余白について
新卒で入った出版社で、まだ文字通り駆け出しの編集者の頃、
私が出したレイアウト(誌面のデザインのことです)について、編集長からよく、
この余白は何?写真が小さすぎるからもっと大きくして!余白が気になる、写真増やすか文字増やせるでしょう?
と言われていた。
私はいつも、これは余白じゃなくて、意味のある白地なのに。谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」か原研哉の「デザインのデザイン」でも読んでくれ!
と、心の中で思いながらも、
渋々写真を大きくしたり物撮りの切抜きカットを足したりして、大事な余白を埋める修正をデザイナーさんにお願いしていた。
だけど今もやっぱりあの頃と変わっていなくて、余白というか白場を取るのが私は好きです。
そこに余裕とか、言い過ぎない粋な感じとか、風通しのよさとかを無意識のうちに感じているからかな。
先日挿絵を描かせてくださった韓国のカフェの本の著者の方が、韓国のカフェの余白が好き、とおっしゃっていて、私は韓国に行ったことはないけれど、すごく共感した。
そして、私のイラストの余白が多いところと韓国のカフェの余白をリンクさせてくださったそう。
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