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算命学余話マガジン #U81~U90

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中国古代占星術、算命学を学ぶ人のための一考察として執筆中の短編読本です。算命学の基礎は学習済みだけれどもその先を知りたい、という中級者・上級者を対象に綴っています。技術的な話が半…
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2024年7月の記事一覧

『算命学余話』U番号目録

(※この目録をマガジン未購入でも無料で閲覧可能にするため、便宜上100円の有料記事とします。以下、記事全体を無料公開(いわゆる「試し読み」)部分に設定し、便宜上付け加えた最後の一行のみが有料部分にしてあります。この一行のためにわざわざ100円払うことなく、無料部分をお楽しみ下さい。)  『算命学余話』は、算命学を学ぶ人のための読み物です。入門レベルから進んで中級以上の鑑定技術を知りたい方や、算命学の理念について理解を深めたい方、或いは算命学にはさほど興味がないけれど人生につ

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算命学余話 #U90「陰極まって陽となる」/バックナンバー

「人権は宗教である」というのは佐藤優氏の言葉です。この言葉が佐藤氏のオリジナルなのか誰か先人の言葉なのかはともかく、今日我々が近代社会と呼んでいる社会の常識として通用している人権や平等、民主主義や博愛主義といった概念は、せいぜいフランス革命以降に広まった二百年余りの歴史しかなく、人類全体の歴史に比べれば取るに足らない長さです。  これに対して数千年あるいはそれ以上の歴史を生き続けた人間生活の普遍的価値基準には、男女の結婚があり、性別差があり、宗教があり、ごく自然な老いや死があ

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算命学余話 #U89「男女の結婚と同性愛」/バックナンバー

 マサイ族の男性に嫁いだある日本人女性の話によれば、村落共同体と牛の放牧が生活基盤であるマサイ族にとって、これらの維持存続が生存目的ともいうべきものになっており、我々が近代的な意味で常識とする生活習慣や個人の自由、婚姻制度等は単なる外国の習慣として認識されこそすれ、取り入れられる気配はない。明治維新の頃の日本が必死になって欧化政策をすすめ自国民の生活習慣まで変えたのとは対照的に、マサイは他文化に合わせるということをせず我が道を行き、現代に至っている。それでも携帯電話は普及して

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算命学余話 #U88「動物占いと人体図」/バックナンバー

 ひと昔前に流行った動物占いは、自分自身の性格分析と合わせても大変納得できたので、かわいいイラストも含めて楽しく賛同してきましたが、動物占いは十二支や五行説を元に作られているというので、いずれ算命学との関連性も調べなければと思っておりました。最近では動物占いも進化して、さまざまなサイトが独自の解釈や分類方法を提示し、分類は細分化の方向へ進んでいるようですが、数件試したところ、意外というか、粗い分類だったはずの昔の12動物診断の方が当たっているなという印象を受けました。細かくし

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算命学余話 #U87「火母に従う」/バックナンバー

 前回の余話では複合原因からガンに結実されるまでの過程の一例を見てみました。複合原因については何も病気だけでなく、あらゆる事象について同様のことが云え、鑑定に際しては1つくらいの要素があっただけでは早計に結論を下さず、その要素を後押しする別の要素が組み合わさっているかどうか、後天運を含め多角的に判断していきます。  要素の組合せにしても、同じテーマで相反する命式というのがよくあります。例えば一般に牽牛星は貞操観念が強く、多情や不倫を嫌う性質であるとされていますが、もし同時に陰

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算命学余話 #U86「ガン体質と複合原因」/バックナンバー

 少子化の進む昨今の出産現場はほぼ100%が病院出産であり、帝王切開など分娩誘発の技術も進んで出産日をある程度操作できるようになっています。算命学の観点から出産日つまり誕生日を操作することの賛否を尋ねられることがありますが、まだ生まれてもいない人間について算命学は何も論じません。たった1日ちがうだけでも命式は大きく異なってくるので、どうせ操作できるなら1日ずらして少しでもいい命式を、と望む発想も判らないではないですが、まあナンセンスなアイデアです。命式が良くても生き方がまずけ

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算命学余話 #U85「矛盾のからくり」/バックナンバー

 惑星科学者、松井孝典教授の視点が興味深いので引き続き取り上げます。物事の本質から離れない松井教授の思考を通して書かれた著書は、どれを読んでも同じ内容と同じ結論に帰結するのでいずれの著書から入っても構いませんが、『コトの本質』に続いて『宇宙人としての生き方』を読んだ私が算命学の立場から大変参考になると痛感するのは、宇宙の始まりとされるビッグバンから現在に至る宇宙と地球と生命の辿った道が同一線上にあることであり、人類が誕生する遥か昔から続くその法則性つまり本質にあっては、宇宙に

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算命学余話 #U84玄「矛盾と向き合う」/バックナンバー

 前回の余話で採り上げた内田樹氏の「頭にキック」説は、岩田健太郎という若手医師の対談集『医療につける薬』に収められています。もう一人、鷲田清一という倫理学者を交えた鼎談になっている章もありますが、三者の共通点は現代社会の慣例に対する疑問、硬直しがちな社会通念に対する鋭いツッコミという視点であり、奇しくも前回挙げた龍高星の持ち味を体現したような人たちの対話なので、算命学学習者で龍高星がよく判らない人には参考になるかと思います。  例えば医療に関してこんな対話がありました。現在

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算命学余話 #U83「龍高星と頭にキック」/バックナンバー

 日本の政治家が「この道しかない」提案ばかりしています。国民をたった1つの方向へ誘導しようとする企みに、我々は不信の目を向ける習慣を持たなければなりません。最近耳にした識者の言によれば、以前当ブログでも懸念していた大阪の橋下市長による煽動手法に遂に大阪市民も不信の目を向け、大阪都構想の是非を問う投票を前に既に愛想を尽かしているとのこと。この風潮が投票直前の世論調査にも如実に現れ、このまま行けば大阪人の理性は「この道しかない」と短絡的に選択肢を狭める勢力に打ち勝つことになります

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算命学余話 #U82「初年運を考える」/バックナンバー

 松井孝典教授の『コトの本質』によれば、戦後教育の失敗の根源には「人間が生まれつき我(自我)を持っているという間違った前提」があるといいます。生まれたばかりの赤ん坊は五感を通じて初めて接する外界に興味を寄せますが、この段階ではまだ赤ん坊に自我はなく、外界としての他者(人、モノ、自然)があるだけです。しかしこの他者が赤ん坊に笑いかけたりちょっかい出したり、或いは無視したりと五感に訴えることで、赤ん坊は反応して驚いたり喜んだりします。これが学びの始まりであり、ここには既に自分と他

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算命学余話 #U81「癸は終焉を司る」/バックナンバー

 算命学の根幹である五行論は、木火土金水の五行の相互関係を基に論を展開しています。五行はこの世の空間を埋めているさまざまな自然物質を木火土金水の五要素に振り分けたことに始まり、木が燃えて炎となり、炎が燃え尽きて灰(土)が残り、灰が固まって岩石となり、岩石の間から水が湧き、水が樹木を育てる、という自然現象に則した循環思想を基礎に、自然の一部である人間がどのように生きればより自然な生き方となるかを示唆しています。  人間の指が五本であるように、あらゆるものを五という数に分類するの

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