南方貨物線未成線跡 part5
南方貨物線は国鉄が愛知県内で東海道本線(大府 - 名古屋間)の複々線化や稲沢駅でのスイッチバック解消を目的として建設していた貨物支線です。
しかし、騒音公害訴訟問題や国鉄の財政難によって工事は中断され、2002年には完成していた高架の一部の解体が始まりました。
その結果建設費・解体費合わせて約650万人の渋沢栄一(650億円)を地獄送りにする羽目になりました。
そんな悲運な未成線の一部を探索していきます。
前回までの記事を見ていない方はぜひそちらもご覧ください。
今回は探索範囲が非常に広いため周辺地図のURLはそれぞれ画像のALTに記載しています。
長い記事ですが最後まで見てくれると嬉しいです。
パート概要
part1:あおなみ線から地下鉄名港線の区間
part2:地下鉄名港線から名鉄常滑線の区間
part3:名鉄常滑線からJR東海道線笠寺駅の区間
part4:笠寺駅〜大高駅の区間
part5:大高駅〜大府駅の区間
part6:あおなみ線近辺の未探索区間(2024年9月探索予定)
今回探索する部分を太字で記載しています。
投稿間隔が長いシリーズになりますが気長に待っていただけると嬉しいです。
前回の記事はこちら↓
※概要は2024年8月下旬更新
前回探索した部分
大高駅の北側
線路のないスペースが南方貨物線の用地
この記事を作る用の探索をする1ヶ月前に撮影した大高駅
ここでも南方貨物線の用地がはっきりと分かる
前置きはこの辺りにして、大高駅の南側を車窓から一気に見ていきます。
本編
大高駅〜南大高駅の区間
大高駅の南側
下り線の線路がだんだんこちらに近づいてくる部分
大高駅から約420m南側
線路敷設と電化が出来そうな状態で放置されている
土地がもったいないとしか言えない
大高駅から約820m南側
線路が敷かれそうな場所だけコンクリートの色が違う
余談だがこの付近には数年前まで未成道だった場所がある(探索予定は今のところなし)
大高駅から約1.4km南側
南大高駅が近づいても1つ前の写真と変わらない状態
ここの架線柱は複々線を前提にした設計のままで残されている
大高駅から約1.5km南側
架線が複々線対応ではなくなったと同時に南大高駅が近づいてきた
南大高駅に到着(実際は通過)
駅付近だと南方貨物線の用地がほぼ消えている
南大高駅〜共和駅の区間
南大高駅の南側
未成線の用地が少しづつ顔を出してきた
この写真に写っているのはイオンモール大高
南大高駅から約430m南側
ここだけ何故か用地が削られている
側道の転回用?それとも未成線用地に関係車両を進入させるためのやつ?
高架は名古屋第二環状自動車道(名二環)のもの
南大高駅から約700m南側
一部が草木に覆われている
木の裏側には水主ヶ池やボウリング場がある
南大高駅から約820m南側
南方貨物線の用地に自動車がある
2つ前の写真の場所、もしくはこの先の入れるスペースから入れている可能性がある
分かりにくいが少し写っている高架は伊勢湾岸自動車道のもの
この辺りで名古屋市と大府市の境目がある
南大高駅から約1.3km南側
ここからは大府市内になる
未成線の用地を挟んで向こう側には豊田自動織機の共和工場がある
南大高駅から約1.8km南側
共和駅が近づいてきた
このタイミングで例のごとく用地は視界から消えていく
共和駅に到着
用地はホームと側線に潰されている
と当時は思っていたのだが、奥に用地自体は存在している
単線分の用地が見えないところに存在している
共和駅〜大府駅の区間
共和駅の南側
奥にこっそりと存在していた用地が駅を離れれば離れるほど見えてくる
何故南大高駅と共和駅で土地の残り具合に差があるのかを簡単にいうと、南方貨物線計画中止後に南大高駅ができたのが理由
共和駅から約820m南側
南方貨物線の用地に役目を終えた架線柱が並んでいる
資材置き場として活用している模様
共和駅から約1.4km南側
この付近にはテレビでも紹介された経歴もある謎のロータリーが存在する
いずれは新駅を建てるつもりらしいが、15年経った今でも進捗はほとんどない状態
仮に駅が建つとなると南方貨物線の用地がどう変わるのか見ものである
謎のロータリー(仮称:新大府駅)に関しては2024年10月辺りに探索予定
共和駅から約1.9km南側
手前の車が止まっている部分が南方貨物線の用地
踏切部分だけ使用されている土地で使われているのも当たり前だが面白い
共和駅から約2.1km南側
ショッピングモール裏にある南方貨物線用地
大府駅構内が近づいてきたため用地内にレールが出現
共和駅から約2.3km南側
レールを剥がされた線路が謎にある
枕木ごと撤去するのはコストが高かったのだろう
共和駅から約2.8km南側(正確には南南東)
まもなく大府駅に到着
南方貨物線の最終端では貨物線が非常に多く並んでいた
今年2月から始めた南方貨物線の全ての探索を終えて非常に感慨深いものがある
これで長きに渡った未成線の探索は終了
(2024年6月撮影)
次回予告
当時南方貨物線の全ての探索を終えたと思いきや、どうやらpart1の序盤の方で見落としがあったことが後に判明…
実はこの時点で全てを間違えていたというオチでpart6(延長戦)を迎えるという展開になってしまった
果たしてここの左側には何があるのか?
まだまだ終わらない南方貨物線の探索、果たして何が待っているのか?
さらにpart6では航空写真によって南方貨物線の全体が明らかになる
part6に続く…
終わりに
今回は南方貨物線の東海道線大高駅から大府駅までの区間を探索していきました。
今回でついにほとんどの探索を終えることができました。
次回は振り出しに戻ってまだ探索できていない区間を探索してこの長編を終わりにしようと思います。
また、年末には南方貨物線の探索を全てまとめた特大記事を作る予定がありますが、更新するかどうかは決まっていないためあまり期待はしないでください。
続編の記事も見てくれると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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