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算命学余話 #G109 「大金が仇となる」

 世間では野球界の綺羅星、大谷翔平選手の通訳による大規模窃盗事件が不思議な空気をまといながら報じられています。日本人全般の大谷選手への愛情が巨大なせいか、通訳に対する非難も遠慮気味であるように感じます。窃盗の被害額が膨大であるにもかかわらず、盗まれた大谷選手の懐事情はさして困っていないだろうし、物理的に誰かを傷つけたわけでもないし、どこかの元社長や元議員のように海外へ飛んで罪を逃れようと姑息なまねをしたわけでもない。そもそも通訳氏はあまり悪人に見えない風貌だし、ギャンブル依存のイメージからも遠い。その人柄の素朴さから彼個人のファンさえいたくらいです。彼については、どこかのタレントのような性的堕落や豪遊、横暴な態度等も報告されておりません。
 つまり日本人の多くは、今でも彼を何となく好きなようです。どうしても憎めず、事件が何かの間違いであったと思いたい。彼自身がブックメーカーにカモにされた被害者であった方が、まだしっくりくる。裏切られた大谷選手の心の傷だってその方が和らぐだろう。そんな思いや願望が、彼への非難をマイルドなものにしているのではないでしょうか。

 事件の真相については、米国のしかるべき機関が捜査解明してくれるのを待つしかありません。しかしそれに先んじて、彼の内面を宿命から推し量ることはできます。というわけで今回の余話は、事件の渦中にある通訳氏の命式を模擬鑑定してみます。勿論、メインは果たして本当にギャンブル依存症であるのか、我欲は強くなさそうに見えるが本当のところはどうなのか、に焦点を当てます。
 なおギャンブル依存を暗示する命式については『算命学余話 #U73「ギャンブル依存を考える」』で論じているので、そちらも参照下さい。

 『算命学余話 #U73』に掲げたように、ギャンブル依存に陥りやすい命式としては「曲財局」があり、これは人体図における横線の木剋土が現象を引き起こします。次いで、横線ではなく縦線の木剋土の形をとる「破財局」もまた、お金の使い方に問題を起こす星並びですが、曲財局に比べて現象は弱いとされています。報道で「ギャンブル依存」と聞いた時、私は真っ先にこの二つの局法のどちらかに該当するのではないかと目星を付けましたが、予想に反してどちらにも該当しませんでした。では一体何が彼を事件へと導いたのでしょうか。彼は本当にギャンブル依存症なのでしょうか。宿命を見てみましょう。

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