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未経験からうんたら 〜私編〜

6年前、私は就活を終えた大学生で、講義中に『やりたいことリスト』と題して、頭の悪いリストをせっせとレジュメに書く21歳であった。

無事、就職をすることもなく在学中に結婚し(察して)、私は『新卒』ブランドを腐らせたまま28歳を迎え、今に至る。

結婚してから、働きたいという意欲はあった。

しかし、地方国立大に裏道も裏道のルートで入学し(裏金とかコネではない)、大学生として正しい堕落の道を進んだ私には何のスキルもなかった。

当時の配偶者に「正社員で働きたい」と相談すれば「レジのパートと正社員、何が違うの?」と言われ困惑し、結婚により『家庭』という名の檻に閉じこもり、閉じ込められた状態では、働くことへのハードルは山よりも高く、谷よりも深いものだったのだ。

転機が訪れたのは、1年前である。

公務員になろうとせっせと勉強している私に「それよりもエンジニアになろうぜ」とタブレットPCを投げて(梱包して、黒猫さんに託して)私にくれた人物がいたのだ。

名をS氏と言う。

S氏は私の名を「贅沢な名だね」と勝手に文字を取り上げて『どさこ』と名付けた人物である。

S氏に「やろうぜ」と言われれば、やるしかない。何故なら、働かなければ、私の姿は豚に変えられてしまうからである。勉強するしかない。

『プログラミング』が何かも知らなかった私である。手始めに『Progate』で勉強を始めた。

HTMLとCSSから始め、PHPの文字が可愛いからとPHPを勉強した。

プログラミングの勉強の歴史は、私の婚姻生活の破滅の歴史でもある。

そもそも、何故、私は働きたかったのか。

①人の(お)金で生活するのが嫌だった。
②夫親族の金銭トラブルから、自分が働いて家族を支えようと思った。
③子育てのみで終わる生活が、怖かった。

働くと言っても何をすればいいのかわからず、たどり着いたのがプログラミングの勉強である。

家族を支えたい、と就職支援センターに相談に行ったこともあった。しかし、勉強の歴史と共に、夫婦仲は悪化。『家族を支えたい』の頭数から一人抜け、家族の意味も変わっていたのである。

『半年後に離婚を切り出される』と知らない頃、配偶者に「プログラミングを勉強している」と言ったことがあった。多少の期待を込めて、話したのだ。「すごいね」とか「働きたいんだね」とか、そういう言葉を期待して話してしまったのだ。

彼の返事はこうである。「プログラミングを勉強して意味あるの?お金を払えば、誰かやってくれるんでしょう」

「ああ、やはりこういう人であった」とか「違う視点から見ればこの人の言ってることは正しいのか」とか、頭の中を思考がぐるんと周り、私は「そうだよねえ」と笑うことしかできなかった。

夫婦仲が悪化と共に、悩み考えることが増えた。決意と同時に、不安を抱えた。言い訳をしたくないが、どうしても勉強が進まなくなってしまった。

ここでまた、S氏が登場する。

「独学での勉強が進まない」と洩らす私に「勉強会やろうよ」と彼は言ったのである。

この時、私は完全なるProgateの民であった(Progateがどうこうではなく、基礎の勉強しかしなかったのである)。元の堕落した性格も相まって、「それは勉強とは言えない」勉強を続けていたのである。

そんな私が開く、勉強会…と不安に思ったが、S氏に言われれば行動するしかない。何故なら、豚ではなく石炭に変えられてしまう可能性もあるからである。

Twitterのアイコンのおかげか、そこそこのフォロワー数がいた私である。「勉強会しよう」とツイートしたところ、地方も地方の住まいにしては多いと思われる0100(2)人が集まってくれたのである(脚色ではない)。

勉強会といっても、何をすればいいのかわからなかった。

1回目:FizzBuzzを解く。

2回目:昼に蕎麦を食べて(蕎麦といえば日本酒だろうと一杯引っ掛けて)からもくもく。会場にあるピアノを弾くという、大変楽しい会であった(基本情報の勉強をしました)。

3回目:基本情報の勉強(あまり覚えてない)

4回目:離婚届を書く(この印象が強くて、何をやったのか覚えていない)

グダグダの極みである。

しかし、未経験で堕落した性格の私が、手を抜き、抜きまくりも勉強を続けられたのは、勉強会を開いたからである。

『自分都合で、開催できる』
自分で開く勉強会、最大の利点である。

他人の開くもくもく会で、日本酒を飲み参加したら?離婚届を書いたら?即ツイートで拡散、炎上による炎上でエンジニア界で有名になることは間違いない。その手があったか!

そしてこの度、離婚直後の「金ナイ、ヤバイ」からフォロワー様に紹介してもらい、無事SESになるのである。そう!明日(2019/12/02)から!

SESについて、一時Twitter内で「無理」「やばい」「あり得ない」と情報が錯綜していた。

しかし、子持ち(しかも二人)、未経験、職歴なしの私である。拾う神がいれば、改宗してでも「ありがたや」と頭を地面につける所存である。

実際、就職が決まってからはベッドの位置をずらし、南東にある会社には足を向けず、南向きに足を向けて寝る信仰深さを持ち合わせている。寝相の関係でずれることもあるだろうが、そこは寛大な心を持って許して欲しい。

未経験といっても、それぞれスペックの異なる『未経験』である。

私の未経験からうんたらの歴史はこうである。参考になってもならなくても、読んでくれてありがとう。





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