがめちゃくちゃ嫌だった。
ちょっとした嫌がらせをされることもあった。
いいじゃん！そうだよ！！仲良いんだよ！！！！！！

兄弟は多くて賑やかなのに、寂しさを感じるときもあった。
やっぱり親は下の子を心配する。
いや、私ももちろん気にかけてもらってきたのは分かっているけど、上の立場からすると、
「しっかりしなきゃ」
「私は心配かけちゃいけない」
っていう気持ちは無意識のうちにあった。
ずっと、私にも構ってほしいと思っていた。

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この歳になって、それなりに経験もして、今は、
私って幸運の持ち主だなあと思う。
こんなに愛されてここまで生きてきた。
悲しい出来事もあったけれど、それでも父と向き合う時間を与えてもらった。父の最期と立ち会えた。
そしてこうして賑やかに生きている。
父の死がなかったら、今の私はない。
残酷だけど、それが現実。
今の私を見て、父は喜んでくれていると思う。

将来が楽しみだ。
もし、それぞれが結婚して、子どもが生まれたりしたら、親戚めちゃくちゃ多いな〜。
お正月、実家に集まってみんなでビンゴ大会やったら楽しそうだな。景品はおばちゃんが用意したる。

結婚せず、おばあちゃんになるまでここで暮らすのもめちゃくちゃ良くない？この家のお守りしようかな。
のんびり暮らすのもアリだな〜

こんなことを考えながら、今日も1時間かけて食器を洗う。