新しい時代、美しさの価値観
今、周りの友達全員ハマってる、Netflixで配信中の韓国ドラマ「愛の不時着」。韓国ドラマを今まで見たことがなかった私もどっぷり沼に浸かっています……。
作品の素晴らしさはとにかくぜひ観ていただけたら!と思うのですが、ひとつだけ書き留めておきたいなと思うことが浮かんだので、書いてみます。
物語の後半、主人公のふたりがお酒を飲みながら話すシーンで、
北朝鮮の軍人の彼が、韓国の財閥令嬢で会社経営者の彼女にこんなことを言います。
「君に白髪が生えるのを。シワもできて年老いていくのを見たい。その時も綺麗だろうな」
それに対して彼女は
「当然よ。私はゆっくり年老いていくつもり。
それを見るんだったら本当に長い間私の横にいなきゃね」
と返します。
このシーンよりずっと前のシーンで、彼と許婚の彼女(主人公とは別の、北朝鮮のお金持ちの娘)が、彼の両親と彼女の母親と食事をする場面があり、
そのとき彼女の母親が、
「この子は今日が一番美しい。毎日どんどん歳をとって美しさが失われていくから、だから早く結婚しないと」
的なことを言います。
この母親のセリフがなんとなーく引っかかっていたのですが、後半の「年老いた美しい姿を見ていたい」というセリフに繋げるための伏線だったのか、と気づいたとき、
このドラマの奥行きのひとつを垣間見た気がしました。
日本も韓国も、世界中でずっと信じられていた、女は若ければ若いほうが美しいという価値観。
それに対するこのドラマが提示する新しい美しさの価値観が、
「君に白髪が生えるのを。シワもできて年老いていくのを見たい。
その時も綺麗だろうな」
このセリフに集約されている気がしました。
ドラマの話とは離れてしまいますが、少し前に、偶然つけたテレビで森高千里が「私がおばさんになっても」を歌っていて、
若いときとはまた違う(若い時の自分を全然引きずっていない)歳を重ねた美しさと、変わらない美脚でこの歌を歌う森高千里がすごくかっこ良かったことを思い出しました。
このドラマの主人公のふたりの実年齢も37歳と、ロマンティックコメディーというジャンルにしては(従来の感覚からしたら)だいぶ年齢が上なのかもしれませんが、この作品のクオリティーは、演技の確かなキャリアを積み重ねてきたふたりだからこそ生み出すことができたんだろうな、とも思いました。
女性の自立(強さ)と、男性の優しさ、そんな新しい時代の価値観を内に秘めた作品だからこそ、こんなにもみんなの心を掴んでいるのかな。
寝不足になること間違いなしですが、めちゃおすすめです!
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