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【麻雀戦術レビュー】進化した『超攻撃』スタイル! 魔王の麻雀

こんにちは、どらのすけと申します。

先日、佐々木寿人プロの新著『進化した『超攻撃』スタイル! 魔王の麻雀』を読み終えたので正直な感想をレビューしていきたいと思います。


戦術本として

私は麻雀プロが執筆する戦術本には二つの側面があると考えています。

一つは読みや手組み、押し引きなど麻雀に関する思考や知識を読者に提供する『麻雀戦術本としての』側面です。

ハッキリ言うと本作はこの面においては少し物足りないです。
以下にその理由を含めた戦術本としての感想を述べます

ボリューム

まず戦術本としてのページ数が少ない!

本作は全180ページ構成ですがそのうち麻雀の具体的な内容について語られているのはたった47ページです。しかもその半分近くは牌図が占めています。
戦術目当てで買った身としては物足りなさを感じました。

構成

また肝心の戦術欄も問題があります。
というのも本作ではMリーグでの対局を振り返り、思考を解説するというよくある形式になっているのですが、全体の牌姿一つだけでその局すべてを振り返るため所々分かりづらい。
配牌の話をしているのに画像は9巡目の牌姿となっているためイマイチよくわからん!というようなことが何度かありました。

一方、本の構成は素晴らしいです。
本作の戦術欄では以下の画像のように見開き2ページで一つのテーマを扱う構成になっています。

Amazonのサンプル画像より、画質が悪くて申し訳ありません

牌姿と解説のページが違うため、何度も本をめくらなくてはいけない、というのは戦術あるあるですが、本作では全くその必要がなく、ストレスフリーです。

まとめると構成と解説がかみあっていないように感じます。
この構成にするなら一つの牌姿について一局全てではなく、その状況のみの思考を詳しく解説する形にしたらよかったのではないかと思いました。

内容

次に内容についてですが、手変わり待ちや親番についてなど随所で寿人プロらしい思考が覗けて面白いです。

特に面白いのは守備について書かれた箇所。
寿人プロはよく攻撃型と言われますが、攻撃一辺倒ではなく守備面も光る選手。というかむしろ個人的には守備的な手組を好む打ち手の印象です。
そんな寿人プロの守備意識については是非購入してお確かめください。

一方で「自分を奮い立たせるためにリーチ」「楽してあがるな」など所々で若干オカルティックな記述も。寿人プロらしい言い回しと言えばそれまでですが気になる人は気になるかもしれません。


ファンブックとして

プロの書く麻雀戦術本の持つもう一つの側面には「ファンブックとして」の面が挙げられます。

特に近年ではMリーグの登場により、プレイヤーのキャラクターが麻雀の内容と同等かそれ以上に注目されています。

同様にプロによる戦術本も内容のみならず、書いたプロのキャラクターが活かされているか、そのプロのファンが楽しめるかどうかという面でも評価するべきです。

以下では「ファンブックとして」の本作の感想を述べたいと思います。


コラム

本作で一番分量があるのが寿人プロによるコラム。内容は彼の半生やMリーグ、麻雀に対する姿勢、プライベートなど。一つ一つが短い文章からなるので読みやすいです。

個人的に興味深かったのはMリーグ2021-22レギュラーシーズン2/22第一回戦での長考について。普段長考しない寿人プロの大長考は話題となり多くの好意的な反響を得ました。

では当の本人はこの長考をどのように考えているかというと…
これ以上はネタバレになるので購入してお確かめください。

これ以外にも寿人プロのなかなか知れない内面や戦歴が当コラムでは知ることができ、寿人ファンならば面白いこと間違いなし!の内容です。

ただひとつ文句を言うとすればフリーで1000万円稼いだ話がなかったことになっていること。Mリーグの脱ギャンブル志向と反するためしょうがない部分もあるでしょうが、それで有名になったんだから触れてくれよ!と思わないでもないです。

photo exhibition 

本作ではphoto exhibitionという寿人プロのグラビアからなる章が10ページほどあるのですが、これがとてもいいです

まず写真の画質が素晴らしいです。普通戦術本の写真などは何かのタイトルを獲得したときの写真や仲の良い人と撮った写真が白黒で使われることが多いのですが、本作ではフルカラーかつ撮りおろしという贅沢仕様。しかも一枚のみならず数枚も掲載されています。フルカラーという本書の特性を存分に活かしているといえるでしょう。

女性プロならともかく(実際に黒沢プロの著者、『黒沢咲の鳴かずに勝つ!セレブ麻雀』にも似たような撮りおろしグラビアページはあります)、男性プロでこれをやるのはかなり攻めたな、といった印象を受けます。

では肝心のグラビアの内容はどうかというとこれも素晴らしい!

そもそも滝沢プロ、内川プロ、本田プロなどのイケメン雀士に隠れがちですが寿人プロもかなりビジュアルがいいです。
当章ではそのビジュアルのよさがカメラマンの手により十二分に発揮されています。

私のお気に入りは44ページ、寿人プロの横顔ショットです。彼の雀風どおりの真っ直ぐな瞳と、ダンディな顎髭が非常にイケており、男である私も思わず惚れてしまいそうになるほどでした。

滝沢プロとの対談

最後に滝沢プロとの対談についての感想を。

本作ではでは滝沢プロとの対談が掲載されているのですが、こちらも中々面白い!
今ではチームメイトですが、2020シーズンまでは別チームであり、Mリーグ発足前からのライバルだった二人。二人が知り合ってから今までどのような関係だったのかをこの章では覗き見ることができます。

対談からはイジりあいながらも信頼しあっている関係性が文章から滲み出ており、タキヒサファンなら思わずにやけてしまうこと請け合いです。

まとめ

総じて本作は寿人プロやKONAMI麻雀格闘倶楽部のファン、特にグラビアの充実度合いから女性ファンにオススメしたい本であると言えます。また全編通して脚注が充実しているため、麻雀のルールがよくわからない、あまり麻雀用語がわからないファンの方でも読みやすいでしょう。

一方で純粋な戦術本として期待していた方や麻雀技術の向上のみを目的とされる方は値段のわりに物足りなく感じるかもしれません。そういった方は、寿人プロの著書ということなら1月24日に完全版ヒサトノートが発売されるのでそちらの方が良いかもしれません。


以上が本作に対する感想です。
ここまでご覧になっていただきありがとうございました。
本レビューが皆さんの購入の参考になれば嬉しいです。
最後に、よろしければこのレビューへの意見や本書への感想があればコメント欄へお書き下さい。大変励みになります。

どらのすけ

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