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母の後ろ姿は見せられたのか?


今日は体も気持ちも疲弊した一日だった。

とりあえずの家事を終えて
夜もいつもより早く寝室に行ってゴロゴロしていると
お嬢がやってきて

「たまには腰でも押そうか?」

と言ってくれたので

「わー!いいのー?
お疲れのところすみませんねぇ。
よろしくお願いします。」

と今までゴロゴロしてたのに
そそくさとうつぶせ大の字でお願いする。

あぁ~、極楽。極楽。

お嬢はマッサージがとても上手い。
強すぎず、弱すぎず、絶妙な力加減。
そして私がやってほしいところをよく知っていて
ピンポイントでツボに入るのだ。

例の病が流行してタブレットを
学校に持って行くようになってから
元々重かったランドセルがますます重くなって
彼女はしょっちゅう肩が凝った!と言うので
私の肩も交代で揉むことを条件に
彼女の肩を揉んであげていたら
いつの間にか上手になった。

一通りマッサージしてもらって

「ありがとう。気持ちよかった!お嬢は肩もみやさんになれるよ。」

と感謝の念を伝えると

「え?私は公務員になるけど。」

と言う。

「あれ?そうなの?」
「うん。安定した職業に就いてママを楽させてあげたいから。」

さも当たり前でしょ、という顔で言う。

じーんとして

「ありがとう。楽しみにしてる。」

と言うと

「小学校の先生になろうかな。ママみたいに教える仕事に就きたい。」

とつぶやく。

ああ、また一つ、今の仕事をしていてよかったと思うことができた。

私は小学校の先生ではないけれど、
少しは私の働く後ろ姿を見せられたのかな。

「うん、いいね!
私はもうなれないけど
小学校の先生って憧れるな。
夢をお嬢が叶えてくれるなら最高だよ。」

もしかしたら途中でその夢は変わるかもしれない。
でも今、お嬢がそう思ってくれたことが嬉しかった。

パパ、あなたの娘は優しい子に成長しているよ。
どうやらここまでの子育ては間違ってないみたい。

「じゃあ、勉強してくるね!あ、それと私アイスが食べたい。」

ちゃっかりマッサージをした報酬を
会話の中にまぎれこませて行くお嬢。
さすが末っ子。

「わかった。買っておくね。」

たまには高級なアイスを買ってあげるとするか。

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