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怪談・THE私48team100モノ終

第一怪

第二怪

第三怪

第四怪

第五怪

第六怪  

第七怪

※寄せ集めた怪談です。

メンバー。

解滴 榾建ときしずく ほたて

心霊現象は嗜む程度だが、自覚なく怪奇現象に見舞われている。
怪談は恐らく実質ノンフィクションである。
女子大生。

獬焼 依奈巾かいやき いなは

スポーツ好きの男子高校生。
浮気性で様々なスポーツを楽しむ。
口癖は「俺〇〇極めた。」
クラウドファンディングで心霊番組に協力するほどのホラーファン。
怪談は慣れてないからか、スポーツ関係の実体験での話が怖さをかもし出している。

ワデス竿翔冠さおとめ

自称ハーフの欧米出身男子中学生。
本名不明。
何処から聞いたのか00年代のホラーよりな話が多い。
呪いをかけているつもりはないのに相手の負の予兆を直感で分かるからかあだ名は「呪詛師」
恨みの相談を頼まれることが多い。

惰鯛 船護たいた にっく

映画に影響された家族に見切りを付けて早くから双子の姉と共に二人暮しをしている女子高校生。
決して暗い性格ではないのだがやたらと怖い体験が多く、そんなに仲が良くない姉と怖い話の時だけ盛り上がる。
最近は話す練習のために怪談を始めた。

惰鯛 筏船たいた ごふ

船護にっくの双子の姉で女子高校生。
妹と仲は悪いが「自分達に大した財産ないし親族の介護もしたくない気持ちは一致してるからからいいじゃないか。」
と若いうちから未来の準備をしている。
それでもおじいちゃん、おばあちゃん子で年配者から聞く令和の怖い話を多く持つ。
手続きさえしっかり終わればある決断をするつもりでいる。

山分けの予定


 船護にっくは裏グループトークを終えた後に解滴 榾建ときしずく ほたての事を考えていた。

 変な感情とかじゃない。
こうなるのも、精悍な彼が簡単にヒントを出すのも不可解だと感じたのだ。

「もしかして…私達、彼女に狙われていたりする?」

 普段は物静かなお年寄りのような雰囲気の若くて筋肉質な見た目の彼。
沈黙を貫いていた彼が少し、船護の方を見て汗をかいているような仕草があった。

「あなたの知ってることを、ゆっくりでいいから伝えてほしい。」

 船護は彼が何かを隠していることを知る。
彼は少しだけ口を開いた。

「もう…自分に金儲けや生前の欲望はない。
それに、他の霊体達のように無に還るつもりも、黙ってこの世に留まるつもりもない。」

 仲間の霊体達は寿命を迎えたのに意識と魂が残ってしまっていることにショックを受け、藁をもすがる思いで輪廻から解脱して無に還ろうとしているらしい。

「それについては生者が言うのもあれだけど納得できる。
晩節も死後も汚さずに消えたいから。」

 今の人達が抱えている問題でもある。
霊体の彼は悲しげな表情をしていたが、少しだけ筋肉を船護に見せてきた。

「自分に記憶はないけれど、もしかしたら生前は力仕事をしていたんだと思う。
だから本当は気の利いた言葉を君に投げかけたかった。
しばらく君と暮らしたが、自分のお茶を飲んでくれたのは、霊体になってからは君がはじめてだったから。」

 まさか霊体に好意を寄せられるとは。
でも筋肉質で顔が少し武人、大人しめなのが高倉健さんみたいで渋くてかっこいい。
船護はきっと硬派なのだろう。
付き合う人達はみんなどこかしら遊び人気質。
腕に自信はあるけれど弱いものいじめをするから別れてばかり。

 けど、彼は違う。
普段は力を行使せず、いざという時のみ発揮するだけ。
だから仲間達を大切にしていた。
数少ない寄り添ってくれる霊体達だから。

「あなたが仲間を裏切らないために私を利用したことを謝っているのなら…解滴 榾建ときしずく ほたてさんも私達の裏切りを望むはずない。
山分けなら怪談を聞くだけでいい。
私の場合は。
となると、みんなを止めよう。
今頃榾建ほたてさんに誘われるがまま制裁を受けていそう。

 そうして、一人と一体は榾建に襲われた皆を救出したのだった。

                     ✳︎

 どうだった?
不幸も怪談として話せる女子大生と心霊コミュニティの疑心暗鬼は?

 みんなも怖い話くらい自分で楽しまないと。
本当にあるかどうかは別として。

 端末を閉じ、アナログ空間でデジタルを少し利用しつつ古来と未来の中間である今に転がる人間の負の側面から産まれた世界を様々な見方で確かめる。

 私達は…解滴 榾建ときしずく ほたてをリーダーとする心霊コミュニティはまた一つ、怪談を提供致しましょう。

親愛なる怪現象へ。
team100モノ、始動。


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