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ソフトバンクグループ株式会社 第44回定時株主総会 (2024年6月21日開催)

総会の概要

2024年6月21日に開催されたソフトバンクグループ株式会社の第44回定時株主総会では、孫正義社長が株主に向けて企業の現状や将来のビジョンについて詳しく説明しました。総会では、事業戦略、財務状況、サステナビリティの取り組みなど、多岐にわたるテーマが議論されました。


1. はじめに

ソフトバンクグループ株式会社は2024年6月21日に第44回定時株主総会を開催しました。この総会は、過去1年間の業績報告と今後の事業戦略について、株主に対して説明を行う重要なイベントです。本記事では、その総会の様子を詳しく振り返ります。

2. 総会の概要

開会の挨拶

総会は定刻に開始され、社長が議長席に着席しました。社長は開会の挨拶で、自身の体調が優れないことを明かしつつ、元気であることを強調しました。また、最近の忙しさからくる睡眠不足についても触れましたが、総会に向けての準備は万全であることを伝えました。

社長の挨拶と体調

社長は挨拶の中で、アレルギーによる声の枯れと、連日の睡眠不足について述べました。特に最近の忙しさについては、脳が興奮しているため夜中に目が覚めてしまうことや、その後の対策としてノートにアイデアを書き留めるなど、社長の熱心な姿勢が伺えました。

進行方法の説明

進行方法についても詳しく説明され、報告事項と決議事項の内容説明、事業戦略説明の後に質疑応答が行われることがアナウンスされました。インターネットを通じた議決権行使や質問の方法も説明され、インターネット参加者と会場参加者の双方がスムーズに参加できるよう配慮されていました。

3. 2023年度の事業報告

売上高と損失

2023年度のソフトバンクグループの売上高は前年度比2.8%増の676億円となりましたが、連結の投資損失は594億円、純損失は2276億円に達しました。中間配当は22円で、年間配当は一株あたり44000円を予定しています。

投資活動と配当

ソフトバンクビジョンファンドは、AIを活用した成長可能性の大きな企業への投資を継続しています。2023年度の投資利益は724億円で、大幅な改善が見られました。セグメント利益は3901億円となり、引き続きグローバルに変革をもたらす技術を持つ企業への投資を続ける予定です。

Armの業績と上場

Armはテクノロジー企業によるAI投資の増加やクラウド、自動車、IoT市場の拡大を背景に事業が順調に成長しました。2023年度の売上高は32億米ドルを計上し、米国ナスダックグローバルセレクトマーケットに上場しました。

Vision Fundの投資状況

ソフトバンクビジョンファンドは、Armを含む17銘柄の株式売却を実行し、合計220億円の資金を得ました。累計損益は、ソフトバンクビジョンファンド1が167億米ドルのプラス、ソフトバンクビジョンファンド2が193億米ドルのマイナスとなっています。

4. 未来への展望

AIと生成AIの進化

ソフトバンクグループは、AIと生成AIの進化において非常に積極的なアプローチをとっています。特に、次世代AI技術の開発と応用に注力しており、これにより事業の成長と新たなビジネスチャンスを創出しています。

1. AIの基盤技術としてのArm Armの技術は、ソフトバンクグループのAI戦略の中核を成しています。Armのチップは、高い電力効率と演算能力を持ち、多くのAI応用分野で利用されています。2023年度の売上高は32億米ドルに達し、米国ナスダックに上場したことでさらに注目を集めました。

2. 生成AIの進化 生成AI(Generative AI)は、ソフトバンクの技術戦略において重要な位置を占めています。生成AIは、テキスト、画像、音声などの生成において、人間の創造力を補完・拡張する技術です。これにより、新たなビジネスモデルやサービスの創出が期待されています。

3. AIデータセンターの構築 ソフトバンクは、日本国内最大級のAI計算基盤を北海道に構築する計画を進めています。この次世代AIデータセンターは、2026年度の開業を目指しており、高度なAI技術の研究開発および応用に大きな貢献をすることが期待されています。

4. AIを活用した新規事業 ソフトバンクは、AI技術を活用した新規事業にも積極的に取り組んでいます。具体的には、AIを用いた自動運転技術、スマートロボティクス、医療診断支援など、多岐にわたる分野での応用が進められています。これにより、社会の様々な課題解決に貢献しています。

5. AIガバナンスと倫理 AIの進化に伴い、AIガバナンスや倫理的課題への対応も重要視されています。ソフトバンクは、AI技術の開発と応用において倫理的なガイドラインを策定し、安全で信頼性の高いAI技術の提供を目指しています。これにより、AIの社会受容性を高め、持続可能な技術発展を支援しています。

ソフトバンクの使命

AIとASIの実現

ソフトバンクの使命は、「進化と増殖」を通じて、人類の未来に貢献することです。その中心には、AIとさらに進化したASI(Artificial Super Intelligence、人工超知能)の実現があります。

1. ASIのビジョン ASIは、人間の知能を遥かに超える知能を持つAI技術です。ソフトバンクは、ASIの実現を通じて、人類の知恵を1万倍に引き上げることを目指しています。これにより、社会の根本的な問題を解決し、新たな進化の時代を切り開くことが期待されています。

2. ASIの社会的影響 ASIが実現すると、全ての産業と社会の在り方が大きく変わることが予想されます。例えば、医療分野では、疾病の予防と治療が飛躍的に進歩し、生活の質が大幅に向上します。また、環境問題の解決や持続可能なエネルギーの開発など、地球規模の課題解決にも貢献します。

3. ソフトバンクの戦略 ソフトバンクは、ASIの実現に向けて、以下の戦略を展開しています。

  • 技術開発と投資: 最先端のAI技術の研究開発と、それを支えるインフラへの投資を続ける。

  • パートナーシップ: 他の技術企業や研究機関との連携を強化し、共同での技術開発を推進する。

  • 人材育成: 優秀なAI研究者やエンジニアを育成し、技術革新を支える体制を構築する。

  • 社会実装: AI技術の社会実装を進め、実際のビジネスや生活において価値を創出する。

5. 質疑応答

株主からの質問と回答

質疑応答では、株主からの多くの質問に対して社長が直接回答しました。特にAIの進化や投資戦略についての質問が多く、社長は具体的なビジョンと戦略を丁寧に説明しました。また、今後の事業展開や株主価値の向上についても意見を交わしました。

6. 総会のまとめと締めくくり

総会の最後に社長は、ソフトバンクの使命と未来へのビジョンを改めて強調しました。特に、AIの進化とそれがもたらす人類の進化についての熱い思いが伝わりました。総会は無事に閉会し、株主からの拍手で締めくくられました。

ソフトバンクグループは、これからもAIを中心とした技術革新を進め、人類の未来に貢献する企業として成長を続けることを目指しています。