着床前診断のお財布事情

着床前診断の費用は病院によって幅がある

国内で行う着床前診断(男女の産み分けなどを目的とするものではなく、習慣流産等を対象に行われているもの)については、ネットで検索してみるとだいたい1胚盤胞あたり5~10万が相場のようです。

これ以外にも、診断全体にかかる費用や、遺伝カウンセリングの費用も加算されます。
遺伝カウンセリングの費用も病院によってまちまちで、数千円~1万程度かと(もっと高いところあるのかな?)。

私の病院は1胚盤胞あたり5万円だったので、良心的な方かと思います。
ただ、現在これは「研究期間」だからかもしれません。
恐らく全国の様々な施設で「PGT-A(着床前胚染色体異数性検査)の有用性に関する多施設共同研究」を行っているはずです。
この研究機関になっている病院が、全部同じ費用なのかなど、詳しいことはわかりません。。。

ただ、「研究段階」として行われる他の検査も受けたことがありますが、かなり格安だったり無料だったりしました。
となると、この5万円という価格は現在の「研究期間」限定の金額である可能性もあります。

着床前診断は高いか

1胚盤胞あたり5万円が高いか安いかは人によって違うと思います。
7個胚盤胞がとれ、そのうち正常胚がたった1個しかなかった私にとっては正直「安い」と言っても過言でないと思います(35万かかってますけどね・・・!いや、高いんですけどね・・・!!!!!)。

要は移植のお金が浮く、ということです。
胚移植は、私の病院だとだいたい1回の移植で15万~20万ぐらい(薬の量やSEET法を取り入れるかでも違う)かかります。
となるとですよ・・・。
戻しても妊娠しない、または流産する胚を、6個戻したと仮定すると、

6個×15万=90万 (チーン)

がかかる訳です・・・。
つまり100万近くのお金がかかるところを35万で済んだと思えば、安いわけです。。。

ただ、後述しますが、実は着床前診断って実際の診断料だけでは済まないところが落とし穴なんですよね・・・。

お金の問題より、体と年の問題が大きい

たぶんアラフォーの皆さんはわかってくれると思いますが、不妊治療で切実な問題は「年齢」です。
年齢があがれば、それだけ採卵も難しくなるし、卵の質も下がる。
ある一定年齢がくると、卒業を促される病院も多いのではないかと思います。

戻してもつかない(または流産になる)胚盤胞を6つも戻していたら、それだけで下手したら1年ぐらいかかります。

妊娠しなかったならまだしも、流産すれば時間もかかるし、精神的にも打ちのめされるし、体もきつい。
その可能性を低くできるというのは、お金よりもメリットがあることです。

ただ、だからと言って、じゃんじゃか着床前診断で採卵すればいーじゃん!となるとそうも行きません。。。

立ちはだかる壁

着床前診断は診断料以外にもお金がかかるということはなーんとなくわかっていましたが、治療後の請求で目玉を飛び出すことになるわけです。
何かかかったかって、「顕微授精」の料金です。。。

元々私は普通の体外受精で問題なかったのですが、着床前診断の場合、多子を防止するために顕微授精を行わなければなりませんでした。
この基準はすべての病院に当てはまるかはわかりません。
普通の体外受精でやってくれるところもあるかもしれませんので、事前に確認しておいた方がよいです。

採卵時に採れた卵は8個だったため、そのすべてに顕微授精をし、追加料金が発生しました。
これが結構痛い金額になるのです・・・。

結局何やかや1回の採卵(着床前診断込み)の金額が、90万を超えました・・・。
震えるぜ・・・!!!
採卵数が多ければ、それだけもっと高くつくと思います。

で、戻す胚も少なくなるので、もし着床しなければ、採卵の周期が早くなるわけです。
1年に数回、この100万近いお金を払えるかというと・・・もうそれは我が家の財力では無理な訳で・・・。

私はフルタイムの仕事をしていますが、不妊治療を始めてから、ずっと仕事を辞めるかどうか迷っていました。
辞めて治療に専念することもよいと思っています。
ですが、この90万の支払いの時だけは、心底仕事続けててよかった・・・と思いました。。。

ただ、採卵の周期が早くなることを考えると、正直フルタイムの仕事も続けられるかどうか、という問題になってきます。
胚移植だけであれば休む回数も少なくて済みますが、採卵はお休みも多く取らなければならないですし、体の負担もあって大変です(注射まみれの日々になりますしね・・・)。

お金も時間もかかるという壁がここに立ちはだかる訳です。

お金のことはちゃんと確認しておこう

着床前診断を受けるとき、なんとなーく顕微授精するのかー、そういえば追加料金かかったような~ぐらいにしか思っていなかったので、トータルとしてかかる金額を具体的に想像していませんでした。

結果、支払いの時に目玉を飛び出すはめになるのですが、これは完全にちゃんと事前確認しておかなかった自分の落ち度だと思います。
病院は聞けばちゃんと教えてくれます。

また、胚移植の時はいつもよりかなり薬が多く出されました。
看護師さんにも、フルコースだね、と苦笑され。。。
どうやらたった1個しかない正常胚を何とか着床させようと、先生がかなり安全策をとってくださったようで。
なので、胚移植代もいつもよりちょっぴり多めにかかりました。

色々お金の問題も書きましたが、それでも私は着床前診断をやってよかったと思っています。
必要としている方も多くいますので、どうか、これが不妊治療の標準治療として認められることを切に願っています。

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