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南方貨物線未成線跡 part4

南方貨物線は国鉄が愛知県内で東海道本線(大府 - 名古屋間)の複々線化や稲沢駅でのスイッチバック解消を目的として建設していた貨物支線です。
しかし、騒音公害訴訟問題や国鉄の財政難によって工事は中断され、2002年には完成していた高架の一部の解体が始まりました。
その結果建設費・解体費合わせて約650万人の福沢諭吉(650億円)を地獄送りにする羽目になりました。
そんな悲運な未成線の一部を探索していきます。
前回までの記事を見ていない方はぜひそちらもご覧ください。
長い記事になってしまいましたが最後まで見てくれると嬉しいです。
周辺図は要所にそれぞれ「周辺図はこちら」と記載しています。


パート概要

part1:あおなみ線から地下鉄名港線の区間
part2:地下鉄名港線から名鉄常滑線の区間
part3:名鉄常滑線からJR東海道線笠寺駅の区間
part4:笠寺駅〜大高駅の区間
part5:大高駅〜大府駅の区間(探索済み)
part6:あおなみ線近辺の未探索区間(2024年夏探索予定)

今回探索する部分を太字で記載しています。
投稿間隔が長いシリーズになりますが気長に待っていただけると嬉しいです。

前回の記事はこちら↓

前回探索した部分

今回は使い回し画像ではなく完全な続報として機能しています。
反射で電車の青い座席が写っていますが手の施しようがないのでご容赦ください…

南方貨物線が高架から地上になる部分
電車から見える範囲では雑草に覆われていて橋台を見つけにくい

そろそろ新幹線と立体交差する部分に入る
前回「南方貨物線もかなり高度を下げてきた」とコメントした部分の近く

レールの無い部分が南方貨物線の用地と見られる
ここは前回写せなかった部分

南方貨物線の用地が消えていく
この先の笠寺駅構内は無数のレールがあるだけで特に変わったところはない
(2024年6月撮影)

今回は笠寺駅より南を進んでいきます。

前編

笠寺駅〜愛知県道36号線の区間

前回の次回予告で貼り付けた写真
レールだけ見せても分からないと思うので南方貨物線用地に丸をつけてみる

ここがその用地
廃線跡と南方貨物線用地は似たような位置にある
電車に乗って撮った写真もあるがそれはまた後編で

余談だが写真に写っているレールを新幹線を除いて左から見ていくと
東海道本線4本、貨物線3本、名古屋臨海鉄道の線路が1本

(ここだけ2024年4月撮影)

名古屋臨海鉄道の高架を潜ると弦月宝生線に出てくる
この写真はそんな名古屋市道弦月宝生線から撮影
それ以前の区間は道がなく撮影が困難だったため一気にここへ飛ぶことに

周辺図はこちら

貨物線側の様子
南方貨物線とそこまで関係ないから説明は省略

本線側の様子
こちらも特に変わった様子なし
あまりにも味気なさすぎるので電車も併せて撮ってみた

さっきの場所から約370メートル南に進んだ市道で撮影
新幹線橋の手前側の変な構造物が見えるがあれは一体?

周辺図はこちら

特に意味は無さそうだけど橋台の遺構っぽく見える?
ただ当時の航空写真でここが橋だったという形跡は無かったから偶然こういう形で作られたと考えて良さそう

ここには2つのネタが同時に写っている
奥から引き込み線の廃線跡、南方貨物線未成線、東海道本線となっている

廃線跡を横から見た様子
見た感じ上にかなり物が乗っている
航空写真から見るとレール自体は残っているが完璧に物置のような感じ
周辺図(航空写真にして見ると分かるはず)

ただここから南方貨物線を見ることができないのは残念

ここからなんと440メートルほど撮影不可・困難ゾーンが続くため、一気に県道にワープします。

愛知県道36号線〜天白川の区間

さっきの場所から約460メートル南に進んだ愛知県道で撮影
この460メートルの間で再び南方貨物線は高度を上げていき、県道ではアンダーパスが不要になる高さまで上昇

周辺図はこちら

大高駅方面を向いて撮影
一直線の壁が永遠と続いているように見える

さっきの写真から400メートルほど南に進んだ場所で撮影
細切れで撮っても何も言うことがないので大幅カット

周辺図はこちら

名古屋市道鳴尾線に出た部分
今まで西側の道路で撮っていたが、今回は東側の道路から西を向いて撮影
奥から東海道本線(南方貨物線用地)、東海道本線跡、東海道新幹線の順に並んでいる
天白川に架かる橋を掛け替える際に真ん中の線は使われなくなった模様

周辺図はこちら

名古屋市道鳴尾線から2本南の道で撮影
奥から東海道本線(南方貨物線用地)、東海道本線跡の順に並んでいる
これを見てると地上の様子が気になるがそれは後編で探索

天白川に到着
横から見るよりも上から見たほうが分かりやすいかもしれない

周辺図はこちら

なんか味気ない結果になってしまったので気を取り直して橋を渡る

天白川〜大高駅の区間

東海道本線の橋梁を写した様子
2本の川の上に2つの鉄道橋(東海道本線・東海道新幹線)が架かっている
左が天白川、右が扇川

撮影位置はここ

東海道本線の橋梁が架かっている場所は本来は南方貨物線の用地だった

川を渡って愛知県道59号線にやってきた
架線を見た感じ、線路4本の複々線でも大丈夫そうな設備になっている

周辺図はこちら

明らかに危なそうな場所
とんでもない量の落書きが壁に描かれてる
一度落書きを撮ろうと思ったけど流石にこれだけで勘弁してほしい

そんな危なそうな場所を抜けるとここに来る
コンクリート壁の圧迫感を少し感じた

さっきの場所から240メートル離れた場所、大高駅付近から撮影
駅が近いためかコンクリート壁ではなく自転車駐輪場になっている

大高駅正面
下から見るとあまり南方貨物線の存在を感じにくかった

次は大高駅に入って横からの視点を見てみる

大高駅にはこのように謎の用地がある
画像では右側にある
これが南方貨物線が通る予定だった場所

大高駅から笠寺駅方面を向いて撮影した様子
昔は直線だった線路は橋の架け替えの際に南方貨物線用地に移った
その時の廃線跡?が未だに残されているので、後編ではそれも見ていくことにする

(2024年5月撮影)

後編

笠寺駅〜名古屋市道鳴尾線の区間(電車内視点)

笠寺駅から250メートル離れた地点の様子
この付近はまだ笠寺駅構内である
大高駅方面を向いて撮影

笠寺駅から600メートル離れた地点の様子
この付近から使われてないレールが出始めてきた
ここだと引き込み線跡と南方貨物線用地が入り混じっている

笠寺駅から750メートル離れた地点の様子
この辺りからレールから消える
見えている範囲では引き込み線跡は見えないが、航空写真を見た感じまだ続いている模様

笠寺駅から930メートル離れた地点の様子
土台付近は草が生い茂っているが、線路に近い部分はコンクリートの面が見える

笠寺駅から1460メートル離れた地点の様子
愛知県道36号線との交差地点
交差部分には草が全く生えておらず、それ以外は多少草が生えている
このような差が両者の間に出ているのが分かる

笠寺駅から1880メートル離れた地点の様子
この辺りから東海道本線の線路が南方貨物線の用地に迫ってくる
それと同時並行で東側にも変化が現れてくるので、次からはそこを中心に見ていく

この写真からは笠寺駅方面を向いて撮影
この線路は東海道本線の線形変更に伴う廃線跡と思われる

向きが反対なのは時系列が異なるためです。

笠寺駅から2100メートル離れた地点の様子
いつの間にか線路が2本になってた
この線路は今後どうなってしまうのか…

名古屋市道鳴尾線付近に到達
パッと見複々線(線路4本)区間のようにも見えるが、実際は奥2つの線路はどこにも繋がっていない

名古屋市道鳴尾線〜大高駅の区間(電車内視点)

笠寺駅から2270メートル離れた地点の様子
笠寺駅方面を向いて撮影
線路が4本並んでいる状態が続く
ここは前回の最後とあまり変わらない

笠寺駅から約2.3〜2.4キロメートル離れた地点の様子
天白川が近づいてきたところで枯れた雑草がひどくなってきた
ここは除草剤だけ撒いたきり手付かずだろうか?

笠寺駅から2480メートル離れた天白川右岸の様子
橋台を含めて遺構が何も残っていないので特に話すことはない
なお天白川付近に限り現在の東海道本線の位置は南方貨物線が通るはずだった場所

笠寺駅から2650メートル離れた天白川左岸の様子
右端にわずかにレールが見えるがほとんど雑草しかない

笠寺駅から2740メートル離れた場所の様子
ここも枯れた雑草がひどい
同じく除草剤だけ撒いたきり手付かずなのだろうか?

笠寺駅から2900メートル離れた場所の様子
旧線は現在の線路に近づいていき次第に消えていく

笠寺駅から3100メートル離れた場所、大高駅に到着
前編の最後の場所に繋がった所でpart4は終了

(2024年6月撮影)

次回予告

大高駅南

次回は大高駅のさらに南へ進む
果たしてどんな感じで用地が残っているのか?

共和駅北

共和駅北の様子
この写真を見た感じ何もなさそうだが果たして?

終わりに

パートを6つ以上に分割するレベルに壮大で不運な鉄道路線を巡る旅はまだまだ続きます。
今回の探索で現地から見るよりも電車内から見た方が収穫が大きい事が判明したため、次回は電車内からの観察だけになります。
次回は一気に大府駅まで行くので続編更新時は是非ご覧ください。
part5に続く…

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