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今日もあと54分で終わる

  新型コロナウィルスの影響で仕事も休みになり、娘の保育園も休園し、約2年ぶりの長い休みを謳歌している。
 私はもともと子どもを産んでから仕事に復帰するのも嫌だったし、できることなら働かずに娘と遊んで、お昼ごはんを食べて、3時間くらい昼寝をして、起きたらまた夜ご飯を食べて、テレビを見て、旦那が帰ってきたらお酒を嗜みながら今日の出来事を話しまた寝るという生活をしたかった。
 だからステイホーム週間だの自粛すれと言われれば「はい、喜んで!」と家にいる。

 そんな私だが、子供が生まれてから、好きだった本を読むことからすっかり離れてしまい(毎日の育児と仕事の両立でうまく時間が作れなかったのだ)これを機に本を読む時間を作ることにした。
 なんだか暗いニュースばかりだったので、軽く読めるような、ふふっと笑えるような、口当たりの良い本…そうだ、エッセイにしよう。とは言っても収納問題故に図書館で借りて読むことが多い私は困った。本はあるがミステリー小説が多い。悩んだ挙句、小学生の頃図書館で出会って、お腹を抱えるほど笑ったさくらももこさんの本を思い出し、あの頃はまだなかった文庫版を手に取った。

 面白い。20年越しに読んでも笑った。

 ただ、あの頃と少し違うのは社会に出て理不尽さを知り、結婚して家族ができ、子どもを持ち生命の尊さを知ったことだろうか。面白い中にそれぞれの登場人物の気持ちや皮肉が見えるのだ。
 10歳の頃なんてなにも考えず空っぽのまま読んでいた。それで良かった。それが良かったのに。どうして歳なんてとって余計なことを考えてしまうんだろう。くそ、大人ぶりやがって!と読み終えて布団にもぐりこんだ。
 そんなとき娘の寝顔を見てふと思った。私も書き残したいな。でもいつも三日坊主だし続くかわからないけど。でも思ったこと、感じたことを、またたくさん経験する前にそのときの感情のままに書き記したい。

   百聞一件に如かず。
 
 そこから腰を上げるまでどれほどかかったか。いつもやろうと思ってからが遅い。心意気はあるのに。

 そして今日も残り17分。今に至る。つまりここまで37分も費やしたことになる。自分の文章を書く才能のなさに脱帽だ。

 これが私が文章を書き始めた理由である。
 おやすみなさい。 

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