【辞書】ミクロ経済学基本理論一覧②

前回に引き続き、基本理論の辞書です。ミクロ経済学については②で終了です。

生産関数と限界生産逓減の法則

生産要素の投入量と、生産量の関係のこと

【限界生産逓減の法則】
生産要素の投入単位あたりの、生産量向上のことを限界生産と呼ぶ
限界生産は生産要素の投入量に応じて、徐々に減っていく(限界生産逓減の法則)

費用曲線

生産量と総費用の関係のこと
生産量が増えれたば、総費用は指数関数的に増えていく
生産量あたりの売上高と、生産量あたりの総費用の差が最大化する生産量が、最も利益が高い最適点である

完全競争市場

完全競争市場では次の前提条件を想定した状況のこと
1. 財の同質性(同じ財はどこでも同じ品質で売られている)
2. 情報の完全性(全ての経済主体が同じ情報を共有している)
3. 多数の経済主体の存在(買い手も売り手も多数おり、独占されていない)
4. 参入の自由(企業は自由に参入・撤退できる)

パレート最適

需要 = 供給の完全な均衡状態が実現し、資源配分が究極に効率化している状態のこと

賃金率と限界生産

賃金率 = 労働を1単位増やしたときの限界費用のこと
労働による限界生産が、賃金率を下回るほど雇用したいとは思わないので、企業の雇用が増やすためには、次のような事象が起こる必要がある。
1. 賃金率が下がる
2. 生産物の価格が上がる
3. 労働の限界生産が上がる

独占度

市場である財を供給している企業が1つしか無い状態のことを独占と言う。
費用に対して価格がどれだけ上乗せされているのかの度合いを「独占度」という。
財を提供する企業がごく少数の企業に限定されている状態を「寡占」という。

ゲーム理論・ナッシュ均衡

寡占市場では、それぞれの相手が出方を読み合いながら「戦略」を検討している。
この駆け引きを整理したものを「ゲーム理論」という。
プレーヤー双方が互いに最適な戦略を選択した状態を「ナッシュ均衡」という。

ローレンツ曲線

完全競争市場では、全ての経済主体に対して均等に富が配分される。(つまり全員が同じ予算を持っている。)
世帯累積比(%) = 所得額累積比(%)になる。

しかし現実では格差があるため、所得累積比(%) <= 世帯累積比(%)となる。
例えば、所得の20%を、世帯の50%が保有していることになる。
所得累積比(%)と、世帯累積比(%)の関係を「ローレンツ曲線」という。

ジニ係数

ローレンツ曲線から計算処理をして、0~1の範囲で値が得られる係数のこと。
0の状態とは、世帯累積比 = 所得額累積比の状態であり、
1の状態とは、たった一人の人間が全ての富を独占している状態とのこと。
社会騒乱多発の警戒ラインは、0.4とのこと。(日本は0.34)
ジニ係数ランキング

カルテルと囚人のジレンマ

相手の状況がわからないところでは、双方とも協力戦略を選ぶのがベストだが、非協力戦略を選択してしまう現象のことを囚人のジレンマという。

また、同一産業内で独立した複数企業が市場統制を目的として、談合をすることをカルテルという。(独占禁止法に違反する。)

トリガー戦略とフォーク理論

長期的な関係を築く必要があるプレーヤーに対しては、「今回、相手が協力的なら協力する。非協力的なら、次回以降は非協力を選択する。」という「トリガー戦略」が有効である。
お互いがトリガー戦略を取り合うことで、長期的な利益が大きくなる 現象をフォーク理論という。
同じ相手と勝負が続くと、八百長が生まれてしまう可能性が高まる。

市場の失敗と経済の外部性

パレート最適ではない状態のことを、市場の失敗という。
また、市場以外(需要と供給の取引)での環境への影響を経済の外部性という。
例えば、騒音を発生させる工場の近くの企業では、従業員の生産性は騒音によって下がっているはずである。その結果、その企業では、限界費用が高くついてしまう。
このような、市場を介さない影響に寄る、市場の環境の変化のこと。

公害のようなマイナスに働く現象を外部不経済、プラスに働く現象を外部経済という。

モラル・ハザード

モラル・ハザードとは倫理観の欠如によって、パレート最適でなくなってしまうこと。

例) 返金保証付きの製品

雑に扱う

故障率が高まる

限界費用が高まり、必要以上に価格が上がってしまう





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