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【寄稿】「第2回 くらしの十字路」を終えて

GWも終盤に差し掛かった5月5日。
アーティスト村山大明さんの主催する、アート ✖️ 農業体験イベント「くらしの十字路」が開催されました。
Dot.としても運営協力という形で関わらせていただきました。
ご参加いただいたみなさま、どうもありがとうございました。

今回は、そのイベントの実施レポートを主催である村山大明さんに寄稿いただきましたのでご紹介します。


【寄稿】「第2回 くらしの十字路」を終えて

テキスト:村山大明(アーティスト/くらしの十字路主催)

くらしの十字路

5/5に里山体験イベント、「くらしの十字路」を開催しました。
快晴の中、10名の参加者の方と1日かけて様々なプログラムを体験しました。内容を簡単なレポートにまとめました。

◇田植え体験

古代米の稲

午前中行った田植え体験では、赤・黒・緑・鈴の4色の古代米を手植えして頂きました。
慣れない田んぼの感触に足を取られたり中腰の体勢に体が悲鳴をあげつつも、1人の転倒者も出すことなく!笑。終えることができました。
まっすぐ植えるのは難しかったと思いますが、それぞれ個性的な植え方が秋の収穫まで残ると思うと思い出深いですね。

この日は快晴に恵まれました
無心に植えているとあっというまに時間が過ぎます

◇昼食

昼食では、スタッフが朝から作ってくれた、地域の伝統食の朴葉ごはんと豚汁をみんなで頂きました。
朴葉の香りがするご飯はとてもおいしく、自家製の梅干しときゅうり漬けと一緒にお腹いっぱい頂きました。

この地域の伝統食

◇よもぎ摘み・よもぎ団子づくり

午後からは選択制のワークショップ。
よもぎ班は、まずは田んぼのあぜ道によもぎ摘みに。20分ほどでたっぷり摘めたようです。
その後はぼくの母を講師に、アク抜き・すり潰しをして団子粉と混ぜて生地をつくり、これまた自家製の餡子と混ぜて丸めて頂きました。どの工程もすばらしいチームワークでどんどんと進んだことと、摘みたてのよもぎを混ぜた生地の嘘のように鮮やかな緑色が驚きでした。

◇お茶摘み・お茶揉み体験

お茶班は、山肌に自生するお茶の木の新芽を摘み取りに。
やわらかい新芽をかじってみると、しっかりとした渋みがありました。
こちらはぼくの祖母を講師に迎え、40分ほどみんなで摘み取った茶葉を鍋で炒ります。
素手で鍋の中に手を入れる祖母の皮の厚さとお茶のいい香りにみなさん感心されていました。お茶揉みではみなさん少しずつコツを掴まれて、良いちぢれ方のお茶が出来上がりました。手についたお茶の香りもいい思い出になったと思います。

おばあちゃんに教わって茶揉みも体験

◇新茶・よもぎ団子の試食

できあがったお茶とよもぎ団子をみんなで食べました。
試食といっても、団子は大きめのものを2つ。
どれもとてもおいしく、春を感じるほのかな苦味を感じつつ、朝からの運動に甘みが沁み渡りました。

今回のイベントの様子は地元テレビや京都新聞さまにも取材していただきました

◇カカシアート

最後はみんなで田んぼを見守るカカシアートの制作。

事前に用意したカカシのキャンバス

事前にぼくが木の枝と藁で制作したカカシに、筆や葉っぱを使ってペイントして頂きました。

自由に描いてください!というのに戸惑う方もおられる一方、大胆な筆使いをされる方もおられて徐々にカラフルな体に。
普段から絵を描いているアーティストたちが仕上げてくれました。

アーティストたちが最後の仕上げ
収穫まで田んぼを見守ってくれます

◇イベントを終えて

前回に続き、今回も関西はもちろん関東や東海などから参加して下さった方もおられました。また昔からの知人など、ひさしぶりにお会いできた方もおられます。
京都市内からでも電車で1時間、さらにバスで30分もかかるとてもアクセスの悪いこの地域に、わざわざ足を運んで下さることが本当に嬉しく思います。
イベント自体はまだまだ未熟で、至らない点も多くあったと思いますが、もっと参加者の人に楽しんでもらえたり、ゆったりとこの自然の中の空気を感じてもらえるにはどうすればいいか模索段階ですが、これらはイベント続けていく中で、しっかりブラッシュアップできれば思っています。
それから、イベントを通じて地方の持つポテンシャルや、それを求めている人は確実におられることを強く感じます。
生きていく根本的な知恵や技術とそれによって伝わってきた文化。このイベントはそんな体験ができる入口として、普段それに触れることが少なくなった人とそれを当たり前に持っている人が繋がることを目的としています。

地域に住んでいで、歳がいって自分にはもう何もできないとおっしゃるおじいちゃんおばあちゃんの声もよく聞きますが、そうじゃない!とんでもない知恵と技術を持っているって思います。そしてそれに興味があって求めている人もたくさんいる。
そんなみんなが本来持っていたはずの生きるために何かをつくること。その中には現在にアートと呼ばれるものも含まれると思います。
狩猟と採集でその日食べるものだけで生活していた縄文人は土器を装飾し、アマゾンの原住民の人たちは今も昔も装飾の首飾りをつくっています。
生活と芸術はもともと遠いものではなく、とても近しいもの。

都市と地方、芸術と生活、人と自然。それらがクロスするイベントとして「くらしの十字路」というタイトルとしています。
まだまだ小さなイベントですが、これから少しずつ成長させていければと思います。
次は秋頃開催かな?
みなさまの参加をお待ちしています。

心地よい疲れと爽快感

「くらしの十字路」実行委員会


主催:村山大明\アーティスト( @tomoaki_art )

プロフィール

1989年 京都府南丹市生まれ。
幼少の頃より山村で育つ中で自然に興味を持ち、農業学校卒業後農業を行う。
その後、創造社デザイン専門学校卒業、デザイン会社勤務を経て、画家としての活動を開始。
「絵を描くことは、動植物の観察の延長である」と捉え、モチーフを細部まで一本のペンで緻密に描き上げる。平面・立体作品のなかであらゆる境界線を超え自由に生きる動植物は、「自然との調和」というコンセプトを表現。
作品は平面でのドローイングのほか、立体造形に描く「3-Draw series」、平面と立体を組み合わせたインスタレーション、壁画制作などを展開。個展・芸術祭出展のほか、企業依頼による壁画制作やディスプレイなどの空間装飾など幅広く活動している。

就労や活動の中で都会の生活に触れる中で、田舎に根付いた"くらしの当たり前"の魅力を対比的に認識。アート活動の原点である地元・南丹市に根付く魅力の再発見と発信のため、本企画を企画している。

公式Web

https://tomoakiart.wixsite.com/tomoakiart

Instagram

https://www.instagram.com/tomoaki_art

運営

PR・広報 合同会社am @kanonmatsui
企画・運営 株式会社io @hana_yoshizawa
運営協力 株式会社Dot. @dot.inc.biz

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