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南方貨物線未成線跡 part3

南方貨物線は国鉄が愛知県内で東海道本線(大府 - 名古屋間)の複々線化や稲沢駅でのスイッチバック解消を目的として建設していた貨物支線です。
しかし、騒音公害訴訟問題や国鉄の財政難によって工事は中断され、2002年には完成していた高架の一部の解体が始まりました。
その結果建設費・解体費合わせて約650万人の福沢諭吉(650億円)を地獄送りにする羽目になりました。
そんな悲運な未成線の一部を探索していきます。
前回までの記事を見ていない方はぜひそちらもご覧ください。
周辺図はこちら(新幹線立体交差付近)


パート概要

part1:あおなみ線から地下鉄名港線の区間
part2:地下鉄名港線から名鉄常滑線の区間
part3:名鉄常滑線からJR東海道線笠寺駅の区間
part4:笠寺駅〜大高駅の区間(探索済み、6月3日投稿予定)
part5:大高駅〜大府駅の区間(共和駅で分割探索する可能性あり)
part?:あおなみ線近辺の未探索区間(2024年夏探索予定)

今回探索する部分を太字で記載しています。
投稿間隔が長いシリーズになりますが気長に待っていただけると嬉しいです。

前回の記事はこちら↓

前回の最後に探索した部分

国道247号線付近の詳細をここに執筆します。

前回の最後に探索した歩道橋から再開
名鉄常滑線方面の高架は斜めに切られているのが特徴的

この付近の高架橋は側面の鉄骨が剥き出しになっている
果たしてこの先には何が待っているのか?
本編ではさらに向こうへ足を踏み入れていく

本編

国道247号〜新幹線立体交差の区間

国道から1つ奥の部分
この付近は運送会社などの建物に再活用されている
ちなみにこの高架橋は先に進むにつれてどんどん低くなっていくので注目してみてほしい

その奥には高架を取り壊して新たにビルが建設された場所がある
上空から見たときは未成線の筋がはっきりと見える位置

東海通から笠寺駅方面に向かって撮った写真
こちらは建設会社の施設に転用されている

東海通から国道247号方面に向かって撮った写真
ここは理容店に転用されている
この建物かなり秘密基地っぽい構造になっていて建築関係の人は興味をそそられそう(ちょっと偏見)
ストリートビューのURLを共有するのでそちらを参照

東海通を横断して先に進む
この辺りから貨物線の筋が東海道新幹線から離れていってる
立体交差が近づいている証拠

ここで高架の高さが約トラック1台分下がっていることに気づいた人はどれだけいるのだろうか?

ここの建物は障害者支援施設に転用されている
よく見てみると曲線を描いているのが分かると思う

手前の方の建物は舗装施工請負業者※の建物
その奥はオフィスにそれぞれ転用されている
※超簡単に言うと舗装工事をする会社

この道を右に曲がって右上を見てみると…

なんと当時ものと思われる銘板が
拡大してみると…

こんな感じになる
一部読めない場所があるのは容赦してほしい…

御替地第4高架橋No.1
設計 岐阜工事局
施行 大日本土木株式会社
(中略)
着手 昭和44年(1969年)12月
しゅん功 昭和46年(1971年)3月

高架橋の銘板を一部省略して文字起こし

この写真をスマホでじっくり見てから先に進んでみる

低くない?
新幹線の高架の高さを10とすると、南方貨物線の高架は6くらいになっている
ちなみのこの後ろは新しい住宅地になっていて当時の遺構は全く残されていない

新幹線との立体交差部分に到着
これは国道247号線方面を向いて撮影した写真
高架は塗装会社の施設に転用されている

笠寺駅方面を向いた様子は次の区間で取り上げます。

新幹線立体交差部分〜山﨑川の区間

新幹線との立体交差部分から笠寺駅方面を向いて撮影した写真
一見建物の外装に見える水色の壁は高架橋のやつ
色を塗るだけで遺構を見つけにくくできるってマジか…

当時は何となくこれを撮っただけで遺構の存在に気づけなかった

ちなみに航空写真から見ると高架橋の存在をはっきり認識できる

国道247号線方面を向いて撮影
白く塗られてる部分が高架橋
少ししか見えないがやはり上の部分は塗装されてないようだ

木に隠れて見えにくいが黒い建物の辺りが高架があった場所
奥に高架があるけどこの写真だけではなかなか気づく人はいないと思う

ちなみにこの付近では12年前はもっと遺構が多かったがやはり時の流れによって消えつつあるようだ

再び国道247号線方面を向いて撮影
上を塗装する理由がないのはこの画像だけでわかると思う

さっき木の隙間から見えた高架橋
どのような再活用がされているのか?

これは資材置き場?
そして鉄道柵がある
この柵があるのは鉄道の沿線しかないので鉄道沿線ではない場所にあるのは結構レアな気がする

新しい家がある場所が未成線の跡
今となっては当時を知れる遺構は全く存在しない

白い家がある場所が未成線の跡
やはり遺構は全く残されていない
その先は山﨑川

これって一体?
山の中だと廃道の匂いがプンプンする奴だけど、これ12年前から通れないようだ
何のための道なんだ?

川の向こうは白く塗られた高架橋がある
とりあえずこっちへ向かうことに

と言いたいところですが何を血迷ったのかこの辺りで過剰に写真を残したため
それらの写真はおまけ枠で軽く書いておきます。

山﨑川〜JR東海道線笠寺駅の区間

山﨑川を渡った先にある高架
右端に見えるのは東海道本線
そろそろ探索のゴールも近づいてきた

ここから南方貨物線は高架から地上になる
これは橋台跡
笠寺駅までこれに沿って歩く

山崎川方面の様子
こちらにも橋を架けそうな土台がある

南方貨物線の橋台
周辺は雑草で覆われている

もう使われてないであろう線路が出現
この線路は南方貨物線とは関係なのでスルー

そして真横を向くと…

老朽化で鉄筋?が剥き出しになってる
何年放置しているかは分からないけどここまで老朽化するのか
JRの土地ではある(推定)けどここは全く管理されてないようだ

もうすぐで東海道新幹線と立体交差
この先が笠寺駅

南方貨物線もかなり高度を下げてきた
見た感じ地上部は雑草まみれっぽい

南方貨物線終端付近
レールだけ見せても分からないと思うので少し加工してみると…

水色がレール、オレンジ色の枠が南方貨物線用地の推定
左から3本目と4本目のレールが南方貨物線とつながってたであろう

笠寺駅構内の様子
歩道橋を渡り切ってついにゴール

次回予告の前に電車からの視点を見ておく
時系列が狂うけどその点は仕方ない…

山﨑川〜JR東海道線笠寺駅の区間の電車視点

笠寺駅の先端(その道の人はエキセンと呼ぶ)
この先が次回の場所

予想通り上は草まみれ
どんだけ放置したらこうなってしまうのか

あれこのセリフ前にも言ったような

多分これ人の身長より高いかも
これが廃道とかだったら地獄💦

ここの高架はバス会社の営業所に転用されている
電車からしか見えない視点もやはりあるようだ

山﨑川の上
ここからでは多分未成線の道筋や遺構は見えないであろう

探索位置が山﨑川に戻ったのでおまけ写真を貼り付けて最後にします。

おまけ 山崎川付近の写真

ここで思ったことが
「ここって撮り鉄できそうじゃね?」

ということで急遽次の列車が来るまで待機

新幹線高架橋
新幹線も笠寺駅前後で高度を下げる

来たのは貨物列車
写真何故かボケてるけどこれ本題じゃないから大目に見てほしい

「もし南方貨物線があったらここには3つの橋が見えてたんだろうな」
と思いながら山崎川を渡った一面

(2024年4月撮影)

次回予告

次回はこの先を探索していきます。
この先には廃線跡と未成線(南方貨物線)が混在するスポットがあります。
果たしてこの先には何が待っているのか?

終わりに

今回は南方貨物線の名鉄常滑線からJR東海道線笠寺駅までの区間を探索していきました。
10年前の様子と見比べていると遺構がかなり減っているのが驚きでした。
多分あと10年するとさらに遺構が減ると思うので遺構探しの際はなるべく早めに来ることをお勧めします。
パートを5つに分割するレベルに壮大で不運な鉄道路線を巡る旅はまだまだ続きます。
次回からは東海道線並走区間を電車も駆使して探索していきます。
part4に続く…

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