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『FINAL FANTASY VII REMAKE』感想(ネタバレ無し)ー現代に蘇るFF7という物語ー

FF7Rは原作であるFF7を基に様々なオリジナル要素を加えたフルリメイク作品。
発売からやや時間が経ってしまったものの、無事クリアできたので感想を書いていきます。

・アクションとコマンドが融合したバトルシステム

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FF7Rのバトルシステムはコマンドベースだった原作から一転、アクションベースのバトルシステムになっている。
とはいえ完全にアクションかと言われるとそうではなく、「アクションとコマンドのいいとこ取りしたバトルシステム」というのが
最初に触った時の印象だった。

弱攻撃と強攻撃を使いながらATBゲージを貯めていき、1段階もしくは2段階貯まるとコマンドからアビリティやアイテムを使用することができ、
更に選択中は時間がスローになるというFF15にあったウェイトモードのような仕様で「次になにをすべきか」というのを
周りの様子を見ながら考えることができた。
この仕様はコマンドベースのような感覚で触れるので、アクションが苦手な原作ファンに向けとしても良かったように思う。
(自分はほとんど使わなかったが、より高いアクション性を求めるならショートカットを使用して時間をスローにすることなく
戦闘をすることもできる。)

FF7Rは3人1パーティー性で、操作しているキャラ以外は基本的にAIで動くものの(「オートケアル」や「ちょうはつ」マテリアを使うことで
簡単な制御はできる)、あくまでもATBゲージを貯めるとこまででコマンドの支持は自分がする必要があった。
つまりどれか1キャラを操作してATBゲージを貯めてコマンドを実行しつつ、残りの2キャラの様子も見ながらATBゲージが溜まったら
その都度指示を出してコマンドを実行させる必要があるということだ。
これが最初は中々難しくうっかりすると「味方がATBゲージは2本溜まったまま敵を弱攻撃でひたすら殴っている」なんてこともあったが、
慣れてくると「こいつはコレを実行して、あいつはこのタイミングでコレを実行して・・・」と的確に指示を出せるようになり
連番でうまく技が決まることも多かった。

操作が多くなるので評価は分かれる所だと思うが、個人的には勝手にコマンドを実行するよりは自分が適切なタイミングで指示を出すほうが
うまくキマった時の快感も大きいのでこの仕様で良かったと思う。

・極限まで作り込まれたマップ

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原作との比較で一番の変化はやはりグラフィック面の進化だろう
クラウドやティファ、バレット等のキャラクターモデルは勿論のこと、とにかくマップの作り込みが尋常じゃなくすごい。

七番街スラムであれば、寂れたトタン板やむき出しの鉄骨でできた家々に上を見上げると圧倒的な存在感を示すプレート。
ウォール・マーケットであれば光り輝くネオンの看板や、様々な店舗の外装等作り込みの凄さが伺える。

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特にプレートについては初めて来た日は暗くて見えず、次の日の朝になってから初めてみた時はその存在感に思わず「おぉ・・・」と声が出てしまった。

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街と街の間の一瞬で通り過ぎてしまう通路ような場所でさえも、瓦礫やコーン等のオブジェクトが自然な形で幾重にも重なってしっかりと
作り込まれており凄かった。

レベルデザイン的な視点から見ると、入り組んだ地形が多いものの進行可能な場所には必ず同じ青矢印のパネルが置かれており
「ここに行けば先に進める」というのが理解しやすかった。

序盤の一番魔晄炉から終盤の神羅ビルに至るまでとにかくマップが細部まで作り込まれており、デザイナーの労力を考えると胃が痛くなるレベルだ。

・多種多様なキャラクターボイス

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グラフィック面の進化と同じレベルで印象に残ったのがキャラクターボイスだ。
本作はとにかくキャラクターボイスが豊富で、ムービーは勿論のこと移動中に流れる簡単な会話からボス戦の戦闘中に流れる攻略情報を含んだ物まで様々なボイスが流れていた。

ただセリフテキストを読むのと、声優さんの演技が入ったボイスを聞くのとでは当然ながら感じ方は大きく異なり個々のキャラクターへの思い入れもより強くなるだろう。

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メインのキャラクター以外のサブクエにすら出てこない、街に居るだけのモブキャラの多くにも挨拶等の簡単な物ではないちゃんとした会話ボイスが入っており、更にはそのモブキャラのセリフも状況に応じて変化しておりここまでやるのかと驚かされた。


・FF7という物語

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元々キングダムハーツシリーズは一通り遊んでいたので、そっちに出てくるクラウドやエアリスといった「キャラクター」は知っていたものの、
それくらいしか知らずFF7の原作は未プレイだったので今回「FF7R」で初めてFF7の世界に触れることになった。

実際にFF7の世界に触れてみると、「クリスタル」や「魔法」といった従来のFFをイメージする要素は控えめで、「神羅カンパニー」「ミッドガル」
「魔晄」といった本作オリジナルのSF風味な要素が色濃く感じ、こういった設定好きな自分は一気に引き込まれてしまった。
先に書いた通り本作はグラフィック面での作り込みが凄く、ミッドガルの都市構造やスラム街から見上げるプレートの大きさ、
神羅の実験施設から見る悪行等、このFF7という独自の世界観を理解する上でも大いに役立っていたと思う。

原作の発売には97年なので既に20年以上の月日が経っているが、世界設定やシナリオは2020年の今初めて触れても決して古臭くなくむしろ既存のFFとは少し異なった部分が逆に自分は楽しめた。

・まとめ

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「FINAL FANTASY VII REMAKE」はE3 2015で発表され、その後内部開発への移行や延期等があり最終的に5年後の2020年4月10日に発売となった。
発売された物を遊んでみれば分かるが、ゲームシステムやマップ、ムービーや様々な演出等5年の歳月がかかっただけのことはあると思う。
本作は分作の1作品目で、物語の進行度的には原作の約10%~15%程度にすぎないとのことであるが、メインストーリーを進めつつサブクエやミニゲーム等もある程度遊んでクリア時間が約41時間と1本のRPG作品として十二分に楽しめる内容だった。続編にも期待したい。

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