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プラネタリウムで起きたこと

 偏った空間で誰しもが生きている。
無論この私もそうだ。
海中で翼を広げ、殻を抱えて飛んでいる。
平和な日もあれば、逃げることも立ち向かうこともあった。

偶に人間が実験と称して海に爆弾を落とすこともある。
酷い連中だ。
故郷が荒らされるのもまた自然界では何も不思議なことじゃない。

私は幾つもの天敵から身を守ってきた。
生まれてから兄妹達が消えていくのも何度も確認した。
自然界で群れずに暮らす事が出来るのは人間には出来ないらしい。
そこだけは哀れとしか言えない。

一息着いていたところ、海中を通して眺める星空が綺麗だった。
あの星の中には私の仲間もいるのだろうか?

すると痛みが翼から脳へ伝わった。
無数の触手が私を襲う。
せっかくのプラネタリウムを楽しんでいるのに!
油断した。

クリオネ…
氷世界の天使か。
意思が通じるタイプでは無く、淡々と体液を啜られた。
私もあの星の一部になるのか。

俺のプラネタリウム

美味しかった。
油断している獲物が空腹を満たす。
こちらも食われる身なんでね。
食う側の気分を味わいたい。

ああ、夜空と月光が指す海が素晴らしい。
みんな食えればいいのに。

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