千人伝(二百十六人目~二百二十人目)
二百十六人目 日雇い時代
ひやといじだい、は昔を思い出していた。日雇いで一日ごとに職場が変わった。楽な職場もあれば過酷なところもあった。明日はどんなところに行くことになるのだろうと、眠る前に考え始めるとなかなか寝付けなかった。ある日は資材トラブルで一日の予定が二時間で終了した。ある日は修羅場に放り込まれて長時間残業した。
古い時代のことであったので、その日の給料はその日のうちに日雇い元に取りに行った。いくらかの交通費と昼食代を残し、他はその日生きながらえるために使った。実