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算命学余話 #U11「気の流れと後天運」/バックナンバー

 東洋思想といえば「気」です。東アジア文化圏では何の無理もなく周知されているこの概念は英語などの西洋言語に翻訳することが難しく、説明してもなかなか判ってもらえません。私は米国人に合気道を指導した経験があるのですが、英語では「気を出す」をextend kiと表現してなんとか済ませていました。合気道は海外に普及して久しい武道ですが、腕力ではなく気で投げるこの格闘技を果たして何割の外国人愛好者が正しく行なっているか疑問です。

 ところで「気」を概念として発見した古代中国では、時代を超えて生まれた様々な思想にこの「気」を採り入れています。算命学も例外ではなく、進気や退気、旺気、洩気、気図など用語にも散見できますが、前回までの「余話」に関して言えば、例えば回転法で星を回した場合に生じる流れとは、即ち「気の流れ」のことです。
 それを運勢と呼んでもよいのですが、宇宙の構造まで論じている算命学にとって物の対流というのは非常に重要で、青い水の惑星である地球の表面を大気と水分が絶えず対流しているように、惑星が恒星の周りを回っているように、銀河と銀河が互いの引力に引かれ合い、或いは反発し合って常に動いているように、この世の事象は常に対流して動いているのが自然だという考えに基づいて論が構築されているのです。

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