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『営繕かるかや怪異譚 その弐』読後感想

あらすじ

「芙蓉忌」

「壁の向こう」の芸妓の女に入れ込むが、その女はこの世の者ではなくて──という話。タイトルの通り、本編中に芙蓉の花の描写が何度か出てきます。

 わたしは小野不由美先生のファンすぎる全肯定オタクですが、その中でも自然物の描写と「そこにいる」モノの描写が大好きです。

 動植物への造詣が浅いので、いちいち検索しながら読み進めていくことが多いのですが、芙蓉の花の画像一覧をズラッ

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『宝石商リチャード氏の謎鑑定 少年と螺鈿箪笥』読後感想

あらすじ

内容の感想

 みのるくん(初登場の子)メインのお話。もっと二人を見てたかったな〜っていう正直な感想はあれど、好きな話でした。

 第二部で、正義がリチャードの秘書になって武者修行みたいな暮らし方をしていた時点で、リチャードの後ろを正義がぴったりくっついていくような関係ではもうなくなったんだな、と分かってはいたのですが。
 それでも君たちはお互いが見えなくなるほど近づきすぎて、たまにハ

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『不審者』読後感想

あらすじ

内容の感想

 よく読むタイプの(最後に視点がすべてひっくり返る感じの)ミステリーでした。
 思い込みが激しい人間の一人称視点小説、何度読んでも騙される。ここまでくると自分が素直なのかもしれない。
 書いてあることが全て真実だとは思ってないんだけど、一人称で書かれた内容は「一人称視点の本人にとっては」事実だと思って読み進めてしまうので、本人に錯乱されてるとお手上げです、気付けない。

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『後宮の烏 1』読後感想

あらすじ

内容の感想

 気になっていたけど読んでいなかった『後宮の烏』シリーズに手をつけました。先日、「完結したけど読み終わった?」と当然のように聞かれたものの読んだことがなかった中華風ファンタジーです。
 十二国記がバイブルだと公言しているので、中華風ファンタジーは全部読んでるものだと思われています。(彩雲国も、烏はうまく……も完結待ちで読んでないです)

 1巻を読んだ感想は、「あらすじに

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