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日々失われていく「確かさ」

NHKスペシャル「認知症の第一人者が認知症になった」を観た。
母の認知症を疑うようになったことがきっかけで観たのだが、この病気の難しさ、辛さを少しだけ感じ取ることが出来たような気がする。

医師である長谷川さんは長年、認知症を研究されてきたスペシャリスト。
その彼をもってしても、この病気の本当の苦しみを患者になって初めて理解したという。
生きている上での「確かさ」が少なくなっていく感覚。
たとえば日付、駅の場所、電車の乗り方、そういった生活のひとつひとつが不確かなものになっていくという。

これはいったいどんな感じなのだろう?
人間の脳はどんなことから忘れて出来なくなってしまうのだろう?
私には、それはそれは怖くて不安なのだろうと察するしかできない。

母は特に待ち合わせ、時間の感覚が分からなくなってしまう。
他人からしたら、しっかりして!と思ってしまう。
不確かなことが増えていく母を尊厳を持って、今までのように接することができるのだろうか?


すくなくとも、不確かなことが増えている母の不安に心を寄せることだけは忘れたくない。

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