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ヒグラシ

ヒグラシのかなカナカナという鳴き声を聴くと、子どもの頃を思い出す。

毎年夏は、東京から離れた山の家で、一か月近く過ごしていた。
とくに何もないから、近所の子たちと一日中泳いだり、魚や貝を撮ったり、山の中を虫を捕まえて遊んだ。

退屈な時は、畳の上で大の字になって寝転んでヒグラシの声を聴く。
天井の木目を見つめたり、窓から流れる雲を眺めたり、部屋に飛び込んでくる虫を目で追ったり、そのうちウトウトと昼寝をしたり。。。
とにかく暇な時間をヒグラシの音と共に過ごした。

だから今でも、ヒグラシの鳴き声が聴こえてくると心がスーッと落ち着く。
あの暇な退屈な時間がどれだけ贅沢な時間だったかを思いながら。。。

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