「忘れないでね」は呪いのことば

学校嫌いの娘の2年生最後の日。担任の先生に言われた言葉は
「先生のこと、このクラスのこと忘れないでね」でした。

「忘れないでね」は日常茶飯事

3月は1年のしめくくりでもあり、別れの季節です。保育園、幼稚園、学校、会社…いろんな所で「ありうがとう」「がんばってね」「忘れないでね」があふれています。3月じゃなくても、「○○忘れないでね」というのは日常茶飯事なのです。

「忘れないでね」の呪い

娘は2年生の1年間、学校がきらいでした。まず担任の先生と合わない。マイペースな娘とせっかちな先生。お互いイライラしたことでしょう。娘の心のバロメーターが崩壊する事件も1年間に3回程ありました。そんなこんなで娘は家で、先生の嫌なところばかり言っていました。家で言ってくれるので親としてはありがたかったです。
そんな娘がかかっていた呪い。

「忘れないでね」

終業式が終わってもまだ先生のことを言っていた娘。私が「もう先生のことは忘れちゃいなよ!3年生になったら新しい先生になるし、クラスの友だちも新しくできるよ」と励ました時。娘がこぼした言葉。

「だって先生が忘れないでねって言ったんだもん」

返す言葉がありませんでした。それと同時に2年生ってこんなに素直に先生の言うこと聞くんだと驚きました。「先生が忘れないでね」って言ったから忘れてはいけないと思っていたんです。
「忘れないでね」の呪いでした。

まとめ

私も保育士として「忘れないでね」の言葉をたくさん発してきました。でも保育歴16年目にして初めて「忘れないでね」が呪いになってしまう可能性に気づいたわけです。保育園の先生として、呪いにかかった娘の親として、「忘れないでね」の使い方をあやまってはいけないと実感しました。「忘れないでね」が呪いにならないような生活を心がけようと誓ったのです。


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