![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/115218042/rectangle_large_type_2_2736cf016033ae6da3adbf4428dc97e5.png?width=800)
ただ守りたい… 1話
薄暗い部屋の中でうずくまる。
体が震えて立ち上がることも、言葉を発することもできない。
??1: 次はお前だな。
とうとう僕の番が来てしまったようだ。
僕に銃口が向く。
目の前の男が引き金を引いた。
??2: ○○ーーーー!!!
闇の中に響き渡る銃声。
突然目の前を何かが塞ぎ、それが下に落ちる。
咄嗟にそれを抱える。
視界を下に向けると、その何かは僕の大切な家族だった。
○○: え…ね、姉ちゃん、、、
自分の手に付く赤い血。
??1: 順番が狂っちまったな、まぁどっちにしろ死ぬんだから関係ねぇかw
思考が止まる。
??2: じゃあな、恨むなら…
男が何を言っているのかも頭に入ってこない。
男が再び銃口を向けてくる。
視界の端で倒れている人と、自分の手に抱えられている人。
そして目の前に広がる赤い液体。
○○: よくも、、、俺の大切な人を!!!!
バキ
そこで僕の(俺の)意識は途絶えた…
カーテンの隙間から部屋に光が差し込む。
ベッドの上にその光が当たる。
○○: ん…うん〜もう朝か。
ベッドから体を起こし、枕元に置いてある携帯を取る。
○○: 10時か、結構寝たな。お腹も空いたし朝ご飯食
べよ。
そう言って部屋を出て階段を下り、キッチンへ行き冷蔵庫を開ける。
○○: 何食べよう…うん、あんまり食材もないんだよね。今日買いに行こうかな。
冷蔵庫を閉めつつ、リビングの方へ行く
○○: お、いいの発見!!
ダイニングテーブルに置いてあった食パンに気づき、手に取る。
○○: そういえば、昨日の夜に食べて、そのまま机に置いてたんだったな。
食パンをトースターに入れて、焼き上がるのを待つ。
明日が始業式か、もう俺も高2なんだな。
去年は可もなく不可もなくって感じだったけど、今年はどうかな。
楽しく過ごせれば良いな。
未来に期待を膨らませつつ、去年の思い出を振り返る。
チン
パンの焼き上がりを教えてくれる音が広い部屋に響く。
○○: あ、焼き上がった。
焼き上がった食パンにかじり付きつつ、テレビをつける。
ピ
「では、食べていきたいと思いまーす!!
ん、これ!相当美味いよ!!ぜひスタジオにいるゲストさんも食べて見てくださいよ!!」
ピ
「ノンストップ!!!」
ピ
「いやー凄いですね、金山社長の腕には驚かされますよ!たった数年でここまで会社を大きくするとは、、これからが楽しみですね。では次のニュースです。」
ピ
「サクッ!!さぁ始まりました!そこ曲っ」
ピ
「最近、ここも治安が悪くなってきてねぇ、昨日もあそこの、えーとなんて言ったっけな。あ、そうそうあそこの三角公園で騒ぎがあったのよ。でね、、」
ピ
「待たせたな!!はい、始まりました、ひな」
ピ
「明日の天気は晴れ、、」
○○: 良いの無いな〜、やっぱテレビはいいや。
ピ
そう言って黙々と食べ始める。
食べ終わったところでインターホンが鳴った。
○○: ん?なんだろ。はーい
「宅配便でーす!」
○○: 宅配便か、なんか頼んでたっけ?
玄関に向かい、扉を開ける。
ガチャ
業者1: どうも〜
○○: あ、いつもお世話になってます。お疲れ様です。
外に立っていたのは、いつもこの家に荷物を届けてくれる配達業者だった。
彼らは1人暮しをしている僕に気を遣ってなのか、よく話しかけてくれる、気の良い人達だ。
業者2: お届けものっす。
○○: はい、ありがとうございます。なんか随分と大きい荷物ですね。
業者2: そうっすね。重いので気をつけて下さい。
○○は荷物を受け取る。
○○: …確かに重いですね。
受け取った荷物を玄関に置き、伝票を受け取って、サインをする。
業者1: 春休みも今日までですか。
○○: そうなんですよね、もうちょっと休みたかったです笑
業者1: まぁ学生ですから。学校で青春していきましょ!
業者2: そっか〜もう高2になるんすよね。あの坊っち…
パシ
業者2: 痛っ!!
話している途中でいきなり業者がもう1人の頭を叩いた。
業者1: バカ!ダメだろ!!
○○: え、えーと…大丈夫ですか?
業者1: いや、あの…こいつの頭に虫が止まっていたもんですから笑
業者2: そ、そうなんすよ。もう兄貴ったら力が強くて笑
○○: へーそうだったんですか。あ、はいこれ!サイン書き終わりましたよ。
○○は業者1に伝票を渡す。
業者1: では失礼します。明日から頑張って下さいね。
業者2: 頑張って下さいっす!!
○○: はい!頑張ります。そちらも頑張って下さいね。
そう言って業者二人は門を出て行った。
ガチャ
○○: ほんと愉快な人達だな笑、多分僕がこの家に引っ越してきてからずっとだもんな。
ん?今更だけど、ずっと同じ業者の人が配達し続けるってことはあるのかな。
まぁいいか。
○○: さっ、この大きな箱の中身を確認してみますかねっと…え、何これ?
箱の中には大量の生活用品と食料が入っていた。
○○: なんでこんなのが…あとこれ送ってきたの誰よ。
疑問に思いつつ、荷物を倉庫や冷蔵庫にしまっていく。
空っぽになった箱の底に一通の手紙があった。
○○: あれ?なんだこれ、手紙か。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○○へ
明日、14時に⊿モールの地下駐車場の46番に来て。久しぶりに会おう。それに伝えたいことがある。
父より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
○○: え、父さん?!!絶対に行かないとだな。にしてもホント久しぶりになるな。1年ぶりか…
中3までは父さんと2人で暮らしてたけど、今は父さんとは、離れて暮らしている。
父さんは昔から家を空けることが多かったから、一人暮らしは問題ないんだけど、いきなり引っ越しすることになって、父さんとも連絡が取れなくて、中々大変だったんだよな。
今何やってるんだろうな〜明日会えるのが楽しみだな。
食料が沢山届いて、買い物に行く必要もなくなったし…
○○: よし、新学期の準備でもするか!
父との再会を心待ちにしながら、新年度の準備をして、その日は終わった。
翌朝
朝日が登り、鶏の鳴き声が響きそうな頃…
○○の家の前で、制服姿の女性が仁王立ちしていた。
??: おーーーーい!!!○○!!!学校行くよーーー!!!!
大きな声が辺りに響き渡る。
??: (もう、まだ寝てるのか。起こしに行こ!!!)勝手に家に入っちゃうからねーーー!!!
??はカバンから鍵を取り出し、玄関の扉を開ける。
ガチャ
??: おっじゃましまーーーす!!
ドタドタドタ
足音を鳴らしながら階段を登り、沢山ある部屋のうちの○○の部屋に一直線に向かう。
ガチャ!!
ドアノブを壊すような勢いで、○○の部屋の扉を開ける。
??: (まだ寝てるのか…なら笑)オリャー!!!
??は飛び上がり○○の寝ているベッドにダイブした。
○○: グハッ!!!!!
??: おい!!○○起きろーー!!
○○の上に飛び乗った??は○○の肩を掴み、めちゃくちゃに揺らす。
○○: 分かった、起きるから!!まず退いてくれ!
日奈子!!
日奈子: はーい!
○○: もう朝からなんだよ、まぁまぁ痛かったぞ。
日奈子: それはごめんって、でも起きない○○が悪いんだからね!!せっかく幼なじみが、一緒に学校行こって誘いに来てるんだから。
○○: いや、幼なじみでも、勝手に家に入ってくるやつはいないだろ。
日奈子: それは私達が特別だからってことで許してよ笑
○○: …
こいつは"北野日奈子"。話にも出ている通り、僕の小さい頃からの幼なじみで、性格を一言で表すと「天真爛漫」って感じだ。
とにかく元気で明るくて、ずっと僕の隣にいる。
困っている人がいたら、助けずにはいられないような正義感の強い良いやつ。
でも、いかんせんバカだし、力の加減がわかってないんだよな。
僕が引っ越してからは、周りに他の家がないから問題ないんだけど、あいつのバカでかい声は中学の頃、地域住民から鶏の鳴き声扱いされてたぐらいだ。
日奈子: ほら○○!さっさと朝ご飯食べて、学校に行こ!!
○○: はいはい、すぐに準備するから先に下に行ってて。
日奈子: はーい!!
日奈子はすぐに部屋から出て行き、階段を降りていった。
○○: ふぅ…朝から疲れるな笑
クローゼットを開け、制服を取りだし着替える。
○○: よし、行くか。
学ランとカバンを持って階段を下りる。
リビングに入ると日奈子はキッチンに立っていた。
日奈子: お、○○やっと来たか。この私が○○のためにチーズトーストを作ってあげたぞ!ほら早く食べろ!!!
○○: 笑、分かったから。ありがとな、日奈子。
日奈子: いえいえ。
まっこんな関係だ。
日奈子と喋りつつ、朝食を食べ終え、その他諸々の準備を終え、玄関に向かう。
日奈子: よし!!出発だーー!!!
○○: あんまり大声で騒ぐなよ。
日奈子: はーい!!
○○: いってきます。
そう言って○○は日奈子と共に家を出た。
日奈子: そういえば○○!
○○: なに?
日奈子: 昨日のわんちゃん特集見た?
○○: いや見てないよ。
日奈子:めちゃくちゃ面白かったんだよね。特に子犬ちゃんたちが競走してるやつ。
○○: へぇー、ホント日奈子は犬が好きだよな。
日奈子: あ!いい事思いついた!!!行くぞ○○!!
○○: え?!
日奈子: 学校まで競走だ!!!、負けた方は明日の昼ご飯奢りだよ!!よーいドン!!!!!
そう言って日奈子は走り出した
○○: おいおい、嘘だろ!!
○○は呆れながらも日奈子に続いて走り出した
くっそ!あいつめちゃくちゃ足速いんだよな。
学校まで残り100m
○○: やっと追いついたぞーー!!!日奈子!!
日奈子: 負けないぞー!!○○!!!
二人は並んで猛ダッシュしていた。
よしあともうちょっとでゴールだ!!!
お、あの後ろ姿は!!
道の先に1人で本を読みながら、とぼとぼ歩く小さな背中が見える。
○○: おはよーー!!飛鳥ーー!!!!
日奈子:あ!ホントだ!!あっしゅんおはよー!!!!
またねー!!!!!
2人は友達に挨拶をしつつ、全力でその横を走り過ぎる。
飛鳥: え…うん…おはよ。
いくぞ!!!ラストスパートだ!!
○○: うぉーーーーー!!!!
日奈子: 負けるか!!!!
そのままの勢いで2人は校門を通り過ぎる。
「やったーーーー!!!」
勝負に勝ったのは、、、
日奈子: 勝ったーー!!○○明日のお昼奢ってね笑笑!!
○○: くそーーー負けた!!
あー疲れた、朝からこんなことするもんじゃないわ。
しかも負けたし。
○○: ハァハァ…
日奈子: ほらっ!!早くクラス割り見に行こうよ!!
○○: 日奈子がいきなり競争を始めるから、こうなってんだろ。
日奈子: そんなこと言うなら、わざわざ勝負に乗ってこなかったらいいじゃん!!
○○: いや無視したら、日奈子めんどくさくなるでしょ。
日奈子: なんだって〜〜!!
○○: この前なんか勝負を無視したら、永遠に後ろから脇腹小突いてきたじゃないか。
日奈子: もう忘れました〜
○○: あの時結構、辛かったんだからな。
日奈子: そんなに言うならまたやってあげよう!!
○○: やらないで!!
そうやって言い合いを続けていると…
飛鳥: いつまで、騒いでんの。新学期初日からみっともないよ笑
○○: 飛鳥か…
日奈子: でもだってね、○○がね、日奈子のことめんどくさいとか言うんだもん。
飛鳥: 笑、それは同感。
日奈子: あっしゅんまでそんなこと言うのーー!!もう知らない!!!
飛鳥: まぁまぁ冗談だから、ね、○○もそうでしょ。
飛鳥から否と言わせないようなオーラのこもった視線が向けられる。
○○: え、うん、そうだよ。冗談だよ。日奈子。
日奈子: そっか笑、冗談か、なら良かった。ほら2人とも早くクラス割り見に行こ!!!
流石だな飛鳥、日奈子の扱い方が完璧だ。
飛鳥: 分かったから。○○も行くよ。
○○: うん。
この子は"齋藤飛鳥"。僕達は小学生の時に友達になって、そこから中高と同じ学校に通っている。
日奈子とは真反対の性格で、クールで頼れる存在って感じかな。
○○: えーっとクラス割りが張り出されてるところはどこかな。
飛鳥: あそこに人だかりができてるから、そこにあるんじゃない?
○○: そうっぽいね。行こうか。
日奈子: みんな同じクラスになれるかなーーウキウキ
○○: それだと色々と楽だからいいんだけどな。
飛鳥: まぁそうだね。
○○: にしても人が多いな、もうちょっと早めに来れば良かったか。
日奈子: だから私は早く学校行こって言ってたんだよ、○○!
飛鳥: いや絶対そんなこと考えてなかったでしょ笑
日奈子: うっ、バレたか…
○○: 俺が二人の分も見てくるよ、待ってて。
日 飛: よろしく!
○○: えーっとどこかな、、、おっ!日奈子の発見、1組か。それに飛鳥の名前もすぐ下にあるな。じゃあ、あとは僕のなんだけど。
苗字的に後ろの方にあるかな。
○○: よしよし、あった、あった。って俺も1組か。みんな同じクラスだな。
日奈子:あ!○○が戻ってきたよ。
飛鳥: ○○、結果は?
○○: みんな同じクラスだったよ。
日奈子: やったね飛鳥!
飛鳥: うん笑、そうだね。
○○: じゃ、教室行こ。
日奈子: お先に行きまーす!!!
日奈子は校舎の方に駆け出して行った。
○○: 流石、日奈子だよな笑
飛鳥: だね、でもあの子クラス聞かずに言ったよね笑
○○: どうせすぐ戻ってくるよ笑、ほら…
日奈子: ○○!!!私たちのクラスどこ!!!
飛鳥: みんなで行くよ、日奈子!
日奈子: はーい!!
○○: 去年は1階だったけど、今年は2階か。移動教室の時は楽だけど。行き帰りはちょっと面倒くさいかな。
飛鳥: だね。もう階段は疲れるよ。
○○: なにおばさん臭いこと言ってんの笑
飛鳥: ギロッ
○○: いやっ怖!
飛鳥: そうやって余計なことをすぐ口にするから、彼女が出来ないんだよ○○は!
日奈子: そうだ!そうだ!
○○: うるさい笑、そんなこと言われても、勝手に口から出ちゃうからしょうがないだろ。
飛鳥: 治しなさいよ、その癖。将来変なことに巻き込まれるよ。
○○: 飛鳥が言ったら、実際に起こりそうだから、やめて。
日奈子: もういいから、早く教室に行こ!!
飛鳥: ふん!
○○: ごめんって飛鳥、気をつけるから。
飛鳥: はいはい。
上履きに履き替え、階段を登って教室に入った。
ガラガラ
日奈子: みんなおはよーー!!!
??1: おはよー、今日も元気だね日奈子。
??2: おはよ、日奈子。
日奈子: 未央奈にみなみちゃんじゃん!!
○○:二人も同じクラスだったんだな。
飛鳥: 今年もよろしく。
堀: よろしくね。朝から大変だね。
○○: いや〜大変だよ。でも5歳の時からだから、慣れた。
堀: そっか。
星野: でも日奈子の声聞くと、朝から元気でるよね。
飛鳥: 確かに笑
日奈子: みなみちゃん、良いこと言ってくれるじゃん!
星野: 日奈子は、もちろん昨日のわんちゃん特集見たんでしょ?
日奈子: もちろん!!!あれ、可愛かったよね!
星野: うん、可愛かった!
堀: ホント日奈子は犬が好きだよね。
飛鳥: 日奈子自身も犬っぽいし笑
星野: 確かに笑
堀: それは言えてる笑
日奈子: そうかな〜笑、なんか嬉しいかも!
堀: 話変わるけど、なんかうちのクラスに転校生来るらしいよ。
転校生ねぇ…
日奈子: え、それホント?!女の子かな、男の子かな?
星野: 日奈子はどっちがいいの?
日奈子: 私はね〜女の子かな!!
星野: なんで?
日奈子: それはね〜
ワイワイ
○○: 女子で盛り上がってる所だし、僕は自分の席に行こうかな。
○○は自分の席を見つけ、座った。
○○: 今日は始業式だけだから、昼までに終わるとしても、家に帰ってる時間はないかな。直接⊿モールに行こう。
堀さんと星野さん以外に、同じクラスの人は誰がいるのかな。
○○は教室を見渡す。
○○: 結構もう人が来てるけど、意外と知らない人が多い…ん?、あいつは。
教室の後ろの方に机で突っ伏している人が見える。
○○: あれは確実に祐希だな笑、相変わらず、ぐ〜たらしてんな。
飛鳥: なに先に席に着いて、キョロキョロしてんのよ。
そう言って飛鳥が隣の席に座る。
○○: いやいや、誰がいるのかなって思ってね。ってか、隣の席なんだね。
飛鳥: そうよ。授業中寝てたら、引っぱたいてあげるから笑
○○: それは怖いな、寝ないようにするよ。
飛鳥: ちなみに日奈子はあそこね。
飛鳥が指さした方向を見ると、日奈子と堀さん達が座って話していた。
○○: 日奈子はあっちか。
飛鳥: 私じゃなくて日奈子が隣の方が良かった?笑
○○: いや、そんなことないよ。ただ日奈子の周りに話せる人がいるなら、僕の方に話に来ることがなくて、静かに過ごせるかなって思って。
飛鳥: 確かにそうかもね。
○○と飛鳥が会話を続けていると、チャイムがなった。
キンコンカンコーン
○○: チャイムが鳴ってるのに、まだ誰も来てない席があるな。
飛鳥: 初日から遅刻とは、中々やる人がいるみたい。
バタバタバタ
ガラガラ!!
??: 危ねー!!ギリギリセーフか!!
○○: お!春時じゃないか!
春時: ○○!!お前も一緒か!!
??: 挨拶は後にして、早く席に着いてね金川君。さもないと遅刻にするわよ。
春時: 了解しました!!すぐに席に座らせて頂きます!!!
ものすごい速度で、春時は空いている席に座った。
??: じゃあ、全員が揃った所で…私はこのクラスの担任をすることになった"高山一実"と言います。1年間よろしくね。
全員が揃ったって言っても、あと1つ空いてる席があるんだけどな。
転校生の席か…
高山: さっそくなんだけど、しぎょうすぃき。いや始業式があるから、みんな体育館に移動してね。
○○: ねぇ飛鳥、これってツッコんだ方がいいのかな。
飛鳥: 笑。やってみたら?
○○: じゃあツッコんでみるか、と行きたいとこだけど、僕以外の人がやってくれるみたいだよ。
春時: 先生!!しぎょうすぃきですね笑!!
高山: もう金川君、ツッコまないでよ笑。私滑舌が悪いから勘弁してね笑
春時: 分かりました!!
○○: だってよ。
飛鳥: 良い先生みたいで良かった。
高山: はーい、みんな移動して。
全員が体育館に移動し始めた。
体育館
校長の話の最中
○○: 相変わらず校長の話は長いな。
飛鳥: ちょっと、余計なことを口にしないでよ、じゃないと…
日奈子: ホントそうだよね!!!全く校長先生は長話が好きなんだから!!!
飛鳥: 手遅れだったか…
日奈子の声が体育館に響き、校長の耳にその声が届く。
校長:あ…スイマセン
日奈子: いや、あの〜
高山: ちょっとそこ。静かにして笑
○○ 日奈子 飛鳥: はい…
高山先生、苦笑い。
校長: これで話を終わります…
校長は肩を落として、ステージからはけて行った。
先生: 次は生徒会長からです。
体育館内の空気が少し引き締まった。
1人の女子生徒が堂々とした様子で壇上に上がった。
流石、生徒会長だな。
会長: 皆さん、おはようございます。生徒会長の"桜井玲香"です。校長先生とは違い、長話は好きではないので、手短に済ませます。
校長の立つ瀬が無いな笑
桜井: 今年度も校則をしっかりと守り、乃木高生徒であることを自覚し行動して、良き学校生活を生徒全員が送れるようにしていきましょう。これで、私からの話を終わります。
そう言って生徒会長は壇上を降りていった。
○○: やっぱ、桜井さんはカッコいい。
飛鳥: だね。
始業式終了後
教室
高山: 委員決めとかは、本当は今日やる予定なんだけど、うちは明日やるね。今日はこれで終わりだから、また明日。さようなら。
そう言うと高山先生は教室を出ていった。
ガヤガヤガヤ
○○: やっと終わったな。
飛鳥: もう、○○のせいで始業式中に注意されたじゃない。
帰る準備を進めていると、隣の飛鳥が話しかけてきた。
○○: ごめんって、でもあれは日奈子のせいじゃん。
飛鳥: いや、日奈子が会話に参加してきたのは○○の言葉がきっかけでしょ。
○○: 確かにそれは、僕も迂闊だったな。日奈子は声が大きいから。
日奈子: なになに!私の話?!
飛鳥: いや日奈子が可愛いねって話。
いや、誤魔化し方笑
日奈子: え、そうかな?○○もそう思う?
○○: うん、そうだね可愛いよ笑。
日奈子: やったぜ!
飛鳥: ふふ。
日奈子: そういえばさ、今から春時も誘って、4人でカフェに行かない?
飛鳥: うん、いいよ。暇だし。
○○: ごめん!僕ちょっと用事があるから。また今度ね。
日奈子: えーその用事ってどうしても今日じゃダメなの?
○○: うん、ごめんね。
父さんに会わないとだから。
日奈子: 分かった!!また今度ね!!あっしゅん行こ!
飛鳥: じゃあね。
○○: うん、また明日。
さてと、父さんに会いに行きますか。
to be continued
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?