怪談・THE私46team100モノ
第一怪
第二怪
第三怪
第四怪
第五怪
※寄せ集めた怪談です。
メンバー。
解滴 榾建
心霊現象は嗜む程度だが、自覚なく怪奇現象に見舞われている。
怪談は恐らく実質ノンフィクションである。
女子大生。
獬焼 依奈巾
スポーツ好きの男子高校生。
浮気性で様々なスポーツを楽しむ。
口癖は「俺〇〇極めた。」
クラウドファンディングで心霊番組に協力するほどのホラーファン。
怪談は慣れてないからか、スポーツ関係の実体験での話が怖さを醸し出している。
ワデス竿翔冠
自称ハーフの欧米出身男子中学生。
本名不明。
何処から聞いたのか00年代のホラーよりな話が多い。
呪いをかけているつもりはないのに相手の負の予兆を直感で分かるからかあだ名は「呪詛師」
恨みの相談を頼まれることが多い。
惰鯛 船護
映画に影響された家族に見切りを付けて早くから双子の姉と共に二人暮しをしている女子高校生。
決して暗い性格ではないのだがやたらと怖い体験が多く、そんなに仲が良くない姉と怖い話の時だけ盛り上がる。
最近は話す練習のために怪談を始めた。
惰鯛 筏船
船護の双子の姉で女子高校生。
妹と仲は悪いが「自分達に大した財産ないし親族の介護もしたくない気持ちは一致してるからからいいじゃないか。」
と若いうちから未来の準備をしている。
それでもおじいちゃん、おばあちゃん子で年配者から聞く令和の怖い話を多く持つ。
手続きさえしっかり終わればある決断をするつもりでいる。
お茶を飲む感覚、物を探す理由
惰鯛 船護、女子高生。
双子の姉である筏船と二人暮らしで心霊マニア。
家族のくびきもないし綺麗事も怪奇現象の前では無用。
だから綺麗事に惹かれる気持ちもわかる。
それが船護の場合は黒い尻尾の主を探すことなのだが。
解滴 榾建さんは状況をまるで理解していない。
最初は彼女がしらを切って怖い話をしているのだと思っていた。
当たり前のように心霊話と怪奇現象を混ぜるから最初は話の面白い人だと納得していた。
他のメンバーからある程度聞いた話だと、彼女と霊体以外は確認が出来ていないらしい。
ある日のことだった
船護と他のメンバーが解滴 榾建の話でだべっていた時。
お茶を注ぐ音がなぜか聞こえたので
「本物の心霊現象?」
と半信半疑で過ごしていたら…まるでスイッチのオンオフでつく電灯のように寡黙そうな幽霊が空いている机に座る三体の霊にお茶を用意していた。
勿論本当にお茶があるわけではないのにそう見えた。
寡黙な霊体は十代後半の男性の姿で、昭和チックな精悍な身体に平成的な大人しさがあった。
「黒い尻尾」
その話は解滴 榾建がいなくなってから他のメンバーがそれぞれの霊体とコンビを組んで真相を探ることにしていたのだ。
船護と組んだ霊体はお茶を注ぐ男性型の寡黙な人で、質問しづらかった。
霊体達も何故自分達に「黒い尻尾の主」を探させるのだろう。
解滴 榾建は心霊現象が見えて、黒い尻尾の怪奇現象による不幸や不運を巻き込まれているのに死なず、被害に遭わずに済んでいる。
女子大生である解滴 榾建は全ての心霊現象の話を怪談として認識、当然の現象過ぎて信じていない。
それどころかコミュニケーションに利用している。
TCG(トレーディングカードゲーム)や対戦もできるモンスター育成ゲームで勝ち星を挙げるために強い個体を道具やファッションのように利用している感覚といえば伝わりやすいかもしれない。
別の方面で例えるのなら、話題に出る恋人は本命ではなくて隠し続ける相手が本当に愛情を注いでいる存在。
つまり解滴 榾建にとって心霊現象がコミュニケーションの本題であって、怪奇現象はに 彼女にとって愚痴でしかない。
そこでこちらへ現れた霊体は解滴 榾建とは全く関係がない霊体。
どうやら霊体のリーダー格がここへ興味を示したらしい。
解滴 榾建は霊体と黒い尻尾が見える。
霊体は見られる側。
話を聞くと何にも目的がない。
死んでいるからだそうだ。
それなのに黒い尻尾の主の話に食いついて霊体達も見えると主張としている。
更に、この霊体達は解滴 榾建には存在を知られていない。
コンタクトもとっていない。
霊体の目的はなんなのか?
何故自分達に黒い尻尾の主を探させるのか?
そこを知りたいが正体を表さない。
更に船護と組むことになった霊体はほとんど喋らない。
仲間の霊体達の話にもただ聞くだけだったからこの霊体は黒い尻尾の主に興味がないのか目的を知らされていないのか…
「あの、私にもお茶を注いでくれない?
それと黒い尻尾の主があなた達、霊体にも見えているのなら、すぐに探させて捕まえたいはず。
それなのに試すような真似をしているなは何故かな?
お茶を注いでとは言ったけれど、この話に簡単な答えやヒントをくれればなしでいいよ。」
もういても立ってもいられない。
こんなこき使われ方されてたら当たりたくもなる。
しかし彼はただ黙ってお茶を運んだ。
そして何か考えた後、何かを呟いた。
「もう一度…人間に産まれないように…霊体で居続け消滅する…その目的のために…やつの力が必要だから。」
重要な霊体達の目的を聞いた気がした。
紙とペンでメモをし、スマホにもメモした。
復唱までしてくれた彼の本意はなんなのだろうか?
「その黒い尻尾があればあなた達は私達の言葉で『解脱』できるってこと?
そりゃ無に還りたいのはわかる。
私ももう一度人間や他の動物に生まれ変わりたくないし。
けれど、あなた達は黒い尻尾のことを知っていても見えているのに捕まえられない。
だから、解滴 榾建さんを見張って黒い尻尾の主を捕まえてこいと。
人使いの荒いこと。」
彼は自分だからこそヒントを出したのだ。
姉もこの謎には乗り気で船護に話を頻繁にしてくれている。
本当に趣味でしか成り立たない双子姉妹だ。
霊体達は色々と矛盾が多い。
だが共通して破滅願望も生命への執着もなく、ただ消え去りたいことだけは伝わった。
何か気は進まないが船護は秘密裏の心霊コミュニティグループトークで情報を共有し合う。
もしかしたらあの人も…
いや、ここは自分達で謎を解明しよう。
そして山分けだ。
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